B級過激スプラッター・ホラーが豪華キャストでよみがえった!『悪魔の毒々モンスター』リブート版をレビュー
A24やNEONが生まれる30年以上前、1974年にニューヨークで設立されたインディペンデント・スタジオ、トロマ・エンターテインメント。数々の過激でポップなB級ホラー映画を世に送り出し、あのジェームズ・ガンも薫陶を受けた、同社創立者のロイド・カウフマン(名門イェール大学卒)がマイケル・ハーツと共同でメガホンを取った代表作が『悪魔の毒々モンスター』(84)だ。
ニュージャージー州の架空の街、トロマヴィルを舞台に、日々極悪な客からハラスメントを受けていたひ弱で臆病な清掃員、メルヴィンが工場廃液を浴びたことで超人的なパワーを手に入れ、悪党どもを一掃するという痛快ダークスーパーヒーロー・スプラッター・ホラー。3本の続編が製作され(2作目の舞台は東京だ)、マーベルからコミックも出版され、TVアニメシリーズも製作され、さらにニューヨークのオフ・ブロードウェイでミュージカル版が上映されるなど、カルト的な人気を呼んだフランチャイズである。
2010年4月に初めてリメイク版の製作が発表されて以来、主演にアーノルド・シュワルツェネッガーの名が挙がったり、一時はギレルモ・デル・トロがプロデュースをするという話も出るなど長年の紆余曲折を経て、リブート版『The Toxic Avenger(原題)』が、ついに昨年8月に北米で劇場公開された。
プロデューサーにはもちろんロイド・カウフマンが名を連ね、メガホンを取ったのはメイコン・ブレア。秀逸なブラックコメディにしてクライムスリラー『この世に私の居場所なんてない』(17)で監督デビューを果たし、俳優としても盟友ジェレミー・ソルニエ監督の傑作リベンジスリラー『ブルー・リベンジ』(13)で主演を務め、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)や『オッペンハイマー』(23)などに出演したマルチな才能を持った人物だ(本作にもカメオ出演)。キャストも、ピーター・ディンクレイジ、ジェイコブ・トレンブレイ、ジュリア・デイヴィス、イライジャ・ウッド、ケヴィン・ベーコンと、オリジナルに比べ100倍豪華な驚きの布陣となった(ジーザス・リザードのヴォーカル、デヴィッド・ヨウの出演もロックファンにはうれしい)。
腐敗した製薬会社、DGHで清掃員として働くウィンストン(ディンクレイジ)は、義理の息子ウェイド(トレンブレイ)と共に苦しい生活を送っていた。ある日、ウィンストンは脳疾患を患っていることがわかり、DGHの悪徳社員ボブ(ベーコン)に助けを求めるが、逆に会社から締め出されてしまう。怒り心頭のウィンストンは会社に押し入り大金を盗み出すが、DGHが雇ったギャングに銃で頭部を撃たれ、有毒な廃液の中に沈められる。ミュータントとしてよみがえったウィンストンの復讐が始まる!

