覆面画家・Rockin’ Jelly Beanのスパイダーマンイラストを独占公開!自身のスタイルの根源、アメコミカルチャーとの出会いを明かす
「いまのようなスタイルで絵を描くのは、アメコミ体験の影響が深く関係していると思う」
スパイダーマンに出会ったことでより深く触れることになったアメリカンコミックスの表現は、その後のRJBの作風にも大きな影響を与えていくことになった。「アメコミに対する憧れは本当に強かった。あのタッチやダイナミックさ、すべてのシーンにパースというか奥行きを感じるんだよね。受けてる日差しの量が違うからだと思うんだけど影の付け方が日本のマンガとは全然違うんだよね。そこは大きく影響を受けているよ。いま思えばアメコミは自分のアメリカンカルチャーに対する憧れの入口だったのかもね。服や乗り物、音楽をはじめとしたカルチャー的な部分でも当時70年代のアメリカ的な感覚にその後どんどん興味を持っていったんだ。
そういう感覚を持っていたから、絵を描くにしても、アメコミっぽく描いてみたいと思っていて。どうやったらこんな感じに仕上がるのかはいろいろと絵を描いてたくさん試していた。さっきも言ったけどアメコミの絵には、奥行きがすごくあって、ポーズの決め方も含めて遠近感を感じるんだ。影の付け方で人物の立体感も変わるから、日本のマンガのようなフラットでないところにも惹かれて。いまのようなスタイルで絵を描くのは、スパイダーマンから始まったアメコミ体験の影響が加わったことは深く関係していると思うよ」。
「初期のアメコミ原作版スパイダーマンの雰囲気を入れているんだ」
そうしたスパイダーマンへの想いを踏まえて、RJBは2枚のスパイダーマンのファンアートを描いている。ひとつは、最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』をリスペクトした正統派なイラスト。予告編からインスパイアされたファンアートにはどんな想いを込めているのだろうか?
「スパイダーマンは、子どものころはよく描いていたんだけど、実は絵の仕事を始めてからはちゃんと描いたことがなくてね。だから、今回はまずはきちんと描いてみようと思った。もちろん、今回の映画のイメージをベースに描いてはいるんだけど、そこに自分のなかにある初期のアメコミ原作版スパイダーマンの雰囲気を入れているんだ。それは、あの外国っぽさを感じさせるニューヨークの街並と躍動感溢れるかたちで街を飛び回るスパイダーマンを描きたいというのがあったから。スパイダーマンのポーズに関しては、どうしようかというのを考える前に自然に描いてみたらこのポーズだったので、それを活かすように背景やほかのキャラクターも描いていった感じだね」。
イラストでは、メインのスパイダーマン以外にもハルクやパニッシャーなども配置され、見所の多い1枚となっている。「今回のスパイダーマンの予告を見てみると、ハルクやパニッシャーも出てくる。それを交えて描いてみたいという想いがあったんだ。パニッシャーに関しては、予告編を観る限りだとスパイダーマンとは仲良く戦うというよりもちょっと物騒な関係に見えたので、なんか後ろから狙っているようにも見える配置にしてみた。ハルクは描いていて楽しかった。スパイダーマンもいいけど、予告を見たら筋肉ムキムキでマッチョなハルクも絵の中に入れてみたらおもしろいかもって思ってさ。子どものころから、永井豪、石川賢先生の絵をよく模写していたのでね、普段あまり描く機会がないけどカッコいい筋肉男性像を描いてみたいと思っていたので。今回はハルクも描いて大丈夫と言われていたから、喜んで描かせてもらったよ」。
「自分のスタイルとして、スパイダーマンの女性版を描いてみたかった」
そして、MOVIE WALKER PRESS用に描き下ろしてもらったもう1枚のイラストは、RJBお得意のテイストが盛り込まれた、スパイダーマンの衣装をまとったセクシーな女性をメインにしたものとなっている。「自分のスタイルとして、スパイダーマンの女性版を描いてみたかったというのがあったんだ。アメコミ原作のほうにはスパイダーガールというキャラクターもいるし、これまでもスパイダーマンの衣装を着た女性というのは、前にも何度か描いてみたりしたことがあったんだけど。今回は、自分が描きたいスパイダーマンの絵を描いていいということで、スパイダーガールとはちょっと違う、スパイディーファンの女の子が今時のコスプレをしている感覚でスパイダースーツを着ているというイメージで描いてみたんだ。それを、本物のスパイダーマンが『こんなことをしている子もいるのか』と驚きつつ見ているようなシチュエーションはおもしろいなって。構図はもう1枚のイラストと同じような感じで、ほかのキャラクターたちも女の子が気になって、ちょっと覗いているような感じにしてみたんだ」。
RJBは今回のスパイダーマンのファンアートに限らず、これまでもいくつかの映画のポスターなどのコラボレートを手掛けてきた。どことなく懐かしさを感じる、ポスターアート風のイラストのスタイルは、どのような影響のもとに培われていきたのだろうか?「もともとの自分のタッチや絵の構図は、古い映画のポスターなどから影響を受けていて。そこから勉強していまのスタイルになったんだよね。だから、イラストの仕上がりは映画のポスター的になったりすることが多いんだけど、それは自分が一番やりたかったスタイルだから、それが仕事になっているのはうれしいね」。
そんなRJBに好きな映画についても語ってもらった。「ちなみに映画だと、『サタデー・ナイト・フィーバー』が一番好きで、音楽がイカしてて、歌って踊れるカッコいい主人公が出て来て、ロマンスがあって、最後成功するというのがわかりやすくて好きだね。あとは、60年代のアメリカンニューシネマ的な、終わり方がハッピーエンドではないけど、観終わったあとに少し考えてしまうような映画も好きだったりするね。ジャンル的には、わりとクラシックなオールドスクールなところを好んでいるかな」。
「皆もぜひ映画館で見て楽しもうぜ」
最後に、スパイダーマンを愛するRJBに、予告編のみを観た段階で最新作である『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』に対して期待しているポイントも聞いてみた。「今回新作は、本当に楽しみで仕方がないね。これまでのトム・ホランド演じるスパイダーマンは、アイアンマンとの絆なんかがメインだったけど、今回はひとりで活躍するみたいなところもおもしろそう。敵キャラもスコーピオンが出てきたり、さっきも言ったけどパニッシャーやハルクも出てくる。それを実写で観ることができるというのは、古いアメコミ版を知っているファン的には期待値が上がるし、謎の忍者軍団との対決も破天荒でおもしろそうだね。そういう意味では内容はかなり盛り沢山なんだろうね。
一方で、今回のスパイダーマンはヒーローだからこそ持っている影の部分、みんなに存在は知られているけど孤独に戦っているという姿が描かれているようなので、そこは自分がすごく好きな要素が拾われているんだと思う。個人的には、スパイダーマンは隠密に戦っていて、みんな平和になるから頑張る。そういうヒーロー像が好きだし、それがどれくらい表現されているのか期待しちゃうね。自分は映画のスパイダーマンを全部は追いきれていないんだけど、この映画からスパイダーマンに触れるという人でも楽しめそうな雰囲気がある作品だと思うので、見逃せないよね。だから、皆もぜひ映画館で見て楽しもうぜ」。
取材・文/石井 誠
ガレージパンクシーンでフライヤーやジャケット制作からキャリアを築いた覆面画家。L.A.で「EROSTY POP!」設立。帰国後はショップ「EROSTIKA」を拠点に国内外で幅広く活動している。
X:@RockinJello
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公式サイト:https://rockinjellybean.com/
EROSTIKA:https://erostika.jp/
「スパイダーマン通信」はこちら:https://spiderman-movie.jp/spidey-post/
