B級過激スプラッター・ホラーが豪華キャストでよみがえった!『悪魔の毒々モンスター』リブート版をレビュー
オリジナルの上映時間が82分だったのに対し、このリブート版は103分と単純に尺が21分も長くなっているため、基本的なストーリーは同じだが、キャラクター名など要所でオリジナルへのオマージュを捧げつつ多くの点で改変がなされている。まず父と子の親子の絆というドラマが全編を貫いており、だからこそ、この演技派揃いの贅沢なキャスティングだったのかと合点がいく。そして本作の毒々モンスター(劇中ではモンスター・ヒーローと呼ばれる)のビジュアルも、オリジナルにあった「チープな分なんだかグロテスクで気持ち悪い」というルックスではなく、やや人間性も感じられる坊主の怒れる怪人というイメージだ。しかも背がかなり低いため、どこか可愛らしいという不思議なバランス(『ノートルダムの鐘』(96)のカジモドを彷彿)。それよりも、イライジャ・ウッド演じるボブの弟フリッツのルックス(特に髪型)がインパクトが強いが、これはバットマンの宿敵の一人でDCコミックのキャラクター、ペンギンにインスパイアされたものと思われる(同様に兄のボブはレックス・ルーサーがモデルか)。
クライマックスのライヴ会場のシーンなど、悪党どもを血祭りにあげる破壊力溢れるウルトラゴアなシーンはコミカルでありつつパワフルで、ここもオリジナルへオマージュを捧げつつ、よりインパクトの強い血みどろな残酷描写が披露される。オリジナルにあったエロは控えめだが、グロテスクでそれを十分に補っているといえよう。メイコン・ブレアはホラー監督ではないが本当に大丈夫なのか…?という疑念を打ち消す痛快かつエクストリームなリブートに仕上がっている。オリジナルのファンを失望させることはないだろうし、オリジナルを知らないジャンル映画ファンも楽しめるはず。日本公開は2026年の予定だ。
蛇足ながら、トロマ社の最新作は『チキン・オブ・ザ・デッド 悪魔の毒々バリューセット』(08)の続編、『Poultrygeist 2: Dawn of the Chicken Dead(原題)』。フライドチキンのチェーン店で呪われたチキンバーガーを食べ突如ゾンビになった人々と過激な店員の死闘を描いたホラーコメディの続編である。タイトルとポスタービジュアルを見る限り、『ゾンビ』(78)のパロディのようだ。2026年にアメリカで公開予定となっている。
文/小林真里

