ゲスト声優を務めた二宮和也&谷口崇監督が振り返る、劇場版「おしり前マン」制作の裏側「僕たちだけのおしり前マンでいてほしかった儚さもある」
「2026年はデビュー30周年。胸ならず、おしりを張っていこうと思います(笑)」(二宮)
——二宮さんの出演については公開日当日までシークレットになっています。どんな反応があるのか、楽しみですよね(※本取材は1月中旬に実施)。
二宮「喜んでいただけたらうれしいなと思っています。驚く方もいらっしゃるでしょうし、僕が出演を決めたと聞いて『どうかしちゃったのかと思いました』みたいなことを宣伝の方にも言われたのですが(笑)。確かに、どうかしているんだとは思います。でも、間違った作品選びはしていないという自信はあります。おもしろいと思えるものを選びたいし、作品に対しての敬愛を持ちながら品よく演じたいと思っているので。まあフィルモグラフィだけで見たら『8番出口』の次がこれになるので…(笑)」
——並びが…とは思いましたが、すごく興味深くも感じました。
二宮「あくまで自分の琴線に触れたというか。おもしろいなと思ったものに出続けた結果がこれなんで(笑)。そこにはなんの後悔もなく、いい作品に携われたと思っています。自分ごとで恐縮ですが、2026年はデビュー30周年。監督が10年前に生まれた『おしり前マン』をご自身の20周年記念で映画化する。10、20、30となんかこう合わさる瞬間の第1弾ということで、胸ならず、おしりを張っていこうと思います(笑)」
谷口「アハハハ!」
——第1弾というお話が出たので、もし続編があるならこんなお話…と考えていることはありますか?おしり前マンでこんなことをしてみたいなどでも構いません。
谷口「今回はおしり前マンのルーツを描くことができたので、第2弾ではおしり前マンの仲間たちが登場するようなストーリーにしてみたいです。それぞれのイメージカラーも考えて…」
——割と具体的ですね(笑)。
二宮「次も監督に呼ばれるように頑張っていかなきゃなと思っています。監督みたいなタイプは、放っておくのが一番かなと思っていて。こっちがこれをみたい、あれをやりたいというところにアジャストするタイプではないのかなと。自分がこうやりたい、こうだったら自分はおもしろいという気持ちで動くタイプなので、放っておいても、自然とおもしろいものに辿り着いてくれる気がしています」
谷口「勉強になります」
二宮「もちろん相手はどう思うのかとかお客さんはどういう反応するのかとかいろいろ考えてはいるけれど、根幹はやっぱり自分。こういうタイプの方に声をかけてもらえること自体がとても光栄なこと。みんなで相談してこの人にお願いしよう!というオファーもうれしいけれど、主観で物事を捉えている人に声をかけてもらえるというのはすごくうれしい。だから次に呼ばれない可能性もあるっていう(笑)。二宮さんとはもう仕事できたからいいや、って言えちゃうタイプの人!」
谷口「なるほど」
——「もういいや」と言われても二宮さんは受け入れられる?
二宮「もちろん!思えるし、受け入れられます。だから次の時に呼んでもらえて初めて私は胸を張れる時が来るってわけです」
「自分1人ではできない達成感は映画でしか味わえないものだと思います」(谷口)
——監督、1人での作業ではない長編映画作りを経て感じたことを教えてください。
谷口「物語を考えている時と画を描いている時が一番楽しいのですが、普段は1人でやっているので、絵コンテや台本を作る必要がない」
二宮「共有する必要ないですからね」
谷口「世に出ない指示書や説明書作りは、1人の時とは決定的に違う作業だったし、今回は結構描き込んだ絵コンテにしたのでより大変でした。でも、自分1人ではできない何倍、何十倍、何百倍の壮大なストーリーや仕掛けができました。やっている時はつらかったけれど、あの快感、達成感というのは映画でしか味わえないものだと思います」
——谷口監督の才能、挑戦に触れて刺激を受けたこと、チャレンジしたいことが生まれていたら教えてください。
二宮「おしり前マンの映画デビューが決まってうれしい反面、不特定多数の人間に知られていく儚さみたいなものも同時にあることも否定できなくて。僕たちだけのおしり前マンでいてほしかったみたいな(笑)。でも、映画でもちゃんと僕たちのおしり前マンになっているし、監督の優しさや熱量はすごく感じているので、こういった形で触れ合えたことは僕的にはすごくよかったです。おしり前マンが映画として世に出る手段のひとつとして使ってもらえたことはすごく光栄なこと。より広めたいと思うし、なにより、この先おしり前マンがどうなっていくのかが気になります。おしり前マンのこの先を気にしつつ、僕もおもしろいものを自ら探していきたいです」
取材・文/タナカシノブ
