来日を果たしたブレンダン・フレイザー、『レンタル・ファミリー』チームへの愛あふれる!「僕が一員でいたい、唯一の家族」
サーチライト・ピクチャーズ最新作『レンタル・ファミリー』(2月27日公開)の「こども応援金プロジェクト」チャリティー試写会舞台挨拶が2月4日に有楽町朝日ホールで行われ、本作の撮影で日本を訪れて以来、約2年ぶりに来日を果たしたブレンダン・フレイザーをはじめ、HIKARI監督、平岳大、山本真理、木村文、篠崎しの、ゴーマン シャノン 眞陽、柄本明が出席した。
東京を舞台に描かれる本作は、『ザ・ホエール』(22)で第95回アカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーが主演を務め、落ちぶれてしまった中年俳優フィリップを演じる人間ドラマ。東京で暮らすフィリップは、日本での生活に居心地のよさを感じながらも、本来の自分自身を見失いかけていた。そんななか、“レンタル家族”として他人の人生の中で“仮の”役割を演じる仕事に出会い、想像もしなかった人生の一部を体験していく。フレイザーが滞在を続け、オール日本ロケが敢行された。
撮影は2024年の3〜5月にかけて、約3か月にわたって日本各地で行われた。フレイザーはその期間中、日本に滞在し続けただけでなく、撮影開始の数週間前に日本を訪れ、ポケット翻訳機を手に街を歩き回っていたという。久々の来日を果たし、会場から万雷の拍手で迎えられたフレイザーは、「こんばんは。はじめまして。ありがとうございます!」と日本語で挨拶。撮影をしたのが「昨日のことのよう」と笑顔を弾けさせたHIKARI監督は、日本でのお披露目を迎えて「ここまで来られて、感謝の気持ちでいっぱいです」と想いをあふれさせていた。
約2年ぶりの来日となったフレイザーだが、「この瞬間を25年以上、待ち望んでいた」とにっこり。「作品を携え、プロモーションで初めて来日をした時から、密かに『日本の作品に出演したい』という夢を抱いていた」と告白しつつ、「かなり身長が高いし、欧米の白人である僕が、日本の作品にどのような形で出られるのかは、まったくわからなかった。それがいま、形になりました。それが『レンタル・ファミリー』です」と本作は自身の夢が叶った作品だと打ち明けると、観客から大歓声が沸き起こった。フレイザーは「この作品は、寂しさや孤独に対してのラブレターでもある。宛先は東京ですが、世界中の誰にでも、送ることができるラブレターだと思います。仲間と楽しんで作ったのと同じくらい、皆さんにも楽しんでもらえたらうれしい」と呼びかけた。
記憶を失い始める日本の名優、喜久雄役を演じた柄本は、これまでにない量の英語のセリフにも挑んでいる。劇中ではフレイザーと柄本が会話を繰り広げる場面もあるが、柄本は「僕は英語をしゃべれないし、ブレンダンさんも日本語をしゃべれないと思う。だからこそ、共通のなにかが生まれた。ブレンダンさんは普段からステキな方で、そのままフィリップという役に移行していった」と人柄を称えながら、「2人で相談することもなく、目を合わせてお芝居のセリフを言うことで、HIKARI監督の見ている前でいろいろなものが立ち上がっていった。緊張感にあふれ、楽しかったです」と充実の撮影を振り返った。
一緒に映画を作り上げたファミリーが集結した日となり、会場には観客を巻き込んだ温かなムードと笑顔があふれていた。司会から「『レンタル・ファミリー』のチームは、どのようなチームでしたか?」と投げかけられると、胸がいっぱいになった様子でしばし言葉を詰まらせたフレイザー。「僕が一員でいたい、唯一の家族です」とチームに愛情を傾けつつ、胸元からハンカチを取り出した。「このハンカチは、監督がくださったもの。トロント国際映画祭の時にプレゼントしてくれた。汗を拭いたり、涙を拭いたりしてきました。このハンカチも、ずっと持っていたい。この作品もずっと、心のなかにしまって大事にしていきたいと思います。この作品に関わってくれた皆さんに、感謝したい」と熱を込めると、フレイザーの真摯な言葉に会場から大きな拍手が上がった。
さらに各部署のスタッフにもお礼を述べたフレイザーは、「天草でも撮影をさせていただいた。ゴージャスなロケーションだった。いままで働いてきて、もっとも最高なエキストラさんにも出会えた。そしてシャノンさんのデビュー作。シャノンさんとご一緒できたこと、本当に光栄です。才能というものは定義できるものではありません。才能のある方に出会った時に、わかるもの。この作品では、彼女に本物の才能があることを見ていただける」と本作がデビュー作となったシャノンに賛辞を送ると、フィリップと“父娘”としての時間を過ごしていく美亜に扮したシャノンの目から、大粒の涙がこぼれた。
山本に背中をさすられながら涙するシャノンに、フレイザーはそっとハンカチを差し出し、これにはシャノンも思わず泣き笑い。フレイザーの温かな人柄と一体感の伝わるチームの掛け合いに大いに盛り上がりを見せた舞台挨拶となったが、HIKARI監督は「長い道のりだった」と着手してからの日々を述懐し、「今日は、映画の撮影に携わってくれたみんなが来てくれている。ちょっとみんな、立っていただけますか!よかったら拍手を」と来場していたスタッフを紹介。
熱い拍手を浴びながら涙を浮かべるひと幕もあり、ここでもフレイザーのハンカチが大活躍。HIKARI監督は、「観終わった後にもしピンと感じるものがあったら、家に持ち帰ってもらって。その後『あの人、どうしているかな』と思い出す人がいたら、テキストではなくて、電話をして『元気?』と連絡をしてみてください」とメッセージを送っていた。
取材・文/成田おり枝
※篠崎しのの「崎」は「たつさき」が正式表記
