『パリに咲くエトワール』綿密なリサーチが反映された背景カットを公開!谷口悟朗監督コメントも
『ONE PIECE FILM RED』(22)の谷口悟朗監督と、『崖の上のポニョ』(08)など多くのスタジオジブリ作品のキャラクターデザイン、原画を務めた近藤勝也が、初タッグを組んだオリジナル劇場アニメーション『パリに咲くエトワール』(3月13日公開)。このたび緻密なリサーチが反映された背景カットが解禁された。
主人公フジコの声を担当するのは、若手実力派俳優の當真あみ。アニメ映画『かがみの孤城』(22)で主人公の声優を務め、2025年にはドラマ「ちはやふる-めぐり-」、映画『ストロベリームーン』でも主演を務めた當真が画家を夢見る少女フジコを瑞々しく演じる。フジコとパリで共に夢を追う少女、千鶴を演じるのは嵐莉菜。映画『マイスモールランド』(22)で主演を務めたのち、『少年と犬』(25)などの話題作に出演。雑誌ViViの専属モデルも務めており、主人公フジコを演じる當真とは、「ちはやふる-めぐり-」で共演し話題となった。さらに、フジコと同じアパルトマンに暮らすロシア人の青年ルスランを演じる早乙女太一をはじめ、門脇麦、尾上松也、角田晃広、津田健次郎ら豪華キャスト陣が集結した。
1912年、異国の地であるパリへと渡った画家を夢見る少女フジコ。そして、薙刀(ナギナタ)の名手でありながら心の奥にバレエへの憧れを秘める千鶴。本作では、2人の少女が、困難を乗り越え、互いに支え合いながらまっすぐに夢を追いかける姿を描く。日本を飛びだしたフジコと千鶴が出会ったのは、20世紀初頭、産業から芸術に至るまで、さまざまな文化が花開いた“ベル・エポック”の中心地、パリだ。
映画のなかで描かれるのは、100年前のパリの街。いまもヨーロッパには、石造の建築が並ぶ統一感のある街並み、歴史を感じられる風景が残っているとはいえ、100年前の風景のリアリティを持って描くことは困難を極めていた。実際にパリでロケハンを行い、リサーチャーの白土晴一を中心に、当時の街並みはもちろん、文化や人々の生活にまで調査を重ねたという。
谷口監督は「調べられる限りのことは調べましたが、フランスにも資料が残っておらず、わからなかったこともあります。ただこの作品は、現代の観客が100年前のパリにリアリティ、もっともらしさを感じていただくところが一番大事なところです。だから調べたものをそのままは描いていないところもあります。意図的に」と明かし、「例をあげると、当時のパリの街はリアルに描いたら、そんなにきれいな街ではなくなります。でも2人がパリになにを見ているのかを伝えようと思ったら、きれいに見えたほうがいいんです。2人の感情というフィルターを通してのパリを表現する」と、街の描き方について振り返った。
また、「一方で、ティザーポスターでフジコが上体を乗り出している屋根裏の部屋、窓の隣にかまぼこ型の突起が描かれています。あれはあの部屋がもともと鳩を飼っていた鳩小屋だったからです。これはフジコの生活を地に足がついたものに見せるために必要なディテールですから描くわけです」と語る。
パリといえば多くの人が思い出すであろうエッフェル塔や、かつては画家のセザンヌ、詩人のボードレールらが、そして女優の岸恵子も住んでいるサン=ルイ島が見渡せる全景や、セーヌ川のほとりの情景など、絶妙に当時の日常を描きながらも、そこがいまも観光スポットとして実在しているのもパリという街ならではだ。
さらに画家を目指すフジコが居を構えるモンマルトルはかつて芸術家たちの村として栄え、いまも多くのアトリエが並ぶ場所である。フジコと千鶴が足を運ぶサクレ・クール寺院、テルトル広場までをつなぐノルヴァン通りの風景、風車のビジュアルで有名なムーラン・ルージュなどは実際も徒歩圏内で、2人の少女たちの生活のリアリティをその距離感からも感じることができる。
“少女の目線”というフィルターを通し、美しいパリの街並みも存分に楽しむことのできる、劇場アニメ『パリに咲くエトワール』。続報に期待したい!
文/山崎伸子
