「本当に美味くて…」永瀬正敏、長澤まさみの手作り弁当に身も心も助けられたと感謝!『おーい、応為』初日舞台挨拶

「本当に美味くて…」永瀬正敏、長澤まさみの手作り弁当に身も心も助けられたと感謝!『おーい、応為』初日舞台挨拶

日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎の娘であり、弟子でもあった葛飾応為の謎多き人生を描く時代劇『おーい、応為』。公開初日の10月17日にTOHOシネマズ日比谷にて舞台挨拶が行われ、長澤まさみ、永瀬正敏、高橋海人(King & Prince)、大谷亮平らキャスト陣と大森立嗣監督が登壇。初日を迎えての喜びなどを語った。

客席に向かい「おーい!」と呼びかけるポーズを取るキャスト陣
客席に向かい「おーい!」と呼びかけるポーズを取るキャスト陣撮影:ソムタム田井

江戸時代、破天荒な絵師・葛飾北斎と、彼の娘であり弟子でもあった葛飾応為。「父をも凌ぐ」と言われた画才を持ち、北斎の右腕として、そして数少ない女性の絵師として、人生を描き抜いた彼女は、茶も入れられず針仕事もできないが、親ゆずりの豪胆さで、男社会を駆け抜けていく。そんな応為の情熱に満ちた生きざまを描く本作で監督・脚本を手がけたのは、『日日是好日』(18)や『星の子』(20)などの大森立嗣。長澤まさみは『MOTHER マザー』(20)以来となる大森監督との再タッグで、ヒロイン・葛飾応為を熱演。永瀬正敏は応為の父・北斎を、高橋海人は応為の友人であり、北斎の門下生でもある善次郎(渓斎英泉)を、大谷亮平は北斎の弟子の絵師・初五郎(魚屋北渓)を演じ、鮮やかに色を重ねるように本作を紡ぎ上げる。

各自がひと言ずつ挨拶を述べた後、親子を演じた長澤と永瀬には、「役を演じるうえで、2人だからこそ作り上げることができたアドリブの芝居などはありますか?」との質問が投げかけられる。これを受けて長澤は、撮影前に取り組んだ“絵を描く練習の時間”が貴重なひとときだったと話す。「話し合って演技の方向性を決める…ということはなかったのですが、北斎と応為にとって、2人が共通して好きなものは何か?となると、やっぱり“絵を描くこと”なんですね。そんな“絵を描く時間”が、この親子の風景を作っていったような気がして。なので、私たち自身も絵を描く練習の時間をいただいたんですけど、やっぱりそのひとときが、この映画にとってはすごく大切な時間だったなと感じています」

【写真を見る】落ち着いた色合いの着物姿で舞台挨拶に登壇した長澤まさみ
【写真を見る】落ち着いた色合いの着物姿で舞台挨拶に登壇した長澤まさみ撮影:ソムタム田井

そんな長澤と永瀬の芝居を間近で見ていた高橋は、親子の絆であったり、血の繋がりが感じられるやり取りに強い感銘を受けたという。「撮影のあいだ、自分がずっと感じていたのは、“この2人、本当に血が繋がっているなぁ”ということですね。お侍さんに対して一歩も引かず、強気でいく姿勢だったり、絵に対する取り組み方だったり。バチバチしているところも含め、すごく似ている者同士が近くにいるからこそ起きる、2人の感情のグルーヴが本当にすごくて。自分も父と姉がいて、二人は特に仲がいいというわけではないんですけど、似ているところがたくさんあって。しょっちゅう喧嘩もしているんですけど、なんだかんだでよくいっしょにいるので、そういう関係性こそ、まさに“血の繋がり”なんだなと、芝居を拝見して、改めて感じました。温かい繋がりだけでなく、ときには狂気を感じさせるところも本当にそっくりで、そういった驚きがあったのも、この作品に関われてよかったなと感じた要素の一つです」

北斎と応為の掛け合いを間近で見て、親子の絆や、血の繋がりの強さを実感したと話す高橋海人(King & Prince)
北斎と応為の掛け合いを間近で見て、親子の絆や、血の繋がりの強さを実感したと話す高橋海人(King & Prince)撮影:ソムタム田井

そうして終盤、本作に出演したことで受けた影響や、自分のなかで変化したことなどを聞かれた長澤は「皆さんから影響を受けました。永瀬さんからは映画との向き合い方といいますか、芝居に対しての向き合い方を学ばせていただいて。高橋君とは以前、別の作品でも共演させていただいたことがあるんですけど、日々変化していく、お芝居が成長していくさまにすごく影響を受けました。そして大谷さんからは、役柄の雰囲気もありますが、飄々としていて。それでいて淡々と軽やかに演じられる姿といいますか、そういったお芝居の作り方に驚かされて、感激したことを覚えています」とコメント。

さらに、再タッグを組んだ大森監督に対しては、「またこうして、主役としてごいっしょさせていただいたわけですが、今回は、本番に向かう姿勢といいますか、撮影までにどれくらい自分と向き合って、芝居を作り上げられるか……という、“自分の力”を試される現場でもあったので、本当にたくさんのことを学ばせていただいた作品だったなと感じています」といった感謝の言葉を述べた。

長澤まさみは、役作りに励む永瀬正敏のために、毎日手作りの弁当を差し入れたという
長澤まさみは、役作りに励む永瀬正敏のために、毎日手作りの弁当を差し入れたという撮影:ソムタム田井

一方の永瀬は、撮影期間中、そんな長澤からの気遣いに心身ともに助けられたと話す。「今作では話の展開に合わせて、どんどん変化していくといいますか、小さくなっていく芝居を目指しました。しばらく会っていなかった親戚だったり、諸先輩方だったり、両親に会ったりしたときに“小っちゃくなったな…”と感じる感覚を表現することなんですけど、僕の場合はそれを、飲まず食わずを徹底することで再現しようとしたんですね。けれどもそれを長澤さんが心配してくれて。毎朝、手料理といいますか、健康面にも気を配ったお弁当を作ってきてくれたんですよ。これが本当に美味くてね。体自体はだんだん小さく絞っていくんだけど、体調は崩さないように気を使ってくれて。だからこの現場では、身も心も長澤さんにすごく助けていただきました」

長澤まさみの手作り弁当に「心身ともに救われた」と話す永瀬正敏
長澤まさみの手作り弁当に「心身ともに救われた」と話す永瀬正敏撮影:ソムタム田井


これを受けてMCより、具体的な弁当の内容を聞かれた長澤は「何といいますか、内容は控えさせていただきたいと思います」と返し、会場は笑いに包まれ、舞台挨拶は盛況のうちに終了した。

※高橋海人の「高」は「はしご高」が正式表記

取材・文/ソムタム田井

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