“ガール・ネクスト・ドア”な魅力を放つ中島瑠菜『蔵のある街』『TOKYOタクシー』『とれ!』で魅せた気取らない佇まい
じわじわと変わっていく普通の女子高生を演じる『とれ!』
そんな中島が満を持して挑んだ初主演映画『とれ!』では、意表を突くようにホラーに挑戦。本作は、登録者89万人を超えるYouTubeチャンネル「kouichitv」を運営する人気動画クリエイターのコウイチが、自らのオリジナル脚本を映画化した劇場長編監督デビュー作。母子家庭のため進学は諦め、地元で就職しようと思っていた高校3年生の美咲が、たまたま霊のようなものが映り込んだ動画を投稿。それがバズりまくったことから、SNS投稿に夢中の親友、皐月と一緒に心霊フェイク動画を投稿するようになる。すると、それがまたまた大当たり!2人はさらなる刺激を求めて、地元で噂の廃墟に潜入するが、そこでついに“本物”と遭遇し、美咲は和装でお面のようなものを着けた“神様”に憑きまとわれるようになってしまい…。
途中まで王道のホラー映画の手順を踏み、そこから怖いけれどちょっと笑えて、青春映画のムードも味わえるコウイチワールドに突入していくのだが、美咲に扮した中島がどこにでもいる田舎のまじめな高校生としてそこにいるのがいい。自分はスーパーでコツコツバイトをし、VLOG投稿で荒稼ぎしようと目論んでいる皐月を冷ややかな目で見ていたのに、自身が撮影した投稿がバズったことで少しずつ前のめりに。
そんな美咲が動画撮影にハマっていく展開がそこら中に普通に転がっているリアルな光景に見えるのは、中島と、皐月に扮した人気インフルエンサーのまいきちの芝居が自然だから。観客も彼女たちに寄り添いながら禁断の領域にズブズブと足を踏み入れることになるが、そこから美咲になりきった中島の表情がどんどん変わり、思いがけない展開になっていくのがおもしろい。ただ泣き叫び、逃げ惑うだけのステレオタイプとは違う、令和時代のホラーヒロインを見事に作り上げているため、怖い映画が苦手な人にも刺さるポイントがあるはずだ。
20歳を迎える2026年、中島の快進撃に期待!
一方、今春公開の『ザッケン!』は、東京都立日比谷高校に実在する部活動「雑草研究部」をモチーフにした上村奈帆の人気コミックを上村自身の脚本と監督で実写化した青春ムービー。中島扮する自称“青春不適合者”の新入生のゆかりが、雑草マニアの同級生、みみ=“ドクダミちゃん”(大島)と休部状態の「雑草研究部」を復活させるために奔走するストーリーたが、本作ではどんな顔を見せているのか楽しみだ。
もちろん、これ以外にも水面下では様々な企画が進行中だろうが、彼女の快進撃は始まったばかり。未知なる可能性を秘め、今秋20歳を迎える中島瑠菜のこれからの活躍にも期待したい。
文/イソガイマサト
