第38回東京国際映画祭が開幕!吉永小百合は日本人女優初となる特別功労賞に「これからも一歩一歩映画の道を歩いていけたら」と笑顔

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第38回東京国際映画祭が開幕!吉永小百合は日本人女優初となる特別功労賞に「これからも一歩一歩映画の道を歩いていけたら」と笑顔

第38回東京国際映画祭(TIFF)が10月27日に開幕し、東京宝塚劇場でオープニングセレモニーが開催。フェスティバル・ナビゲーターの瀧内公美やスペシャルゲストのジュリエット・ビノシュ、オープニング作品『てっぺんの向こうにあなたがいる』(10月31日公開)から吉永小百合、のん、阪本順治監督など、豪華ゲスト陣が登壇した。

【写真を見る】セクシーな黒のドレス!瀧内公美の全身ショット
【写真を見る】セクシーな黒のドレス!瀧内公美の全身ショット

まずは瀧内が今回の上映作品を紹介したあと、初監督作となる『イン・アイ・イン・モーション』(25)を引っ提げて来日したビノシュが登場。瀧内が今回の映画について尋ねると、ビノシュは「映画を作るにあたり、自分のなかの繊細な部分をさらけだすことになるので、相当大変な仕事にはなります。でも、それと同時に大いなる可能性を秘めた作業にもなるので、大いに力が湧いてきます」とコメント。

初監督作『イン・アイ・イン・モーション』が上映されるジュリエット・ビノシュ
初監督作『イン・アイ・イン・モーション』が上映されるジュリエット・ビノシュ

瀧内が続けて「作品に挑む際に、一番大切にされていること、譲れないことは?」と尋ねると、ビノシュは「カメラの目は神の目、神がずっと見つめている感覚になります。自分はこういうふうに世界を見ていると、自分の人生経験を提供することになるので、未知なる領域に飛び込み、探索していく作業かなと。一呼吸して飛び込み、監督と二人三脚でいろんな発見をしていく作業でもあります」と答えた。

フェスティバル・アンバサダーを務める瀧内公美
フェスティバル・アンバサダーを務める瀧内公美

最後にビノシュは「とにかく精一杯、突っ走ってください!いまの時代、AIやソーシャルメディアが台頭しているけど,自分自身の独立した考えを持って、情熱を持って芸術に勤しんでほしいです!勤しむことが大事。ぜひ頑張っていただきたいと思います」と会場に向けてエールを贈った。

コンペティション部門審査委員の審査員たち
コンペティション部門審査委員の審査員たち

続いてコンペティション部門審査委員のカルロ・シャトリアン、グイ・ルンメイ、マチュー・ラクロー、齊藤工、ヴィヴィアン・チュウらが登壇した。シャトリアン審査委員長は、「私にとって、そして映画を愛する誰にとっても、大事な国である日本に来られてうれしいです。それぞれ違ったバックグラウンドをもつ審査員が集まってくるので、会期中にお互いをよく知り、また、世界をよく知ることになるでしょう。そういう豊かさを映画はもたらしてくれます」と挨拶。

『てっぺんの向こうにあなたがいる』の吉永小百合、のん、阪本順治監督
『てっぺんの向こうにあなたがいる』の吉永小百合、のん、阪本順治監督

そして『てっぺんの向こうにあなたがいる』の吉永たちが登場。吉永は「今日はオープニング作品に選ばれたということを伺いまして、この作品の素になった、50年前に女性として初めてエベレストに登られた田部井淳子さんと一緒にこの夜を楽しみたいと思って、この帯に田部井さんのお写真をお借りしてまいりました」と写真入りの帯を笑顔でアピール。

特別功労賞を受賞した吉永小百合
特別功労賞を受賞した吉永小百合

共演ののんは「吉永さんと阪本監督が作った田部井淳子さんの映画に参加させていただき、この場におふたりとともに立っていることが本当にうれしくて喜びであふれています」と感無量の様子。阪本監督も「オープニングに選ばれるのは初めてなので、ありがたいなと。山の映画で、家族の映画でもあり、人生の映画でもあります。まだまだ空想する力や妄想する力、AIに負けないように私も頑張っていきたいです」と決意を新たにした。

のんは、デコルテが美しい肩出しドレスで登場
のんは、デコルテが美しい肩出しドレスで登場

また、吉永にはシャトリアン審査委員長から、長年の功績を称えた「特別功労賞」が授与され、安藤裕康チェアマンからは花束が贈呈された。安藤チェアマンは「吉永さんは、本当にすばらしい演技で、日本、あるいは外国の観客のみなさんを魅了し、勇気や感動を与えてくださった。昭和、平成、令和の3世代にわたって、日本映画のド真ん中にいらした。でも、1985年に始まった東京国際映画祭で、この賞を日本の女優さんが受賞されるのは今回が始めてです!」と吉永を称えた。

吉永小百合に花束を贈呈した安藤裕康チェアマン
吉永小百合に花束を贈呈した安藤裕康チェアマン

吉永は「すばらしい賞をいただきまして、本当にありがとうございます。3年前に野上照代さん(黒澤明映画などのスクリプター)がこの賞を受賞されたと伺いまして、とてもとても光栄に思っています。これからも一歩一歩映画の道を歩いていけたらと思っております。どうかみなさん、これからもお導きください。本当にありがとうございました」を力強く語った。

安藤チェアマンによると「レッドカーペットを歩いたのが270名で、去年より3割増です。チケットの売上も上々で、幸先の良いスタートが切れました」とのこと。最後にチェアマンは力強く開幕宣言をし、セレモニーを締めくくった。


文/山崎伸子

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