「チェンソーマン」原作者の藤本タツキも魅了された!?竜巻がサメを降らす伝説のB級映画「シャークネード」の“トンデモ”具合に迫る!

コラム

「チェンソーマン」原作者の藤本タツキも魅了された!?竜巻がサメを降らす伝説のB級映画「シャークネード」の“トンデモ”具合に迫る!

“チェンソーの悪魔”の力を手に入れた少年デンジが、悪魔と呼ばれる存在と戦う姿を描く「チェンソーマン」。漫画家、藤本タツキによる原作コミックはシリーズ累計発行部数3000万部を超える大ヒットとなっているほか、2022年に放送されたテレビアニメは国内外で高い評価を獲得。そんな「チェンソーマン」初となる劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が現在公開中だ。

公安所属のデビルハンターであるデンジ(声:戸谷菊之介)は、ある雨の日に、少女レゼ(声:上田麗奈)と運命的な出会いを果たす。レゼと急速に距離を縮めていくデンジだったが、そんな彼の前に航空爆弾のような頭をした悪魔ボムと規格外の破壊力を持つ“台風の悪魔”が現れる。自身の“チェンソーの心臓”をねらう彼女らに対し、デンジはハイテンションな“サメの魔人”ビーム(声:花江夏樹)ら仲間と共に立ち向かっていく。

まさに「シャークネード」!『チェンソーマン レゼ篇』IMAXビジュアル
まさに「シャークネード」!『チェンソーマン レゼ篇』IMAXビジュアル[c] 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト [c]藤本タツキ/集英社

チェンソーにサメ、台風、爆弾と聞いて、あるトンデモ・サメ映画を思い浮かべた人がいるかもしれない。そう、それはハリケーン(台風)によって飛来したサメに、チェンソーと爆弾を武器にした人間が立ち向かう「シャークネード」シリーズ!大の映画好きとしても知られる「チェンソーマン」原作者の藤本は、漫画内に様々な映画のパロディやオマージュを散りばめており、今回映画化されたストーリーの連載時のサブタイトルは、まさに「シャークネード」だった。

竜巻に乗った、空飛ぶサメが人々を襲う『シャークネード』

海中にいたサメが吸い上げられ…(『シャークネード』)
海中にいたサメが吸い上げられ…(『シャークネード』)[c]2013, THE GLOBAL ASYLUM, INC. All Rights Reserved.

“ファフロツキーズ”という現象をご存知だろうか?空からありえないものが降ってくる現象のことで、ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画『マグノリア』(99)のラストで、空からカエルが降ってくるシーンがまさにそれ。魚などが降ってくることが多く、怪現象とされているが、竜巻などによって海水と共に上空に巻き上げられた魚が降ってくるというのが有力な説。そのファフロツキーズ現象を都合のいいように解釈して作ったのが『シャークネード』(13)である。


主人公フィンは、チェンソーを手にサメに立ち向かっていく(『シャークネード』)
主人公フィンは、チェンソーを手にサメに立ち向かっていく(『シャークネード』)[c]2013, THE GLOBAL ASYLUM, INC. All Rights Reserved.

メキシコ湾でハリケーンが同時に3つ発生しロサンゼルスに上陸したが、暴風雨だけでなく、竜巻で無数のサメたちを巻き上げ地上に降らせた。常識ある人なら空でサメたちは生きられないと考えるが、『シャークネード』の製作者たちはバカなのか、知らなかったのか、サメたちは地上の人間を元気いっぱいに襲いまくる。そんな災難に見舞われた市民のなかにいたのが、フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)の一家だった。困っている人を黙って見ていられない正義感のかたまりのようなフィンは、チェンソー片手に家族と市民、そして別居中の元妻エイプリル(タラ・リード)の救出に向かう。そんなフィンは、なぜか銃火器に精通しているだけでなくチェンソーの達人で、空から襲ってくるサメを次々に切り刻んで返り討ちにする。それだけではなく、サメに飲み込まれた時は腹をチェンソーで切り裂いて脱出し、あっという間に現場復帰を果たしている。

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