『口に関するアンケート』板垣李光人が刺激を受けた、“初めて”のホラー映画「プレッシャーをやり甲斐に替えて」
人気作家・背筋の同名大ヒット小説を、「呪怨」シリーズ、『あのコはだぁれ?』(24)などのJホラーの鬼才・清水崇監督が映画化した『口に関するアンケート』(7月3日公開)。原作本は掌に乗るぐらい小さい異様なサイズでわずか60ページのボリューム、登場人物たちの独白だけで構成されているため、実写化の情報が解禁された際には「これをどう映像化するのか想像できない」「あの不気味さを(映像で)どう表現するのか気になる」と声が相次いだ。
本作が意外にも実写映画単独初主演となる板垣李光人も、オファーを聞いた時はその思いは同じだったようで、「台本をいただく前でしたから、文字というメディアの特性を最大限に活かした小説のおもしろさを映像でどう表現するんだろうと思いました。でも、Jホラーの巨匠の清水監督とご一緒できるのがうれしかったですし、原作の小説がおもしろかったので、ありがたく受けさせていただきました」と振り返る。
「原作の濃度を100%保ったままで映画に仕上がっている」
ホラー映画というジャンルにも初挑戦となった板垣だが、「“ヒトコワ系”の作品も好きですし、(『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』などの)アリ・アスター監督の映画も好きなので、ホラー作品も出演作を選ぶ選択肢になかったわけではなくて。映画としておもしろそうな作品にはぜひとも挑戦させていただきたいです」というスタンスだと話す。ようやく手元に届いた台本は、そんな彼を唸らせるものだったという。
心霊スポットとして知られる墓地に肝試しに行った大学生たち。だが、そのうちの1人が忽然と姿を消し、5人の周りでも不可解なことが起こり始めたため、彼らは1人ずつあの夜のことを語り始める…。原作はたったそれだけのシンプルな内容だが、板垣は「映画版はいま出版されている背筋さんの作品に、背筋さんの頭のなかにある世に出ていないものをプラスしたような形になっているんです」と強調する。
「原作に映画のオリジナルの要素を足すって聞くと、小説のファンの方は心配に思う部分があるかもしれないけど、(『爆弾』の山浦雅大による)今回の脚本は、原作の濃度を100%保ったままで映画のボリュームに仕上げられていたから、読んだ時にとても引き込まれました。それに大学生の1人が消えてからいろいろな怪事件が起こるミステリーの要素もある作品ですけど、中村獅童さんが演じられた刑事の草壁など映画のオリジナルのキャラクターを登場させたことで観客の視点も定まって。彼らと一緒に、彼らの気持ちになって事件の真相を暴いていく構成になっていたので、きっとおもしろい映画になるだろうなと思いました」。
とはいえ、原作の魅力を損なうことなく映画に変換させた本作は、小説と同じように大学生たちがカメラに向かって証言する独白シーンが全体の半分を占め、それが最大の見どころ。演じるうえでかなり緊張しそうなシチュエーションだが、板垣は「プレッシャーはありましたけど、現場に入ったらもうやるしかないので、プレッシャーをやり甲斐に替えて挑みました(笑)」とのこと。
「ただ、普通の感情の出し方でよければいつも通りのプロセスですけど、本作の状況は特殊ですからね。“呪い”という、自分の意思に反するものに突き動かされて口なり感情が動く、通常の芝居とは違うイレギュラーなものなので、清水監督に参考になる映画を薦めていただきました。ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』です。催眠術をかけられた主人公(ダニエル・カルーヤ)が無表情のまま涙をボロボロ流すあのシーンが監督のイメージに近かったようで。そういうものは自分の想像だけでやるより、視覚的に参考になるものがあったほうが自分のイメージの輪郭がはっきりするので助かりました」。
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