Volume3配信間近!世界のSW&アニメファンが熱狂「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1の9作品を一挙紹介

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Volume3配信間近!世界のSW&アニメファンが熱狂「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1の9作品を一挙紹介

世界的評価の高いアニメーションスタジオがクリエイター独自の視点と発想で新たな「スター・ウォーズ」を描く、ルーカスフィルムによる一大プロジェクト「スター・ウォーズ:ビジョンズ」(ディズニープラスで配信中)。そんな人気シリーズ第3弾として、9つの日本のアニメーションスタジオが9つの短編を贈りだす「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume3が10月29日(水)よりディズニープラスにて独占配信開始となる。今回はそのシリーズの原点であるVolume1に登場した9作品を配信順に紹介。

【写真を見る】日本の伝統的な茶屋×「スター・ウォーズ」の世界観がリアルに再現!SWSJに出現した「The Duel」ブース
【写真を見る】日本の伝統的な茶屋×「スター・ウォーズ」の世界観がリアルに再現!SWSJに出現した「The Duel」ブース「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

「スター・ウォーズ」のレガシーを受け継ぎながら日本アニメの“可愛らしさ”や“キャラクター性”などのスピリットを持ち込み9つの短編アニメーションを贈りだしたVolume1は、配信開始以来、世界中の「スター・ウォーズ」ファンやアニメファンから絶大な人気を誇ってきた。今春日本で開催された「スター・ウォーズ」最大の祭典「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」では、本シリーズを題材にしたブースも登場。そこに併設された日本の伝統的な茶屋をモチーフにした展示では、Volume1の人気エピソード「The Duel」(神風動画制作)に登場するドロイドやキャラクターたちが細部まで再現されており、世界中のファンが集まって写真を撮ったり交流したりと大賑わいとなった。そんなVolume1の9作品の魅力をたっぷりとお届けする。

※以降、「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1のネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)に該当する要素を含みます。未見の方はご注意ください。

神風動画制作「The Duel」

神風動画による「The Duel」など、日本を代表するアニメーションスタジオが参加した「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1
神風動画による「The Duel」など、日本を代表するアニメーションスタジオが参加した「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

謎めく過去を持つ浪人、銀河の外れで起こる“個”の決闘の物語。赤いライトセーバーを持ちドロイドと旅を続ける“ローニン”。その日、2人が立ち寄った村は長い間、野盗集団による過酷な暴力の犠牲となっていた。だが、村人たちは意を決し少しずつ金を集めて用心棒たちを雇い、村を牛耳る野盗集団と戦いを始める。当初は優勢にみえた用心棒たちだったが、番傘型の赤いライトセーバーを携えて現れた野盗の女ボスが実はシスで、形勢は逆転してしまう…。一部始終を見ていたローニンは真っ直ぐシスの元へと向かっていく。

「スター・ウォーズ」の生みの親ジョージ・ルーカスに大きな影響を与えた黒澤映画のような雰囲気をもつ本作。テレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のオープニングやテレビアニメ「ポプテピピック」などを手掛け、日本のアニメーション業界の第一線で活躍する水﨑淳平が総監督を務め、キャラクターデザインは「スター・ウォーズ」の大ファンだという漫画家でイラストデザイナーの岡崎能士が手掛けた。ローニンを演じるのは、映画やドラマでレイアの父ベイル・オーガナの日本語吹替を担当するてらそままさき。劇中では、『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』(99)のダース・モールとクワイ=ガン・ジンの戦いの効果音を一部そのまま使用したシーンや、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)のオマージュシーンもあるので、ぜひ探してみてほしい。そして、Volume3にはファン待望の続編として、CG スタジオのANIMA と共同制作で「The Duel: Payback」が描かれることが発表されており、世界中のファンから期待が高まっている。

スタジオコロリド制作「タトゥイーン・ラプソディ」

スタジオコロリドによる「タトゥイーン・ラプソディ」
スタジオコロリドによる「タトゥイーン・ラプソディ」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

仲間の絆と夢への想い、銀河を熱狂させる“ロック”の物語。元ジェダイや廃棄ドロイドなど、訳アリのメンバーが集いアウターリムを転々としながらライブ活動をしていたバンド、スター・ウェイバー。バンドリーダーのギーザーはギャング稼業の一族から裏切り者として追われ、ついには凄腕賞金稼ぎボバ・フェットに連れ去られてしまう。ギーザーの公開処刑が近づくなか、バンドメンバーは惑星タトゥイーンの犯罪王ジャバに取引を持ち掛けた。自分たちの命と引き換えに、最期のライブをさせてくれないか、と。

本作を手掛けたスタジオコロリドは、初の長編アニメとなる映画『ペンギン・ハイウェイ』(18)が日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞、映画『泣きたい私は猫をかぶる』(20)が話題を呼んだ新進気鋭のアニメスタジオ。「スター・ウォーズ」の大ファンだという新鋭監督、木村拓が抜擢された。本作は、主人公ジェイの声優を担当した吉野裕行をはじめ、英語吹替版ではジョセフ・ゴードン・レヴィット、ボバ・フェット役に「マンダロリアン」シリーズなどでボバ役の声優を務める金田明夫、英語版では同シリーズでボバ役を演じるテムエラ・モリソンが務めるなど、豪華声優陣が集結している。旧3部作の主人公ルーク・スカイウォーカーの故郷でもある砂漠の惑星タトゥイーンを舞台に、“ロックミュージシャン”を志す主人公たちの物語に注目だ。

TRIGGER 制作「THE TWINS」

今石洋之監督による「THE TWINS」
今石洋之監督による「THE TWINS」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

ダークサイドの双子がぶつかり合う“野望”と“希望”の物語。平和と繁栄が続く共和国から遠く離れた未知の領域で、かつての銀河皇帝が扱った恐るべきダークサイドの力によって生みだされた双子の暗黒卿“Am(アム)”と“Karre(カレ)”は、銀河帝国の残党を率いてシスの復権と新たなる銀河帝国の再建を企んでいた。強大な力を持つ邪悪な究極兵器も完成し、まさにいま、新帝国旗艦“ツインスター・デストロイヤー”起動の最終調整が行われていたのだった。

本作を手掛けた今石洋之監督は「天元突破グレンラガン」や「キルラキル」「プロメア」などを生んだ、日本のアニメ業界を代表する鬼才。カレ役に榎木淳弥、アム役に白石涼子、B-20N役に川島得愛など実力派声優が集結している。「スター・ウォーズ」にはルークとレイアなど銀河の運命を動かす“双子”が登場しているが、本作で描かれる“シスの双子”がどのような結末を迎えるのか?ぜひ見届けてほしい。

キネマシトラス制作「村の花嫁」

垪和等監督による「村の花嫁」
垪和等監督による「村の花嫁」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

悲しき決断をした花嫁の運命とジェダイの選択の物語。オーダー66後、帝国の支配はまだアウターリムの惑星キーリアへは届いていなかった。懐かしい人物(ヴァン)からメッセージを受け取りこの星を訪れた逃亡者エフは、そこで奇妙な結婚式に出くわす。戦争の呪縛から逃れられない村人たちと抗おうとする若者たち。花嫁ハルに自らの境遇を重ねるエフがとった行動とは。そして恋人たちの運命は…。

本作を手掛けた垪和等監督は、日本はもちろん、世界中で人気を博しているテレビアニメ「メイドインアビス」シリーズやテレビアニメ「盾の勇者の成り上がり season3」などを手掛けるクリエイター。声優には、主人公の逃亡中のジェダイ・エフ役に声優の瀬戸麻沙美が、ヴァン役には垪和監督と高校時代の友人である俳優の上川隆也が参加している。本作は『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)で描かれたアナキンとパドメの2人きりの切ない結婚式のシーンが起点となり制作されているが、Volume3では続編として新たな惑星でエフが目撃した出来事を描く「彷徨う者たち」が登場する。

Production I.G 制作「九人目のジェダイ」

Production I.Gによる「九人目のジェダイ」。監督は神山健治が務めた
Production I.Gによる「九人目のジェダイ」。監督は神山健治が務めた「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

鍛冶屋の娘カーラが、暗黒面に追われながら“希望”を運ぶ冒険の物語。ジェダイ騎士団の復活を計画する辺境伯ジューロから古代の武器ライトセーバーを進呈すると呼びかけられ、7人のジェダイが辺境惑星ヒ・イズランの空中神殿に集まった。同じころ、セーバースミスのジーマが、ジューロの命を受けライトセーバーを完成させていた。だが、シスの復活を目論むジェダイハンターによりジーマは捕らえられてしまう。ライトセーバーを託されたジーマの娘カーラは、追手から逃れて空中神殿に向かう。

本作を手掛けたProduction I.Gは、テレビアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズや「精霊の守り人」「東のエデン」など数々のヒット作を贈りだし、日本のアニメーション業界を牽引するスタジオ。監督を務めるのは神山健治、主人公カーラ役は声優の赤崎千夏、カーラの父ジーマ役は三木眞一郎が演じており、「スター・ウォーズ」を象徴するジェダイとライトセーバー、そして“親子”の物語が描かれている。Volume3ではそんな本作の続きを描く「The Ninth Jedi: Childof Hope」が登場。さらに2026 年には「ビジョンズ」から初めてシリーズ化となるオリジナルアニメーションシリーズ「StarWars Visions Presents -The Ninth Jedi」の配信も決定している。本作で描かれる、大切な父を助けるため銀河を冒険するカーラの始まりの物語もチェックしてほしい。

サイエンスSARU制作「T0-B1」

テレビアニメ「ダンダダン」のアベル・ゴンゴラ監督による「T0-B1」
テレビアニメ「ダンダダン」のアベル・ゴンゴラ監督による「T0-B1」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

ジェダイを夢見るドロイドの秘められた過去を描いた物語。ジェダイを夢見る少年型ドロイドのT0-B1(ティーオービーワン)は、唯一の人間であるミタカ博士と暮らしていた。星に生命を宿らせるという博士の研究をそっちのけで夢ばかりみている彼に、ミタカは試練を与える。それはライトセーバーの核となるカイバークリスタルを見つけだすこと。はりきって星中を探し回るT0-B1は、ミタカに禁止されていた地下室に足を踏み入れ、古い宇宙船を見つけてしまう。この悪気ない行動が、平和だった彼らの星に悪の手を招いてしまうことに。

本作を手掛けたアベル・ゴンゴラ監督は、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ・クリスタル賞など数々の海外の映画賞を総なめにした『夜明け告げるルーのうた』(17)、上海国際映画祭で金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞した『きみと、波にのれたら』(19)などを生み世界から高く評価され、近年ではテレビアニメ「ダンダダン」の監督を務めている。主人公のドロイドT0-B1を演じるのは海外でも大人気の声優界のレジェンド野沢雅子で、「スター・ウォーズ」シリーズではハン・ソロの日本語吹替版を演じていた声優の磯部勉が本作ではミタカ博士を演じている。キャラクターたちは1960年代の日本の漫画から大きな影響を受けてデザインされ、本作の音楽には1963年のオリジナル・テレビシリーズ「鉄腕アトム」のサウンドを担当していた大野松雄が携わっているなど、まさに日本文化と「スター・ウォーズ」が融合した1作となっている。

TRIGGER 制作「The Elder」

TRIGGERによる「The Elder」
TRIGGERによる「The Elder」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

光か闇か?ジェダイの絆と運命の闘いを描く物語。経験豊富なジェダイ・マスターのタジンと若いパダワンのダン。訪れる者も少ない辺境宙域をパトロールしていた2人は怪しい気配を感じ惑星ハボに降り立つ。星の住人から数日前に1人の老人が小型のスターシップで飛来したことを聞き、調査を開始する2人。しかし老人が乗って来たスターシップを目にした時、タジンの脳裏に不吉な予感が漂い始める。

パダワンのダン役を人気声優の中村悠一が務めており、「スター・ウォーズ」ならではのライトセーバー戦や“師弟”の物語が見どころの本作を手掛けた大塚雅彦監督はTRIGGERの代表取締役で、「スター・ウォーズ」を観たことがきっかけで映画の道を志したという本シリーズの大ファン。「キルラキル」や「リトルウィッチアカデミア」などを手掛け、日本のアニメーション業界に欠かせないクリエイターの1人だ。そんな大塚監督はVolume3で新作「The Smuggler」を手掛けているが、クリエイター独自の“ビジョン”で次はどんな「スター・ウォーズ」の物語を描くのか?ファンのなかで期待が高まっている。

ジェノスタジオ制作「のらうさロップと緋桜お蝶」

ジェノスタジオによる「のらうさロップと緋桜お蝶」
ジェノスタジオによる「のらうさロップと緋桜お蝶」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

思いがすれ違ってしまっても繋ぎ止めたい“家族”の絆の物語。銀河帝国強制労働者として捕らえられていた孤児のロップは、ある日、辺境の惑星タオに生きる一家の長、弥三郎と、その娘、お蝶と出会う。3人は種族を超えて「家族」となるため日々を穏やかに過ごしてきた。しかし、帝国に対する考え方の違いから、弥三郎とお蝶は徐々に擦れ違い、ついに弥三郎が独断で帝国基地への爆破テロを強行する事態となってしまう。ロップが2人の仲を取り持とうとするなか、帝国将校が目の前に立ちはだかってくる。

本作を手掛けた五十嵐祐貴監督は、テレビアニメ「呪術廻戦」のエンディングの作画やテレビアニメ「映像研には手を出すな!」の絵コンテなどを担当、星野源の楽曲「異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)」のMVを監督するなど、いま最も注目のアニメーター。大きな瞳が可愛らしいウサギのような姿をした種族の主人公ロップの声優は、俳優の小林星蘭が務めている。ロップは五十嵐監督が“思わず抱きしめたくなるキャラクター”にしようと描いたキャラクターで、まさに日本のアニメーションらしい可愛らしさが魅力。また、本作は「スター・ウォーズ」でシリーズを通して描かれてきた“家族”をテーマにした物語でもある。

サイエンスSARU制作「赤霧」

サイエンスSARUによる「赤霧」
サイエンスSARUによる「赤霧」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」Volume1 ディズニープラスにて独占配信中 [c]2025 TM & [c] Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

“赤い霧”が心を惑わす、ジェダイと姫の禁じられた愛の物語。とある星の危機に導かれるように駆けつけたジェダイのツバキは、敵の襲撃にあい気を失ってしまう。そんな彼を助けたのは、かつて親交があった王女ミサの一行。再会を果たした2人は、王国奪還のため宮殿へ向かうことに。旅路の果てに待ち構えていたのは、兄である国王を殺しシスとなったマサゴ。ツバキは強大な力を誇るマサゴとの戦いのなかで、自分自身の秘めたある想いを利用され、究極の選択を迫られる。

本作のチェ・ウニョン監督は、2013年に湯浅政明監督と共にサイエンスSARUを設立し、アニメ「映像研には手を出すな!」などのプロデューサーも務めるなど、アニメのキャリアを日本で積んできたクリエイター。ジェダイのツバキを声優の宮崎遊が、王女ミサを声優のLynnが演じている。ジェダイは“特定のものへの執着”が禁止されているが、王女との禁じられた愛の行方とは?彼らが冒険の先にたどり着いた究極の選択を見届けてほしい。


「スター・ウォーズ」と日本のアニメによる互いへの愛が生んだ奇跡のプロジェクトから、エンタテインメント界における新たな歴史を生んだ「スター・ウォーズ:ビジョンズ」。「スター・ウォーズ」のルーツである“日本”に再び帰還するVolume3の配信開始を機に、各スタジオ独自の“ビジョン”で描かれた物語の数々を存分に堪能していただきたい。

文/山崎伸子

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