宙吊り熱油拷問、舌切り、顔面スライス…嘔吐袋まで配布された『殺し屋1』で炸裂する三池崇史の狂気的バイオレンス
グロすぎて笑える?『殺し屋1』でも炸裂する強烈なバイオレンス
そんな監督の持ち味が『殺し屋1』には詰まっており、暴力を肉体の痛みや心の不快感として描くと同時に、その痛みを愛する垣原の存在やSM的表現を介することで歪んだ性的快楽としても描写。賛否両論を巻き起こし、いまなお愛され続けるカルト的な人気を獲得した。
一般的には性描写に対して適用されるR-18指定が「映画自体が反社会的」という理由から課せられた異端的作品であり、劇中のバイオレンスはどれも凄惨極まりない。
組長失踪の犯人疑惑をかけられた船鬼一家の鈴木(寺島進)が無数のでっかい釣り針で宙吊りにされながら頬をアイスピックで貫かれたうえ、熱々の油を浴びせられる拷問を皮切りに、鈴木への拷問の責任を取るために垣原が自らの舌を短刀でギコギコと切り落とすなど、観ているだけで痛覚を刺激されるような描写のオンパレード。
さらには、左足のかかとに刃が仕込まれた殺人シューズでDV男を縦に真っ二つにしたり、ヤクザたちを木っ端微塵の肉片にしてしまう(切り飛ばされた顔面が壁にへばりつく!)イチのグロテスクな殺戮描写も、凄まじい血飛沫や辺り一面に散った臓物によって誇張して表現。観る者を困惑させるシュールで遊び心のあるブラックユーモアも特徴だ。
世界では上映禁止措置が取られた国もあり、上映された国でも、アメリカでは約11分、ドイツでは約13分、香港では約15分以上にわたり暴力シーンをカット。またトロント国際映画祭での上映時には、注意喚起のためオリジナルの嘔吐袋が配布されたというエピソードも残っている。
吐き気や不快感と同時に、あまりのやりすぎぶりで笑いすら誘う『殺し屋1』。受け手の感情を激しく揺さぶる本作には、暴力をショック演出として用いるだけでなく、表現のための手段へと昇華している三池監督の真骨頂が詰まっている。今回の上映ではもちろん無修正ノーカット版となるので、凄まじいバイオレンスに脳天を撃ち抜かれてほしい。
文/サンクレイオ翼
