「僕の人生を変えた人」。黒川想矢、『免許返納!?』で憧れの舘ひろしと映画初共演!脚本執筆に夢中な16歳の現在地

「僕の人生を変えた人」。黒川想矢、『免許返納!?』で憧れの舘ひろしと映画初共演!脚本執筆に夢中な16歳の現在地

「役者としてやっていけるのか、まだ不安」

黒川が芸能活動をスタートさせたのは、5歳のころ。2021年に舘との運命的な出会いに恵まれつつ、彼が「演技っておもしろい」と感じる転機となった作品としてあげるのが、2023年公開の是枝裕和監督による映画『怪物』だ。メインキャストに抜てきされた黒川は、少年の心の揺らぎを見事に表現し、その年の多くの映画賞で新人賞に輝いた。

是枝裕和、李相日ら名監督からの学びを口にした
是枝裕和、李相日ら名監督からの学びを口にした撮影/興梠真穂

いまでも「将来、役者としてやっていけるのかは、全然不安です」と告白した黒川は、「なので、まだ“この道でやっていこう”という決断はできていないんですが、『怪物』をやるまではお仕事もそんなにできていなくて。演技についても、顔で演じるものだと思っていました。もちろんそういうものが求められる作品もあると思うんですが、是枝監督は『顔は最後でいいよ』とおっしゃっていて。“感じることが大事なんだ”と教えていただいてからは、演じながらも、想像していなかったからこそ新しい感情に出会えたり、“自分がこんな気持ちになれるんだ”と気付かされることもたくさんあって。そうやって知らなかった自分や感情に出会える瞬間が、本当に楽しいです」と充実感を口にする。

そして吉沢亮演じる喜久雄の少年時代に扮した『国宝』(25)では、「李(相日)監督から、“何度テイクを重ねても新鮮な気持ちを失わず、役柄の経験を自分自身のものとして感じることが大切。邪念を捨てることが大事”だと教えていただきました。すごく勉強になりました」と名匠たちからの教えを糧にしながら、力強く前進を続けている。

インタビューで対峙していても、作品や役柄、そして自らの内面にもひたむきに向き合う姿勢が強く伝わってくる。

黒川は「自分について考えることは、すごく大切なことだなと思います。自分でも、自分のことがよくわからないんです。好きなところもあれば、大嫌いなところもある。例えば僕は本当に些細なことでもすごく悩んでしまうし、それは自分のよくないところだなと思いつつ、そういう部分があるからこそいろいろな感情が湧き出てくるものだとも感じます。そう考えると、その悩みやすさも含めて自分なんだなと思います」と想いを巡らせながら、「自分のことをちゃんと考えないと、相手のことも考えられないのかなと思って。相手のことをちゃんと考えられる、やさしい人間でありたいと思っています」と語る姿に、彼のまっすぐな人柄がにじみ出す。

【写真を見る】黒川想矢の弾ける笑顔に釘付け!クールな表情も収めた撮り下ろしカットをたっぷりお届け
【写真を見る】黒川想矢の弾ける笑顔に釘付け!クールな表情も収めた撮り下ろしカットをたっぷりお届け撮影/興梠真穂

俳優としてのキャリアを築く一方で、学業にも力を注ぐ高校2年生。いまは、「脚本を書くことにハマっている」そうで、「夜、眠れない日があって。書き始めてみたんです」ときっかけを明かす。

「書いていたら、演技をしている時のようにいろいろな気持ちが出てきて。僕は小さなころは自分が思っていることをなにも言葉にできなくて、本当に話せなかったんです。でもいまは、“伝える”ということはすごく楽しいことだなと思っていて。脚本家さんからしたら“なにを言っているんだ”という話だと思いますが、書くことでもなにかを伝えられるのは、とても楽しいなと感じています」とあふれる気持ちや想像力を脚本として紡いでいるといい、「いま、二つ書いていて。一つは、東日本大震災の話です。もう一つは、水のなかをテーマにしたお話。東日本大震災が起きた時、僕は2歳くらいでした。知らないことは書けないので、脚本を書く時にいろいろと調べているんですが、そうやっていると本当に“自分ってなにも知らないんだな”ということに気づくんです。調べて書いて、書いて調べて…の繰り返しです」と創作の裏側について披露。

俳優業、そして脚本に向かう日々も「知らないことや感情、知らない自分を知れる。それがすごく楽しい」と、笑顔を見せた黒川。知らないことを隠さず、楽しみ、未来への扉を開いていく。「デートもしてみたいです!」と目を輝かせる素顔は、まさに16歳そのもの。内省的な感性と達観した視点、そして等身大の瑞々しさ。そのすべてが同居している黒川想矢には、無限の可能性が広がっている。


取材・文/成田おり枝

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