ゲスト声優を務めた二宮和也&谷口崇監督が振り返る、劇場版「おしり前マン」制作の裏側「僕たちだけのおしり前マンでいてほしかった儚さもある」
「監督が演じるキャラクターと対話できる人でいようと心掛けていました」(二宮)
——おしりが体の前にあるおしり前マンはどのように生まれたのでしょうか?
谷口「趣味でSNSに落書きをアップしていて。最初はおしりが前にあるおじさんでした。そこそこ反応があったので、次はヒーローにしようと思い、じゃあ、ベルトとマントと手袋をつけて…という感じで誕生しました。そこにゲーム化やCMの話が来たという流れでいまに至ります」
二宮「おしりが前にあったらおもしろいかな?みたいな発想からの落書きってことですか?」
谷口「いや、そこまですら考えてなかったような…」
二宮「その落書きをブラッシュアップしていったんですね」
谷口「そうですね。最初からアニメ化しようと思って描いていたら、多分、膝関節は逆にしていなかったと思います(笑)」
二宮「後悔はあるんですね(笑)」
谷口「おしりが前にあるのと、膝が逆にあるのは関係ないので、膝を前にしてもよかったなって。映画にして3Dのシーンになった時に、どっちに曲がるんだ!みたいな話が出てきて」
二宮「確かにそうですね。あの形でずっと動いているから(笑)」
谷口「今回、サッカーのシーンがあって、3Dの担当の方が大変だったみたいです。ただ、後から気がついてもどうしようもないというか。そういうデザインなので」
「ボケているのか本当にちょっとおかしいのか、二宮さんの言い方が絶妙でした」(谷口)
——二宮さんが演じるおしり前レジェンドはどのように生まれたのでしょうか?
谷口「映画では、“おしり前マンとはなんだ!?”というのを描きたいと脚本段階で思っていました。おしり前マンが代々受け継がれているヒーローで、先代を登場させようと思ったんです」
——二宮さんが演じる上で工夫したことを教えてください。
二宮「監督がすべてのキャラクターを1人で演じていると、誰が喋っているのかわからなくなるシーンや時間が突如として現れるのではないかと思っていたので、対話できる人でいようと心掛けていました。敵対もですし、相対もそう。常に前尻さんの“目の前にいる人間でいよう”というのが今回のひとつのルールというか。観ている人が、いま、どっちが喋っているのかがわかれば、おのずと物語はわかってくる。伝わりやすくすることは自分のなかでルールとして持っていました」
——脚本を作る上でこだわったポイントはありますか?
谷口「二宮さんも言っていたように、掛け合いでどちらが喋っているのかがわかるようにという点はかなり気をつけました。シーンによっては会話している相手がフレームの外にいたり、喋っている人が後ろを向いていたりすることがあったので、極力そういう状況は作らないように心掛けました」
二宮「全部監督が喋っていたら、わからなくなる可能性はおおいにありますよね(笑)」
——二宮さんはおしり前レジェンドとして歌も披露していますが、アフレコで印象に残っていることはありますか?
二宮「監督が全部付き合ってくれたことです。声のお仕事って、だいたいスタッフさんが後ろ側にいるから、意思のやりとりみたいなものがテイク中に感じられることが少ない。でも監督はずっと同じブースにいたし、ニコニコしている監督を見て、自分のアプローチが間違ってないことを確かめられたのはよかったなと。過度に演出することなくやるほうが好みなんだろうなとか、いろいろなことがアフレコ中にわかるのですごく助かったし、印象にも残っています」
——二宮さんが演じるおしり前レジェンドはいかがでしたか?
谷口「壮大に前振りをして、サッとやめちゃうシーンの言い方が絶妙でした。一蹴するセリフの言い方も、サラッと当然のような言い方をして流すところを聞いて、これがお声がけしたいと思ったポイントだとニヤっとしちゃいました。ボケているのか本当にちょっとおかしいのか、みたいなところが、絶妙なセリフにも表れていて、改めてすごいなと思いました」
