ハン・ソヒ×チョン・ジョンソのガールズノワール『PROJECT Y』釜山国際映画祭を熱狂させたトークをプレイバック!
まもなく日本と韓国で劇場公開されるハン・ソヒとチョン・ジョンソのW主演による『PROJECT Y』(1月23日公開、韓国は1月21日)。2人が本格的に挑んだガールズクライムムービーであり、女性たちのケミストリーが痛快なシスターフッドものとしても見ごたえ十分な本作は、昨年開催された第30回釜山国際映画祭(以下BIFF)でのアジアプレミアでも、目の肥えた観客たちから熱い反応で迎えられていた。
オープントークで明かされた役作りの数々
イ・ファン監督、ハン・ソヒ、チョン・ジョンソ、キム・ソンチョル、チョン・ヨンジュ、イ・ジェギュン、ユアが登壇したBIFFのオープントーク。監督はシナリオ執筆の段階から、ミソンとドギョンを圧倒的な説得力で演技してくれる俳優を考えたうえで、主演2人にオファーを出した。さらに「ハン・ソヒさんとチョン・ジョンソさんは一般大衆の皆さんにとってのアイコンなので、この作品のように底辺の現実を野性味あふれる姿で表現し、これまでにない衝撃を見せたかったんです」と、その意外性も狙ったキャスティングだったことを語った。キム・ソンチョルについては、イ・ジェギュンと彼に親交があったことがきっかけの一つだったことに加え「普段のキム・ソンチョルさんから想像できない一面を持つキャラだったからこそおもしろいと思いました」と話し、”ファンソ(牡牛)”を演じるにあたって、丸刈りという一種の象徴があるチョン・ヨンジュについては「キャラクターを女性として扱うならきちんと伝えないとと意を決してお会いすると快諾してくれた」と、安堵交じりに振り返った。
誰もが気になっていたであろう、『PROJECT Y』というタイトル。意味を尋ねられたイ・ファン監督は「実際、背景が夜の世界なので、『工事(夜の仕事をしている人が客から金銭を巻き上げることや貢がせること)』という意味合いも持たせているんですが、誰かに対して何かするという意味で『プロジェクト』とも書くそうです。『Y』は若い女性たちの話なので、ヤングユースとか、いろいろ含みのある抽象的な言葉として使いました。他にも『Why?』『え?私にどうしろっていうの?』とかの意味もあります」とし、観客それぞれの“Y”を考え、当てはめて欲しいとした。
ハン・ソヒは本作を「時代のなかを這うように生きる若者たちのストーリー」と紹介しつつ「ミソンはドギョンとは手段も方法も違うけれど、目的は一つ。その目的を成し遂げるために手段を選ばない姿が新鮮だった」とコメント。チョン・ジョンソは「同い年の友人である女性とダブル主演として作品を作るのは、韓国映画で簡単に実現できることではない。だからこそ、やらなければと思いました。キャラクターも、シナリオに書かれた時点でもうおもしろかったんですが、それをハン・ソヒさんと一緒に演技しながら作っていけたら、一層おもしろいケミストリーを見せられると考えました」と、普段から仲が良いハン・ソヒとのタッグだからこそ良いものが作れる予感がしたことを明かした。
「もしも『今年のヴィラン賞』があったなら受賞するはず!」とMCから太鼓判を押されたのは、ミソンとドギョンが立ち向かう悪役、ト社長を演じたキム・ソンチョル。「普通、ヴィランには『なぜそうなったのか』というバックグラウンドがありますが、ト社長にはありません。ただの絶対悪の根源です。そんな絶対悪としてミソンたちと対決する時、どれほど大きなエネルギーでぶつかっていくか悩み、監督にたくさん相談しました。『目で人を殺そう』とか(笑)。でもそれは私の役目ではないので、監督がこうしてほしいという意見を話しながら聞いたり、チョン・ヨンジュさんとも話したりと試行錯誤しながらやってみました」と、役作りの苦労を振り返った。
キム・ソンチョルも頼りにしたチョン・ヨンジュは、“ファンソ(牡牛)”というキャラクター名もさることながらビジュアルも視線を奪う。頭をそり上げたことはもちろんだが、それ以上にも入念な役作りが必要だったことを明かした。曰く「シナリオを読むと、ファンソは性別を感じさせないところがあったんです。過去になにがあったか、ト社長との馴れ初めもないし、男か女かというのも重要ではありませんでした。ただ今日だけ生きる人で、なにかに対する怒りも、その目的もないんだと思います」と、深い人物の掘り下げによるキャラクターの完成度だったことが観客に伝えられた。またファンソのファイトスタイルを表現するため、なんと“肩で人を殺す”ことをイメージ。上半身を中心にした身体づくりに取り組んだそうだ。
ミソンとドギョンの計画を邪魔する小悪党ソックを演じたイ・ジェギュンは、彼女たちの行方を左右するある種の重要なキャラでもある。イ・ファン監督とは旧知の仲というイ・ジェギュンは「今回8年ぶりに撮影を共にして感激した瞬間が多かったですし、最終日は監督の目頭が赤くなっていました」と秘話を教えてくれた。自身が演じたソック役については、一言で言えば「クソバエ」とコメント。「こっちにくっついたり、あっちにくっついたりして最後まで生き残るようなキャラクターです。考えていることが単純な人物として演じました」と、現実的な人物として解釈し演技したことを明かした。
6人組ガールズグループ「OH MY GIRL」のユアは、ト社長の若い妻ハギョン役でスクリーンデビューとなった。アイドルとして活躍してきたユアのこれまでのイメージを脱却するようなキャラクターだが、本人は「初めてシナリオを読んだ時、OH MY GIRLでの私を覚えている方々に新鮮な裏切り感を与えることができそうだと思いました」と、意欲を持って臨んだことを語った。

