セウォル号沈没事故が題材の映画『君と私』よりポスター、予告編、場面写真が公開

セウォル号沈没事故が題材の映画『君と私』よりポスター、予告編、場面写真が公開

第45回青龍映画賞にて最優秀脚本賞と新人監督賞をダブル受賞した、俳優チョ・ヒョンチョルの長編監督デビュー作『君と私』(11月14日公開)。このたび、本ポスター及び予告編、場面写真が到着した。

【写真を見る】みずみずしい少女2人の心のふれあいが繊細に綴られる
【写真を見る】みずみずしい少女2人の心のふれあいが繊細に綴られる[c]2021 Film Young.inc ALL RIGHTS RESERVED

本作は、2014年4月に韓国で発生したセウォル号沈没事故を題材に、済州島行きの修学旅行を明日に控えた2人の女子高生セミとハウンが過ごす、夢のような1日を描いた物語。監督、脚本を手掛けたのは、ドラマ「D.P.-脱走兵追跡官-」など、名バイプレーヤーとして多種多様な役柄で活躍する俳優チョ・ヒョンチョルだ。

2014年4月、韓国で発生した セウォル号沈没事故を題材に2人の少女の恋模様を描く
2014年4月、韓国で発生した セウォル号沈没事故を題材に2人の少女の恋模様を描く[c]2021 Film Young.inc ALL RIGHTS RESERVED

長編監督デビュー作ながら、7年の歳月をかけて丁寧に織り上げた脚本は高い評価を受け、第45回青龍映画賞にて『ソウルの春』(23)や『パスト ライブス/再会』(23)などの大ヒット作を押さえ、最優秀脚本賞と新人監督賞をダブル受賞する快挙を果たした。撮影には、これまで広告やMVを中心に手がける新進気鋭の映像作家DQM。さらに、日本でも人気の高い韓国の4ピースバンド、ヒョゴのメインボーカルを務めるオヒョクが音楽を手掛けるなど、韓国カルチャーシーンを牽引するクリエイターが集結している。

セミ(パク・ヘス)が想いを寄せるハウン(キム・シウン)
セミ(パク・ヘス)が想いを寄せるハウン(キム・シウン)[c]2021 Film Young.inc ALL RIGHTS RESERVED

解禁された本ポスターは、制服姿で抱き合うセミとハウンを捉えたもの。中央左下の原題ロゴは、ヒョンチョル監督の直筆によるもの。邦題のロゴは、デザインを担当したアートディレクターの脇田あすかが、原題ロゴのぬくもりや質感を汲み取りながら、新たに手書きで制作した。あわせて解禁された場面写真は、本作の撮影を担当した新進気鋭の映像作家DQMによる、夢と現実の境界に立つような幻想的で独特の空気感をもつ淡い質感が伝わるシーンが写されている。

予告編では、今年フジロックフェスティバルにも出演し話題を呼んだ、ヒョゴのメインボーカルを務めるオヒョクによる音楽が響くなか、修学旅行の前日を共に過ごすセミとハウンの姿を映しだす。ヒョンチョル監督は、「劇中のシーンが夢のように見えたらいいと思った。光が豊かで、生きて動いているように見えてほしかった」と語っており、春の温かな陽光を、最大限映像に落とし込みながら撮影が行われたことがうかがえる。

俳優チョ・ヒョンチョルの長編監督デビュー作
俳優チョ・ヒョンチョルの長編監督デビュー作[c]2021 Film Young.inc ALL RIGHTS RESERVED

冒頭に流れる「だれかの記憶の中では忘れ去られていくとしても、春がくるたびに、心を痛めている方がいることを思いだしてほしい」という監督のメッセージからは、本作に込められたチョ監督の強い想いを感じ取ることができる。今後の本作の続報を待ちたい。


文/山崎伸子

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