『TOKYOタクシー』が4日間で興収4億円突破の好発進!ついに実写邦画の歴代1位に上り詰めた『国宝』など実写映画が底力を発揮

『TOKYOタクシー』が4日間で興収4億円突破の好発進!ついに実写邦画の歴代1位に上り詰めた『国宝』など実写映画が底力を発揮

今年最後の連休となった11月21日から11月23日までの全国映画動員ランキングが発表。現在94歳の山田洋次監督にとって91本目の長編映画となった、倍賞千恵子と木村拓哉のダブル主演作『TOKYOタクシー』(公開中)が、初登場でNo.1を獲得。実写映画が首位に立つのは19週ぶりのこととなる。

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『TOKYOタクシー』が初登場No.1を獲得!
『TOKYOタクシー』が初登場No.1を獲得![c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

全国371館で公開を迎えた『TOKYOタクシー』は、初日から3日間で観客動員21万4000人、興行収入2億9300万円を記録。これは山田監督の前作で、吉永小百合と大泉洋が共演した『こんにちは、母さん』(23)との対比で動員が146%、興収は162%という好成績。「勤労感謝の日」の振替休日となった11月24日を含めた4日間では動員29万人&興収4億円を突破している。

一昨年の春に日本でも公開され好評を博したフランス映画『パリタクシー』(22)を、舞台を東京に移してリメイクした同作。家族のために休みなく働くタクシー運転手の宇佐美(木村)が、85歳の高野すみれ(倍賞)を乗せ、柴又帝釈天から寄り道をしながら神奈川県の葉山にある高齢者施設まで向かう旅路を描くヒューマンドラマであり、スタジオジブリの『ハウルの動く城』(04)で共演した倍賞と木村の実写での再共演に大きな注目が集められた。

木村拓哉と山田洋次監督のタッグは『武士の一分』以来19年ぶり
木村拓哉と山田洋次監督のタッグは『武士の一分』以来19年ぶり[c]2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会

山田監督と木村のタッグは『武士の一分』(06)以来19年ぶりで、同作は最終興収41億1000万円を記録し、当時の松竹映画の興収新記録を樹立。その後も木村の主演作となれば、「マスカレード・ホテル」シリーズから昨年末に公開された『グランメゾン・パリ』(24)までヒット作が連発。それらと比較すると今作はやや穏やかなスタートではあるが、客層の幅広さと平日も安定した動員が見込めることを踏まえれば、年末年始に向けて息の長いヒットとなることは確実だ。

一方、対照的に厳しいスタートとなったのは3位に初登場を果たした細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』(公開中)。初日から3日間で動員は13万6000人、興収は2億1000万円。公開4日間の累計成績でも、動員17万人&興収2億7000万円となっており、初動3日間で60万人を動員した細田監督の前作『竜とそばかすの姫』(21)と比較するとわずか23%という成績に。


細田守監督4年ぶりの新作『果てしなきスカーレット』は3位スタート
細田守監督4年ぶりの新作『果てしなきスカーレット』は3位スタート[c]2025 スタジオ地図

『時をかける少女』(06)でアニメファンから信頼を勝ち取り、『サマーウォーズ』(09)で興行的成功を収めて以降、ヒット作が続いていた細田監督。第91回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた『未来のミライ』(18)は興収28億8000万円と、そのなかでは低めだったが、それでも最初の週末2日間で動員29万5000人&興収4億円を記録。今作はその3分の1ほどの推移となる。

12月からは北米公開が控えており、第98回アカデミー賞長編アニメーション賞にもエントリーしている『果てしなきスカーレット』(ちなみにエントリー35作品のなかには『チェンソーマン レゼ篇』や『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』など6本の日本アニメが含まれている)。どこかで満足のいく結果をあげることが求められるだろう。

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