デビュー23年目で初のホラーに挑戦したジェジュンを撮りおろし!『神社 悪魔のささやき』撮影秘話と役作りの舞台裏
「日韓のスタッフが意見を言い合い、情熱が倍になるいい現場でした」
物語のもう一つの軸が、ユミとの関係だ。過去の誤解によって別れてしまった初恋の相手。再会してもなお、感情を表に出せないミョンジンの揺れる心をどう演じるか、悩んだという。
「失踪した学生たちを捜しに行く途中、ユミにライトを渡すシーンがあります。ユミに対する思いが残るミョンジンを表現するために、照れ隠しのように意地悪する仕草を入れたかったんです。でも、もっと感情を抑えたテイクが選ばれて。どうしても、1秒でもそういうところを入れたかったんですけど(笑)」。
本作は、オール神戸ロケという点でも話題を呼んでいる。歴史ある港町、薄暗いベルトコンベヤ跡のトンネル、人々の生活感が残る廃屋群。実在する風景が、映画に不気味な説得力を与えている 。しかし、JAEJOONGはタイトルにもなっている「神社」に、撮影前はあえて足を運ばなかったと明かす。
「むしろ神社に行かないほうが、役作りにはいいんじゃないかと思ったんです。物語の最後に、事件が終わったあとユミと一緒に神社へ行くシーンがありますよね。そこでおみくじを引いて、『これはなんだろう』みたいな表情をする。ミョンジン自身は祈祷師なのに、こういう迷信のようなものを本当に信じるのか?という少し距離のある顔をするんです。だからこそ、事前に神社を体験しないほうが、その瞬間に自然な表情が出るんじゃないかなと思いました」。
撮影現場は、熊切監督率いるチームと、韓国の製作会社、そして日韓のキャスト・スタッフによる混成チームだった。言語の壁を超えた意見のぶつかり合いもあった。「スタッフが言い合いになることもあって。でも、意見を言い合うのは、いい作品にするためですよね。日本と韓国のスタッフがぶつかると、僕はどっちも聞き取れるじゃないですか。だからおもしろいんですよ(笑)」。
監督からは「JAEJOONGが現場のまとめ役だった」という証言もあるが、本人は笑って否定する。「いや、実はまとめ役が嫌だったんです。どんどん激しくなっていってほしかった(笑)。意見を言い合って仲直りしないまま撮影に入ると、情熱が倍になるんです。すごくいい現場でした」。
「30代とは違う新たなチャレンジがすごく楽しみです」
日本での活動を始めて約20年。かつては高く感じられた日韓のエンタメの壁もいまでは溶け合い、自由に行き来できるようになった。
「僕が日本でデビューした頃は、日本のエンターテインメントの世界で活動するためには、乗り越えなきゃいけない壁がもうあまりにも高すぎて。でもいまは、日本の方々も韓国で活動を始めようとトライしていますし、韓国からも日本に来て活躍している人たちもたくさんいる。こんな自由な時代が来るとは思わなかった。めちゃめちゃうれしいですね」。
自身も8人組多国籍ガールズグループ「SAY MY NAME」のプロデュースを手掛けるなど、次世代への架け橋としても精力的に活動するJAEJOONG。今年40歳という節目を迎え、その視線はさらに先を見据えている。
「音楽以外にも、こうして映画でまたご挨拶することができて、本当にうれしいです。30代とは違う新たなチャレンジができる気がしていて。これからがすごく楽しみですね」。
取材・文/桑畑優香

