「死霊館」完結編、シリーズ最高成績で北米No. 1発進!北米公開を迎えた『鬼滅の刃』の興収予測もチェック

コラム

「死霊館」完結編、シリーズ最高成績で北米No. 1発進!北米公開を迎えた『鬼滅の刃』の興収予測もチェック

先週末(9月5日から9月7日まで)の北米興収ランキングは、おなじみ「死霊館」ユニバースの最新作にして、完結作となる『死霊館 最後の儀式』(10月17日日本公開)が堂々首位スタートを飾った。これで同ユニバースの作品は10本目(『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』を含める場合)になるが、「アナベル」シリーズの第1作と第3作を除く8本が初登場No. 1を獲得したことになる。

【写真を見る】15年間ホラー映画界を牽引した「死霊館」がついにフィナーレ!気になる評価は…
【写真を見る】15年間ホラー映画界を牽引した「死霊館」がついにフィナーレ!気になる評価は…[c]Everett Collection/AFLO

3802館で公開された『死霊館 最後の儀式』の初日から3日間の興収は8400万ドル。これは「死霊館」ユニバースとして最大のオープニングであり、これまでの最高成績だった『死霊館のシスター』(18)との対比は156%。「死霊館」メインシリーズの第1作、第2作のオープニングと比較すると倍以上の興収をたたきだしており、やはり“シリーズフィナーレ”という点が大きく寄与しているのであろう。

ちなみにこのオープニング成績は、現時点での2025年公開作のなかで第8位。北米の歴代オープニング興収ランキングでは122位とやや地味な位置に見えるが、ホラー作品だけに限定すればアンディ・ムスキエティ監督の「IT/イット」シリーズ2作に次ぐ歴代3位であり、ここ10年のホラー映画界を牽引してきた「死霊館」ユニバースの威厳を示すことにも成功したようだ。

“呪いの鏡”にまつわる超常現象が、ウォーレン夫妻の娘に迫る!
“呪いの鏡”にまつわる超常現象が、ウォーレン夫妻の娘に迫る![c]Everett Collection/AFLO

とはいえ肝心の作品評価に目を向けてみると、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価は57%、観客からのそれは79%と少々伸び悩み気味。これは「死霊館」のメインシリーズ過去3作で見れば、第1作と第2作には到底及ばないものの、前作『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(21)とほぼ同水準。そもそも批評に頼るタイプのシリーズではないのでさほど気にする必要はないだろう。いずれにせよ、シリーズ最高興収である第1作の1億3740万ドルは悠々と超えてくるはずだ。

また『死霊館 最後の儀式』を配給するワーナー・ブラザースは、今年に入ってから36回ある週末のうち13回で週末No. 1を獲得している。『マインクラフト/ザ・ムービー』(25)や『罪人たち』(25)、『スーパーマン』(日本公開中)、『Weapons』などが大きなヒットとなっており、初登場No. 1は今回で8作目。そのうち7作品がオープニング興収4000万ドルを超えており、4作品がホラー映画。ワーナーの好調ぶりもさることながら、すっかりワーナー×ホラーの組み合わせが定番化してきたようにも見える。

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』がいよいよ北米へ!
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』がいよいよ北米へ![c]Everett Collection/AFLO

さて9月12日からは、北米3300館規模で『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(日本公開中)がいよいよ公開を迎えた。事前の配給元の予測では週末3日間で3500万ドルほどの興収を挙げると見込まれているが、前売券の記録的なセールスを考慮すると4500〜6000万ドルに達するとの見方も。これまでの日本アニメのオープニング記録は『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(98)の3106万ドル。同作の記録した興収8574万ドルが日本映画の北米における最高興収であり、それが破られる日がとうとうやってくるようだ。


文/久保田 和馬

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