ウェス・アンダーソン最新作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ダンヒル製のラグジュアリーな小道具を収めた場面写真
<コメント>
●青野賢一(文筆家、選曲家)
「ロマン、ユーモア、野望、駆け引き、ファミリー間の確執、対決、そして親と子の距離の変化––––20世紀の傑作クラシック映画の素晴らしいエッセンスを全篇に散りばめた、新時代のクラシックと呼びたい作品。ブラボー!」
●緒川たまき(俳優)
「野心家の大富豪が体を張って無茶をする。何故こうまでして?と思いながらも観ているうちにいつの間にか気分爽快、こころ晴れ晴れ。そして心に残ったものは、アンダーソン監督独特のユーモア感覚から生まれる『人たらしっぷり』なのでした」
●北村道子(スタイリスト)
「毎回思うことは同じなのだが、彼即ちウェス・アンダーソンのビジュアルは最高にスペシャル。台詞がなくても俳優はその場にいたいのだろ!観ている私も終了するまで没入しているから」
●DIZ(映画アクティビスト)
「ウェスの美学が進化した完璧な世界で、完璧じゃない人々を愛する優しい眼差しに涙。予測不能で危険、でも心が高鳴る家族旅行。ウェスにしか生み出せない魔法の旅に同行できる、これ以上ない至福の映画体験」
●中山路子(ミュベール デザイナー)
「目が二つじゃ足りない──画面の隅々に宿る細やかな美しさ。名場面が連なり、リズムを刻むストーリーは、甘く苦く、痺れるメルヘンに誘う。そこはウイットと情熱、創り手の愛が溢れる濃縮されたウエスアンダーソン監督の世界。美と感動が心を満たす贅沢で特別な映画体験」
●宮代大嗣(映画批評)
「ウェス・アンダーソンのもっともパーソナルな傑作!ザ・ザは人生でやり残したことに目覚める。騒々しい冒険の果て、その先にある世界に向けて、悔いと喜びと望みが同時に溢れだす。いつになく直線的に進むこの映画には、私たち大人が子供たちに何を残してあげることができるかということが、祈りのように描かれている」
文/スズキヒロシ