中島健人が『ラブ≠コメディ』で見せる“ケンティーらしさ”とは?「自分の映画」と語る先にある、自身の現在地
「僕のなかのいろいろなものが思いっきり発散されている、“自分の映画”という感じ」
ドラマ「彼女はキレイだった」を手掛けた紙谷楓監督との再タッグとなる本作について「もっと弾けっぷりMAXで、もっとふざけた映画になると思っていたけれど、紙谷監督の手腕ですばらしい日本映画になりました。お仕事映画としてちゃんと成立しているし、すごくふざけたつもりのシーンも、(映画の)この世界では標準値みたいなレベルになっている。浮世離れした自分の存在を、ちゃんと地に足をつけた存在として仕上げてくれました。全幅の信頼を置いている監督と一緒にこの作品ができてよかったです」と撮影を振り返りながら想いを言葉にした。
出来上がった映画の感想について、「十数年後に『ケンティーの若かりし頃のラブストーリーが観たい!』と思ったら、コレを観るといいと思います。ブラピ(ブラッド・ピット)でいうところの『ジョー・ブラックをよろしく』、レオ(レオナルド・ディカプリオ)でいう『タイタニック』みたいな感じで!」と映画好きの中島らしい例えで、映画の楽しみ方についてもおすすめした。
本作は間違いなく自身の代表作になると胸を張る中島。「最近、人斬りとかセックスセラピストとかを演じたのだけど、正直どっちも重い(笑)。すごく大変な想いをして撮っていて、どちらもすごく演じ甲斐がありました。その一方で、こちらは唯一自分の中で抑制されたものを解き放った作品。溜まりに溜まっていたものをぶっ放しているから、僕のなかのいろいろなものが思いっきり発散されている、“自分の映画”という感じがします」と、“らしさ”溢れる、中島のパブリックイメージそのままの映画であり、自信作でもあると太鼓判。
作中では麗司が、30歳を目前に葛藤する姿も描かれるが、中島から麗司に送りたい言葉があるという。「あの気持ちはよくわかる。ラブコメ系のオファーしか来ない。ドラマのオファーが来ない。すごくわかる。だって僕も15、6年くらい出てないから(笑)。それでも、言いたいことがあるんです。お前の作るものを楽しみにしているお客さんが、どれくらいいると思ってんの?って。その人たちのために置かれた場所で咲けよ!と言いたいです」と力を込め、「いまの僕の理論としてはそう思います。ただ、この考えになれたのは僕もこの数年です」と正直に話す。「なんでこういうオファーが来ないんだろうとか、正直ありました。いまもなお叶っていないことももちろんたくさんあるけれど、まず自分がやっていることをフルアウトすれば、結果が出ることもちゃんとわかっています。それがこの社会を生き抜くうえでの礼節だと思っています」とまっすぐな目で語った。
「TBS火曜夜10時のドラマの主題歌に流れていそうなメロディーを意識し、僕の願望が詰まっている」
作品へのアイデアだけでなく、現場に対しても中島のアイデアが取り入れられた。本作では「ファミリーデイ」が設けられ、スタッフ、キャストの家族を招く場が用意されたという。「パパ、ママが現場でなにをしているのか、わかってないお子さんたちがすごく多い。ずっと家に帰ってこないし、帰ってきても深夜だし、1週間家にいないってこともある仕事。家族のために頑張っている姿を見ることで、家族みんながすてきな時間を過ごすことができる。そして、パパ、ママはもっと家族のために頑張ろうという気持ちになれる。実際、ファミリーデイの翌日にスタッフさんから『家族の雰囲気がよくなったよ』とか言われたりしたし、僕もファミリーデイには、スタッフさんの家族とたくさんお話をしました。1回現場に行くだけで、いままで見えていなかったものが見えたりするし、ご家族にとってすてきな時間、体験になればいいなと思いました。こういうことってすごく大切だと以前から思っていたので、今回の現場で提案しました」と自身の考えで実現したことを明かした。
本作では主題歌「Fiction Love」、劇中ドラマの主題歌「愛してTonight」「ストロベリー」3曲の作詞作曲を手掛けている。「全部作りました!」と満面の笑みを浮かべ、「劇中ドラマ『壁ドン!床ドン!君にドーン!』の主題歌『ストロベリー』は、TBS火曜夜10時のドラマの主題歌に流れていそうなメロディーを意識しています。これはもう僕の願望が詰まっています。TBS火曜夜10時のドラマに出たことないから、自分で叶えてやろうみたいな気持ちで書いてみたら、意外とよくて(笑)。『ストロベリー』はみんなに好きになってもらえる王道メロディー。その後に作った劇中もうひとつのドラマ『執事ラブ』の主題歌、『愛してTonight』は昭和歌謡っぽい感じにしたかったんです。でも、思った以上にかっこいいサウンドになって。昭和歌謡っぽさはなくなったけれど、これはこれでいいかなと思って、フルコーラスで作り上げた自分なりの表現が詰まった楽曲です」と狙いも含めた制作エピソードを披露。
麗司ではなく、中島として歌う主題歌の「Fiction Love」は「インスパイアソングとか、キュンとする感じとか、大人っぽい楽曲とかアイデアを出すなかで、いろいろなものが突き抜けてしまって、衝撃の展開になったという感じ。映画チームには大人っぽいサウンドでクールに愛の曲を歌ってほしいという想いがあって。キーを調整しながら、メロディアスな感じにしようってことになり、試行錯誤するうちに出来上がっていった楽曲。ちなみに、振付、構成も全部僕がやっているのでお楽しみに!」とのこと。まだまだお楽しみが待ち構えているようだ。
