『レンタル・ファミリー』大規模ロケに潜入!日曜日の東京・神楽坂でどうやってハリウッド映画を撮影した?
アカデミー賞俳優ブレンダン・フレイザーが、日本を代表する多彩なキャストと共に贈る感動ドラマ『レンタル・ファミリー』が公開中だ。全編オール日本ロケとなった本作は、東京をはじめとした各地の風景が作品に彩りを与え、ロケ地が“もうひとりの主役”ともいえる存在だ。
そんな本作での東京ロケ撮影を支援したのは、公共施設、民間施設、映像事業者、関連業者、地域の人々との協力によって、東京での映画やドラマなどの円滑なロケ撮影をサポートする東京都の窓口である「東京ロケーションボックス」だ。ロケ地の情報提供、案内、調整をはじめ、警察、消防等の関係機関や施設管理者に対する撮影許可手続の方法、ロケの立ち会いや都内区市町村のロケ支援窓口の紹介など、撮影に関する様々なサポートを行っている。
MOVIE WALKER PRESSでは「東京ロケーションボックス」の協力のもと、ポスタービジュアルにも使用された名シーンの撮影が行われた、神楽坂での大規模ロケに潜入!毎年秋に新宿区神楽坂で実際に開催されている「化け猫フェスティバル」を、時期を移して完全再現した撮影現場の模様をご紹介していきたい。
歩行者天国の名所・神楽坂での大規模ロケに潜入!
名実共に世界が注目する映画監督HIKARIが、長編2作目にしてサーチライト・ピクチャーズとタッグを組み、日本を舞台にして世界に送り出したオリジナル作品。東京で暮らす落ちぶれた俳優フィリップ(フレイザー)は、日本での生活に居心地の良さを感じながらも、本来の自分自身を見失いかけていた。そんななか、レンタル家族として他人の人生のなかで仮の役割を演じる仕事に出会い、想像もしなかった人生の一部を体験していく。共演には、エミー賞ノミネート俳優の平岳大、山本真理、新鋭のゴーマン シャノン 眞陽、柄本明らが名を連ねる。
2024年3月から5月の約2か月間、日本各地で撮影が行われ、主演のフレイザーも日本に長期滞在しながら役づくりに臨んだ。「化け猫フェスティバル」のシーンの撮影が行われたのは3月24日。まだ肌寒さが残る日曜日に、編集部はサーチライト・ピクチャーズ製作のハリウッド映画の大規模ロケが実施されると聞いて、歩行者天国の名所と知られる神楽坂に駆け付けた。
当日の天気予報は曇りのち雨。天候が最後まで持つか不安がありつつも、早朝に最初のシーンが撮影される神楽坂の善國寺に到着すると、もうすでに「化け猫フェスティバル」の準備は万端に!「化け猫フェスティバル」主催の表現者・おかめ家ゆうこ全面協力のもと再現され、一部を除いて実際のお祭りとほぼ変わらないのだという。作品の時代設定に合わせて“2025年版”のポスターがあちこちに貼られており、まるで1年未来にタイムリープしてしまった気分にもなる。映画完成後に実施したインタビューでおかめ家も、「2024年は『化け猫フェスティバル』を2回開催した感覚があるんですよ」と話しており、この撮影にどれだけ力が入っていたかが伝わってくる。
この「化け猫フェスティバル」の場面では、フレイザー演じるフィリップと依頼者の一人娘・美亜が、“父娘”としての関係を深めていく様子が描かれる。撮影期間はたったの1日で、善國寺境内にてフィリップと美亜が交友を深めるシーンと、安藤玉恵が演じるローラによる占いシーン、そして神楽坂路上での「化け猫パレード」の3シーンの撮影が行われた。
間近で見るブレンダン・フレイザーの演技のすごさ
境内で撮影が始まるのを待っていると、頭に猫耳を着け法被という“化け猫フェスティバル”仕様で現場に登場したフレイザー。美亜役のシャノンとおそろいの化け猫メイクを施し、HIKARI監督、撮影スタッフたちとディスカッションしながら撮影準備に入っていく。本作はハリウッド作品であるものの現場スタッフは日本人が中心。クランクイン後少し経ってからの撮影とのことで、すでに“TEAM HIKARI”として一枚岩になっているように見え、各地で行われているロケ撮影を楽しんでいるようにも感じられた。
しかし今回は神楽坂という観光スポットで、しかも日曜日のロケ撮影。ハリウッド映画の撮影が行われているとは思えないほど、一般の通行者があちらこちらからやってくる。本番の瞬間はもちろん物音を立てることができないのだが、だからといって撮影のために神楽坂を完全に封鎖することは不可能だ。そんな時に活躍しているのが、撮影現場でのサポートも行っている「東京ロケーションボックス」をはじめとしたスタッフたちだ。「こんにちは」と笑顔で声がけをしながら、撮影状況に合わせて制作スタッフと協力して、「ご協力ありがとうございました。どうぞお通りください」と丁寧に撮影現場の人の流れをコントロールしていく。時間が限られるロケ撮影での滞りない進行や現場の安全、そして街の人たちがロケを楽しみつつ気持ちよく撮影が進むよう裏側で支えているのだ。
リラックスしながらも真剣な眼差しで幾度かのリハーサルを行ったフレイザーとシャノンは、いよいよ本番の撮影に。寺院周辺は通行人も含めた皆の協力のもとで静まり返り、10mほど先で演技している2人の声もはっきりと聞こえてくる。その先にいるのは、オスカー俳優のブレンダン・フレイザーではなく、父親のような存在になろうとしているフィリップが実在しているように感じ、その表現力豊かな演技に思わず見とれてしまうほど。スタッフたちも物語の核となるこのシーンの撮影に集中力が高まっている様子で、続く占いシーンでは、HIKARI監督が化け猫仕様の出店を縦横無尽に動き回り、フレイザー、シャノン、安藤の4人でディスカッションを行っている姿が印象的だった。

