映画好きこそ楽しめる!『ミニオンズ&モンスターズ』に散りばめられたハリウッド映画オマージュを答え合わせ
往年のクラシックムービーをこれでもかとオマージュ!
ここまででも十分散りばめられている映画オマージュだが、ストーリーの本筋であるミニオンたちの大冒険ではさらにエスカレート。
例えば、ハリウッドへと近づくミニオンたちが強盗に遭遇する場面は、さながら『大列車強盗』(03)だ。その強盗を「ボス!」と追いかけ、ハリウッドをはちゃめちゃにしてしまうミニオンたち。この騒動ではハロルド・ロイドの『要心無用』(23)での時計の針へのぶら下がり、バスター・キートンによる『キートンの蒸気船』(28)での家屋崩落、チャールズ・チャップリンの『モダン・タイムス』(36)での歯車…と“世界三大喜劇王”をコンプリートする。
ミニオンたち俳優として所属するブライト・ブラザース・スタジオのトップ、フランクとエルウッドが、ピアニストのサムに「もう一度弾いてくれ」と頼むセリフは『カサブランカ』(42)から。
さらにハリウッドにトーキーの波が押し寄せるという『雨に唄えば』(52)的展開によって、ミニオンたちが『マルタの鷹』(41)風ノワールに挑む様子も。また近作だが、ハリウッド黄金期を舞台にした『バビロン』(22)さながらの狂乱のパーティーまで、枚挙に暇がない。
モンスタームービーへの敬意も随所に!
往年のクラシックムービーに加え、『ミニオンズ&モンスターズ』というタイトルの通りモンスターの引用も多く、博物館のシーンには『大アマゾンの半魚人』(54)などクリーチャーが飾られている。
ミニオンたちによるボス探しの旅では、ピエール・コフィン監督が大きな影響を受けたという“特撮の神様”レイ・ハリーハウゼンによる『シンバッド 七回目の航海』(58)や最後の仕事となった『タイタンの戦い』(81)でおなじみの一つ目の巨人サイクロプスが登場。その後も『ミイラ再生』(32)でおなじみのミイラがミニオンたちのせいでひどい目に遭ったりと、モンスターが入退場を繰り返していく。
またグーミーの案内でモンスターがいる孤島に赴くという『キングコング』(33)を連想させる筋書きの船旅の途中で巨大ザメが一行に襲いかかる一幕はもちろん『ジョーズ』(75)から。その後グーミーによって解放された、無数の目を持つオレンジ色の粘液モンスター、アイリーンは『マックイーンの絶対の危機』(58)やそのリメイク『ブロブ 宇宙からの不明物体』(88)の液体クリーチャーから着想を得たりと、クラシックなモンスターへの敬意が随所から感じ取れるはずだ。
多彩なイースターエッグを散りばめながら、映画への愛を謳う『ミニオンズ&モンスターズ』は、映画ファンがチェックするとより楽しめる1作。すでに映画を観たという人も繰り返し劇場に足を運び、紹介したもの以外にもどんなオマージュがあるのか、ぜひ見つけてほしい!
文/武藤龍太郎
