北米のハロウィンといえばホラー映画!『死霊館』完結作や『シェルビー・オークス』、ロメロ娘の監督デビュー作など今年の注目作は?

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北米のハロウィンといえばホラー映画!『死霊館』完結作や『シェルビー・オークス』、ロメロ娘の監督デビュー作など今年の注目作は?

毎年10月末に行われるハロウィン。北米の映画界では、一年でもっともホラー映画が盛り上がる時期として知られており、例年10月になると各スタジオが渾身のタイトルを相次いで公開することが定番となっている。これまでにないほどホラー映画が盛り上がっている2025年のハロウィンシーズンには、いったいどんな作品が公開されるのか?本稿では、今年の北米ハロウィンを盛り上げる注目ホラー映画を紹介していこう。

「ソウ」「IT/イット」も!ハロウィン公開ホラーは名作ぞろい

秋を迎えた北米映画界に、ホラーが賑わう“ハロウィン”が到来!
秋を迎えた北米映画界に、ホラーが賑わう“ハロウィン”が到来![c]Everett Collection/AFLO

過去にハロウィンシーズンを彩ったホラー作品といえば、「ソウ」シリーズと「パラノーマル・アクティビティ」シリーズが代表的なところ。「ソウ」シリーズは2004年から2010年まで毎年ハロウィン直前の週末に公開され、2023年の第10作もハロウィンを見据えた9月末に公開。また「パラノーマル・アクティビティ」シリーズも第1作が9月末に公開され、10月中旬に拡大上映。その後も第5作以外がハロウィンの目玉として直前の週末に公開され、いずれも大ヒットを記録している。

「IT/イット」シリーズも9月の公開からハロウィンまでロングヒットを記録したり、ブラムハウス・プロダクションズによる「ハロウィン」のリブートシリーズも当然のようにハロウィンシーズンを牽引。直近では『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(23)が大ヒットしたことも記憶に新しい。特にハロウィン直前の週末やハロウィン当日の夜に映画館で大勢でホラー映画を楽しむという文化が定着していることもあり、そのタイミングで興行成績が急激に伸びる傾向がある。

2025年はホラー映画のヒットが連発!この流れに乗る新たな一本が生まれるのか
2025年はホラー映画のヒットが連発!この流れに乗る新たな一本が生まれるのか[c]Everett Collection/AFLO

そもそもハロウィンの起源は古代ケルトのサウィン祭と言われており、収穫期を終えて新年の幕開けを祝うその期間には、“あの世”へとつながる門が開くと伝えられていた。それがアメリカに持ち込まれ、長い年月を経て現在のかたちになったとされており、霊的なものと密接につながる時期ということでホラー作品が求められ、それがオカルトホラーに限らないホラー全般へと波及していったと考えられる。つまり、日本でお盆の時期にホラー映画などの恐怖コンテンツが注目されるのと同じような意味合いといえよう。

“当たり年”のハロウィンに、注目ホラーが大挙公開

シリーズ屈指の大ヒットとなった『ファイナル・デッドブラッド』は、日本での劇場公開が緊急決定したばかり
シリーズ屈指の大ヒットとなった『ファイナル・デッドブラッド』は、日本での劇場公開が緊急決定したばかり[c]Everett Collection/AFLO

この2025年は、春シーズンに社会現象を巻き起こしたライアン・クーグラー監督のヴァンパイアホラー『罪人たち』(25)をはじめ、人気ホラーシリーズの14年ぶりの復活作『ファイナル・デッドブラッド』(10月10日日本公開)や、サマーシーズン後半の主役を飾った『Weapons(原題)』などが相次いで大ヒット。他にも『28年後…』(25)や『THE MONKEY/ザ・モンキー』(日本公開中)など、近年稀に見るホラーの当たり年となっている。

すでに9月のうちから、「死霊館」ユニバースのフィナーレを飾る『死霊館 最後の儀式』(10月17日日本公開)がホラー映画歴代3位のオープニング興収をあげる大ヒットを記録。また、スティーヴン・キングの名作を映画化したディストピア・スリラー『The Long Walk(原題)』や、ジョーダン・ピールがプロデューサーを務めたサイコホラー『Him(原題)』、レニー・ハーリン監督によるスラッシャーホラー3部作の第2弾『The Strangers: Chapter2(原題)』が公開されており、ハロウィンシーズンに存在感を示すことは確実。

【写真を見る】全編犬視点?飼い主のために“なにか”に立ち向かう犬を描く異色ホラーも
【写真を見る】全編犬視点?飼い主のために“なにか”に立ち向かう犬を描く異色ホラーも[c]Everett Collection/AFLO

さらに10月に入ると、立て続けに新作ホラーが公開となる。10月3日(金)には、今年のSXSW映画祭で話題を呼んだ“全編犬視点”の異色ホラー『Good Boy(原題)』や、同じ屋敷で休暇を過ごすことになる二組のカップルを描いたサイコスリラー『Bone Lake(原題)』、ハリウッドの豪邸街で獰猛なコヨーテに襲われる人々を描く『Coyotes(原題)』などが公開。10月17日(金)からは、2022年に大ヒットを記録したブラムハウス製作の『ブラック・フォン』(22)の続編『Black Phone2(原題)』も待機している。

そして10月24日(金)からは、気鋭スタジオNEONが手掛け、マイク・フラナガンがエグゼクティブプロデューサーを務めた『シェルビー・オークス』(12月12日日本公開)も控えている。廃墟と化した町で、動画配信者のライリーが失踪した事件から12年後、ライリーの姉ミアのもとに“失踪の瞬間”を記録したビデオテープが届いたことから、事件の真相を探っていくという同作。映画批評YouTuberとして人気のクリス・スタックマンが初めて長編映画を手掛けたことでも話題を集めている一本だ。

『Queens of the Dead』はジョージ・A・ロメロの娘、ティナ・ロメロの監督デビュー作
『Queens of the Dead』はジョージ・A・ロメロの娘、ティナ・ロメロの監督デビュー作[c]Everett Collection/AFLO

他にも、イーライ・ロスがプロデュースした『Dream Eater(原題)』や、ケイティ・オブライアンが主演を務め、巨匠ジョージ・A・ロメロの娘ティナ・ロメロが長編監督デビューを飾るホラーコメディ『Queens of the Dead(原題)』も注目タイトルのひとつ。これらハロウィンシーズンに一挙に押し寄せてくるタイトルが、活気づいているホラー映画界をさらに盛り上げてくれること間違いなし。各作品の日本上陸も待ち遠しい!


文/久保田 和馬

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