「僕の人生を変えた人」。黒川想矢、『免許返納!?』で憧れの舘ひろしと映画初共演!脚本執筆に夢中な16歳の現在地
「いつかコメディに挑戦したいと思っていました」
本作でコメディに初挑戦した黒川だが、「僕、『Mr.ビーン』とか大好きで、いつかコメディに挑戦したいと思っていたんです」とにっこり。しかしながら手にした亮役は、「コメディをやれる!と思ったら、悔しさや苦しさを感じている役どころで。ものすごくシリアスな役でした」と意外な役どころだったと目尻を下げる。
舘が演じる南条をはじめ、彼が旅をするなかで出会う人々もコミカルで個性豊かな面々ばかり。そのなかでシリアスな役どころを演じきることとなり、黒川は「皆さんがおもしろおかしく演技をされている横で、僕は笑いを堪えていました。皆さんがうらやましくもありました」と素直な想いを吐露。コメディの現場に身を置き、たくさんの発見もあったという。「皆さんが馬鹿馬鹿しいことに本気で悩み、おもしろいことを本気でやっている姿がすごくカッコよく見えました。舘さんは、“喜劇は悲劇だ”という言葉をおっしゃられていて。人間が本気でなにかを考えていたり、本気でなにかをすること自体が、すごくおもしろいんだということを、コメディから学びました」。
その言葉通り、劇中でも南条がライバル俳優の発言に本気で悔しがったり、免許返納に本気で抗ったりすればするほど、観客の笑いを誘う。ダンディな魅力あふれる舘のコメディ演技をたっぷりと堪能できる本作だが、黒川は今回の現場で舘のどのような姿を目撃したのだろうか。
「南条さんが現場でバスローブを着ていたり、暴言を吐いたりするシーンも、現場のなかで舘さんが一番楽しんでやられていたのが印象的です。段取りをしながら、舘さんは“ここでこうしてみよう”とセリフを考えてみたり、急にアクションを加えてみたりと、アドリブもたくさん入れていました。台本の余白を大切にしながら、どんどん膨らませていくんです。コメディだからこそ、現場で生まれるものも大きかったんだと思います。すごく勉強になりました」とものづくりを楽しみ、妥協しない姿勢を目にしたと回想。
続けて「例えば、“おはよう”という一言があったとして、僕はそういった一つのセリフに対してもいろいろと考えてしまう。でも最後にはすべて忘れて、気持ちで演じることが大事なんだなと思います。今回の現場を見ていても、舘さんや、宇崎さんが、ものすごくドシッとされていて。お2人が立っているだけで、画が成り立つような雰囲気があって。そういった力強い存在感には、とても憧れます」と一層、舘への尊敬の念を深めたと話す。
「舘さんとお話をしていると、自分が肯定されたような気持ちになる」
黒川は、「常にスタッフの方に気を配られていたり、人間としてどうあるべきかということまでを教えていただける。舘さんからは、学ぶことばかりです」としみじみ。「舘プロに入れてください」と直談判したのは彼が11歳の時の出来事だ。当時を振り返ると、「いま思うと、“なにを言っているんだ、お前”って感じですよね」と照れ笑いをのぞかせる。
「でもあの時にお話して、本当によかったなと思います。舘さんのすごさをよく知らずに、“舘さん”という漢字も“カンさん”と読むのかと思っていたくらいで。会社にたくさんDVDがあるので、それを盗み見しながらどんどん、“舘さんって本当にすごい方なんだな”と気付かされています」と舘の偉大さをよく知らなかったからこそ、大胆な行動に出られたのだとか。直談判したのは、「ドラマの撮影中、お昼に舘さんが“一緒にご飯を食べよう”と言ってくださって、シュウマイ弁当を食べたんです。その時に舘さんは、子役の僕に対しても同じ目線で会話をしてくださった。僕はそのことに驚いて、同時にすごくうれしかったんです。この旅が終わっても、舘さんのことをもっと知りたいなと思いました」と舘の器の大きさに触れたことが、理由だったようだ。
それからは、たくさんの時間を舘と過ごしている。「ご飯に連れて行っていただく機会も多く、テーブルマナーも教えていただいています。その度に日常の悩みも相談できるし、舘さんとお話をしていると自分が肯定されたような気持ちになることがあります。そういう方がいることは、とてもうれしいです」というなかでは、「石原裕次郎さんや、渡哲也さんのお話もたくさんしてくれます。おはぎの差し入れや、新年の餅つきなど、会社の伝統と関連づけた思い出話をしてくださることも多く、そういった話を聞いても、人間としても俳優としてもステキな方だったんだなと感じます。おはぎの差し入れって、すごくいいですよね。僕も、その伝統は受け継いでいきたいなと思っているんです」と伝説的な俳優たちの心意気が、世代を超えて彼にも息づいている。
こんな裏話も教えてくれた。「舘さんって、ものすごい甘党で。撮影中も、ドーナツをいただいたらすぐに食べています。僕が事務所に入りたてのころ、スイーツ巡りをしに横浜に連れて行ってくださったこともあって。4軒くらい、一緒にハシゴしました。こんなにダンディなのに、甘いものが好きなんだ!って意外でした」。
