『果てしなきスカーレット』細田守監督、芦田愛菜の歌唱は「すんばらしい」!岡田将生は“親目線”で観る『サマーウォーズ』が楽しみと語る

『果てしなきスカーレット』細田守監督、芦田愛菜の歌唱は「すんばらしい」!岡田将生は“親目線”で観る『サマーウォーズ』が楽しみと語る

細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』(11月21日公開)の公開直前イベントが11月12日にSHIBUYA QWSで行われ、芦田愛菜岡田将生、細田監督が出席。細田作品の大ファンであるハライチの岩井勇気がMCを務め、本作や『バケモノの子』(15)にも登場する渋谷でトークを繰り広げた。

スカーレットを熱演した芦田愛菜
スカーレットを熱演した芦田愛菜

『時をかける少女』(16)、『サマーウォーズ』(09)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』、『未来のミライ』(18)、『竜とそばかすの姫』(21)などを送り出し、日本のみならず世界中の観客を魅了し続けているアニメーション映画監督の細田守。本作は、主人公の王女スカーレットが父の復讐に失敗するも、“死者の国”で再び宿敵に復讐を果たそうとする、これまでの細田作品と一線を画す物語。

細田作品の大ファンであるハライチの岩井勇気がMCを務めた
細田作品の大ファンであるハライチの岩井勇気がMCを務めた

MCを務めた岩井は、「アニメ好きなんですが、アニメ監督のなかでも細田監督が一番好き。めちゃくちゃ楽しみにしてきました」と意欲満面。すでに『果てしなきスカーレット』も観たそうで、「感動しました。細田監督がいままでと違う、新しいアニメーション表現に挑戦されていた。毎回そうなんですが、いろいろなアニメーション表現を見せていただける。今作でなにを伝えたかったのかがわかった時、自然と涙が出た」と感想を吐露。細田監督は「作るのに、4年半くらいかかっています。スケールが、いままでの作品よりもかなり大きい。それに見合う画面作りをするには、いままでのようなわけにはいかない。新しいアニメーションの見え方、ルックを開発して、いろいろと見つけていくために時間と労力をかけた」と道のりを振り返り、「やっと皆さんに観てもらえる。ワクワクしています」と公開を待ち侘びていた。

「『サマーウォーズ』を推したい」と細田監督作品への愛を口にした岡田将生
「『サマーウォーズ』を推したい」と細田監督作品への愛を口にした岡田将生

細田監督作品のポスターが並ぶなか、トークを繰り広げたこの日。岩井は「私が思い出があるのは、『未来のミライ』。めちゃくちゃ好き」と明かし、「どんな大人でも子どものころがあったんだと、思い出させてくれる。親や家族に守られていたころの安心感を思い出して、泣ける作品」だと熱弁。スカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師である聖役の岡田は、「どれも大好き。監督の作品は、いろいろな家族の形、愛の形を見せてくれる」としつつ、「そのなかでも『サマーウォーズ』を推したい」とにっこり。とりわけ登場人物のひとりである栄おばあちゃんの「一番いけないのは、おなかが空いていることと、ひとりでいることだから」というセリフが大好きなのだとか。

岡田は「僕も家族が増えるので」と親目線での細田作品の鑑賞を楽しみにしていた
岡田は「僕も家族が増えるので」と親目線での細田作品の鑑賞を楽しみにしていた

さらに岡田は「毎年夏に絶対に観るんですが、だいたいそこで泣いてしまう」と明かしながら、「プライベートなことなんですが、僕も家族が増えるので。絶対にこういう家族にしたいという想いで、来年も再来年も観たいなと思う。親目線で今度は観ることになると思うので、また違う目線で監督の作品を楽しめるんじゃないかと思っています」と父として細田監督作品に触れることを、楽しみにしていた。

芦田愛菜、「いままで演じた役のなかでも特にすごく苦しんだ」と告白
芦田愛菜、「いままで演じた役のなかでも特にすごく苦しんだ」と告白

スカーレットを熱演した芦田は、「いままで演じた役のなかでも特にすごく苦しんで、悩んで、苦悩が強い役柄。どうやって演じたらいいのかと、模索する期間もあった」とチャレンジの多い役柄になった様子で、「スカーレットはこの世界を体当たりで生きているので、私も体当たりで向かっていこうという気持ちでやらせていただいた」と力強く語る。

先日、細田監督が歌詞を書き下ろしたエンディングテーマ「果てしなき」を芦田が歌っていることも発表となったが、芦田は「歌って、言葉では伝えられない本音があらわれるなと感じていて。スカーレットとして、歌わせていただいた。凛々しく、カッコよく、強くあらなければいけないというスカーレットの本質と、繊細な部分もある。そのやさしい本質の部分が、にじみ出るように歌えればいいなと思いました」と歌に込めた想いを口にした。細田監督は、「すんばらしい」と芦田の歌唱を絶賛。「芦田さんがスカーレットの気持ちを胸に置いて、歌ってくださった。映画自体に、すごくいい余韻を響かせていただいた。本当に惚れ惚れとする。すばらしい歌」と賛辞を重ねると、芦田は「ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべながら、喜びをにじませていた。


細田守監督作品のポスターが並ぶなか、トークを繰り広げた
細田守監督作品のポスターが並ぶなか、トークを繰り広げた

そのスカーレットの魅力について話が及ぶと、岡田は「瞳」だと分析しつつ「自分が関わった作品で泣いたことがないんですが、本作は号泣しまして」と告白。「様々な瞳がある。その瞳が変わっていくシーンがあって。そこで聖をやれてよかったなと思いました」としみじみと話すと共に、「本作は『ハムレット』から着想を得て作られている。僕は、舞台でハムレットを演じたことがあって、スカーレットの気持ちがよりわかる。彼女の鞘になれるようなキャラクターにしたいと思っていた」とスカーレットへの特別な想いを打ち明けていた。いよいよ公開間近となり、芦田は「この作品は現代世界にも通じるところが多い作品。混沌とした厳しい世界のなかで自分を奮い立たせて、頑張って生きていこうとするスカーレットの姿は、きっと観ていただく皆さんの心にも重なる部分があるんじゃないかなと思っています。皆さんの心のなかのスカーレットも、抱きしめてくれるような作品」と没入して観てほしいと願い、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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