北米ではファミリー向けアニメ『GOAT』が『嵐が丘』を逆転!公開10週目の『アバターFAA』はようやく“4億ドル”の大台へ
先週末(2月20日から2月22日まで)の北米興収ランキングでは、前週に初登場No. 1を飾ったエメラルド・フェネル監督の『嵐が丘』(日本公開中)と、同じく2位スタートだったソニー・ピクチャーズ・アニメーションの『GOAT』の順位が逆転。数字的に“2強”と呼ぶには少々物足りなさが残るが、まったくタイプの異なる両作の接戦ぶりはなかなか興味深いものがある。
1位に浮上した『GOAT』の2週目末の3日間の興収は、オープニング週末対比62%の1685万ドル。対して2位になった『嵐が丘』のほうは同42.7%の1400万ドルと、後者の下落率がやや大きいものの、どちらも比較的順当な推移を見せている。前週末時点では『嵐が丘』が500万ドル強リードしていたが、2週目末までの累計興収の差は170万ドルほど(かろうじて『嵐が丘』のリードが保たれている)。これは作品の優劣というよりも、客層の違いが数字に顕著に表れているからであろう。
ファミリー向け映画である『GOAT』は土日祝に興収を伸ばし、平日は伸び悩み気味。一方、R指定の恋愛映画である『嵐が丘』は平日も安定しているが、土日祝では『GOAT』に遅れをとる傾向がある。デイリー興収を見てみれば、初週末の日曜日と、翌月曜日の祝日、2週目末の土日は『GOAT』が1位で、それ以外のウィークデーはすべて『嵐が丘』が1位。週末興収ランキングでは“週末に強い”『GOAT』が逆転するのも納得である。
先述の通り、2週目末で170万ドル差まで縮まった両者だが、2月23日から2月26日までのウィークデーの興収を含むと、『嵐が丘』のリードは330万ドルまでふたたび広がっている。次週末でこの差がどう変わってくるのか。いずれにせよ、最終的には息の長い興行が期待されている『GOAT』が逆転することになるだろう。
新作タイトルは軒並み不発に終わっているが、そのなかで3位にランクインしたのはサプライズヒット作『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』(18)の続編となる『I Can Only Imagine 2』。クリスチャンバンド「マーシーミー」のバート・ミラードの半生を描く伝記映画であり、初週末3日間の興収は775万ドルと、前作の半分以下のオープニング興収にとどまっているようだ。
ところで、公開10週目もギリギリでトップ10圏内を守り抜いた『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(日本公開中)は、2月26日にようやく北米累計興収4億ドルに到達。これは史上50本目の快挙ではあるが、公開60日目での達成はそのなかでも5番目に遅い。前作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)が公開16日目で達成していることを考えると、シリーズの息切れ感は否めないか。全世界興収は14億7400万ドルで、現時点の歴代16位。いわずもがな立派な成績なのだが、まだ『アバター』(09)のおよそ半分ほどしか稼げていない点は気掛かりである。
文/久保田 和馬
