「ストレンジャー・シングス 未知の世界」最終シーズン配信直前に来日したダファー・ブラザーズを直撃!「シーズン5は『メタルギアソリッド』の影響を多大に受けている」
「裏側の世界の不気味なホラー感は、『SILENT HILL f』っぽい」(ロス・ダファー)
――キングのみならず、様々なゲームなどの影響を感じさせることでも知られているシリーズです。シーズン5はどうでしょうか。
ロス「シーズン5は『メタルギアソリッド』の影響を多大に受けています。というのも、僕たちがもっとも大好きなゲームだからです。今回はイレブンが忍者のような感じで裏側の世界(アップサイドダウン)に潜入するので、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を参考にしました。あとは『SILENT HILL f』ですね。このシーズン5ではアップサイドダウンの全貌を見せていくのですが、そのビジュアル面で影響を受けました」
マット「アップサイドダウンの不気味なホラー感は、『SILENT HILL f』っぽいと思っていますよ。ホラー要素を持ち込む場合、奇妙だったり不可知的だったりしたほうが、恐怖がリアルに伝わって来ると思います。その辺は(H.P.)ラヴクラフト的にしたつもりです」
――シリーズが始まったのが2016年。9年もの間、世界中を夢中にさせたことになりますが、その秘訣や工夫は何でしょうか。
ロス「僕たちは映画からスタートしたコンビなのですが、初めてのドラマシリーズを経験してうれしい発見がありました。シリーズものはとても有機的だということです。ストーリーを進めるなかでシナリオライターたちがアイデアを出してくれたり、役者たちが提案してくれることもある。そういうものを盛り込むことでよりおもしろくなったりするんです。たとえばスティーブを演じているジョー・キーリーの場合、彼自身がとても魅力的な人物なので、僕たちも彼のためにドラマを考えたい気持ちになっていったんです。その結果として、スティーブなのか、それともジョーなのか判らなくなって、最終的にはふたりを合体させたようなキャラクターになりました(笑)。そういう様々な要素がこのシリーズを動かしていったという感じでしょうか。最初に決めた道を一直線に進むのではなく、有機的に変化しながら進んでいき、それがいい結果につながったんだと思います」
――シリーズを支えているひとつの大きな要素は活き活きして魅力的なキャラクターたちです。彼らも同じように有機的に変わって行ったということになるんですか?
マット「そうなりますね。僕たちは基本、キャラクターありきで考えるんですが、それでも当初の構想とはかなり違っている。ダスティンとスティーブの場合で言うと、シーズン2でふたりがペアになったんですが、それは単純に彼らに担ってもらう要素がなかったので、じゃあペアにしてみようということでやってみたんです。その変更はとてもうまくいき、いまでは僕たちのもっとも好きなコンビになりました。ウィルとロビン(マヤ・ホーク)の場合は、最終的な着地点があって、そこに落ち着くようダイアログも行動も、逆算しながら考えていきました。要するに、まずはキャラクターありきで考えるのが僕たちのやり方です」
――おふたりはやはりいつか、スティーヴン・キング原作の作品を手掛けてみたいですか?
ロス「実は僕たち、この10年くらいずーっと、キング(原作はリチャード・バックマン名義)の『バトルランナー(原題は『ランニングマン』)』の映画化権利を手に入れようと奔走していたんですよ。僕らの“モビー・ディック”(ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』に登場する巨大な白い鯨のこと。エイハブ船長はこれを仕留めるために命がけで追い続けた)は間違いなくそれだったんだけれど、もうほかの人たちに作られてしまった(監督はエドガー・ライト、グレン・パウエル主演。2026年1月30日公開)ので…。いまはオリジナルをつくることに集中しています。が、もちろん、いつかは絶対、キングとコラボレーションしたいと考えています!」
取材・文/渡辺麻紀
