メガヒットホラーシリーズ最終章『死霊館 最後の儀式』実在した心霊研究家ウォーレン夫妻の軌跡をプレイバック!

メガヒットホラーシリーズ最終章『死霊館 最後の儀式』実在した心霊研究家ウォーレン夫妻の軌跡をプレイバック!

「ソウ」シリーズや「インシディアス」シリーズを手がけたジェームズ・ワンが実在した心霊研究家の体験をもとに映画化した「死霊館」シリーズ。最新作『死霊館 最後の儀式』(10月17日公開)の日本上陸を前に、ここでは実在した世界一有名な心霊研究家ウォーレン夫妻がたどった軌跡を振り返っていきたい。

【写真を見る】『死霊館 最後の儀式』からウォーレン夫妻をとらえた場面写真も解禁
【写真を見る】『死霊館 最後の儀式』からウォーレン夫妻をとらえた場面写真も解禁[c] 2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)や「アクアマン」シリーズといったアクション大作の監督も務めるジェームズ・ワンが、ウォーレン夫妻の体験した人知を超えた戦慄の怪奇事件を実話に基づいて映画化した『死霊館』(13)、『死霊館 エンフィールド事件』(16)、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(21)は軒並み大ヒットを記録。さらにシリーズはユニバースへと拡大し、シリーズ劇中に登場する実在する呪われたアナベル人形が巻き起こす恐怖を描いた「アナベル」シリーズや『死霊館 エンフィールド事件』に登場する悪魔のシスター“ヴァラク”のルーツに迫る前日譚「死霊館のシスター」シリーズといった数多くの作品が生まれ、「死霊館」ユニバース全作(9作品)は、世界累計興行収入3000億円を超えるホラー映画の金字塔として一大フランチャイズへと発展した。

最新、最恐のフィナーレを飾る『死霊館 最後の儀式』は、ワンとピーター・サフランがプロデューサーを務め、前作の『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』や『ラ・ヨローナ 泣く女』(18)、『死霊館のシスター 呪いの秘密』(23)を手掛け、ユニバース後期を支えたマイケル・チャベスが監督を担当。さらに本シリーズを通して、ウォーレン夫妻を演じてきたベラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンがエド&ロレイン・ウォーレン役でそれぞれ続投している。

「死霊館」シリーズは、ウォーレン夫妻が超常現象に苦しむ家族に寄り添い、数々の怪事件を解決してきた。実際のウォーレン夫妻が向き合った事件は、なんと1000件以上にのぼるという。彼らが対峙するのは悪魔だけではない。ときには家族の輪に入り、洗濯機を修理したり、子どもたちを喜ばせるためにパンケーキを焼いたり、さらにはエルビス・プレスリーの曲を弾き語りして元気づけたりと、温かな場面も描かれてきた。恐怖を描くだけでなく、人間ドラマとしても深い感動を呼んできた「死霊館」シリーズ。その軌跡を第1作から第3作までのメインストーリーを軸に振り返ってみよう。

全ての始まり、恐怖の幕開け『死霊館』

シリーズの始まりでありユニバースの基盤を築いた『死霊館』
シリーズの始まりでありユニバースの基盤を築いた『死霊館』[c] 2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

シリーズの始まりでありユニバースの基盤を築いた作品。1971年、ロードアイランド州の古びた家に引っ越してきたペロン一家は不可解な現象に悩まされる。家族は心霊研究家のウォーレン夫妻に助けを求め、夫妻は家に取り憑いている邪悪な存在と対峙することになる。恐怖の裏にある「家族を守る」というテーマが強く打ち出され、観客に大きなインパクトを与えた。そして、劇中に登場する実在する呪われたアナベル人形が巻き起こす恐怖を描いた「アナベル」シリーズも生みだすことになる。

史上最長期間続いたポルターガイスト現象を描いた『死霊館 エンフィールド事件』

1977年のイギリスを舞台に史上最長期間続いた怪奇現象に迫った『死霊館 エンフィールド事件』
1977年のイギリスを舞台に史上最長期間続いた怪奇現象に迫った『死霊館 エンフィールド事件』[c] 2016 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

続編の舞台は1977年のイギリス。ウォーレン夫妻は、ホジソン一家からロンドン郊外で体験したポルターガイスト現象の調査を依頼される。史上最長期間続いたこの怪奇現象の背後には、エドとロレインの命を狙う悪魔“ヴァラク”の存在が…。単なる悪霊祓いではなく、悪魔の策略によって夫妻自身の身が危険にさらされるサスペンス要素が強まり、特に、ロレインの霊視能力と信仰が試され、夫婦の絆が事件解決の鍵となった。ホラーでありながら、母子愛や信じる心が物語を支えるドラマ性も高く評価された。劇中に登場する悪魔のシスター“ヴァラク”のルーツに迫る前日譚「死霊館のシスター」シリーズに繋がっていく。

犯人は悪魔?前代未聞の殺人事件に挑む『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』

アメリカ史上初、前代未聞の殺人事件を描いた『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
アメリカ史上初、前代未聞の殺人事件を描いた『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』[c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

第3作は、家主を22度刺して殺害した青年が悪魔に取り憑かれていたことを理由に「無罪」を主張した1981年の裁判が題材。姿なき存在を証明するためにウォ―レン夫妻が立ち上がる。被告人を救うため、手掛かりをもとに、警察に協力し捜査を進めるウォーレン夫妻だったが、とてつもなく邪悪な「何か」に極限まで追い詰められていく。「その存在」をどうやって証明するのか?アメリカ史上初、前代未聞の殺人事件。これまでの作品と異なり、恐怖はついに司法の場へと持ち込まれ、超常現象を証明しようとする夫妻の戦いが描かれる。

そんなウォーレン夫妻にとって最後の仕事となる1986年ペンシルベニアでの事件が描かれる本作だが、監督のチャベスは「本物のウォーレン夫妻は本当に多くの人々の人生に触れてきました。心霊現象や説明のつかない出来事に苦しむ、助けを必要としていた人たちが大勢いました。そしてウォーレン夫妻はそんな人たちのもとへ駆けつけました――誰にも信じてもらえない人々の声を聞くために、全米を旅しました。その事実はとても重要です。それは本当に起きていた出来事なんです。このシリーズがどれだけ多くの人の人生に影響を与えてきたかを考えてみましょう。このシリーズを観て育ったファン、そしてこのシリーズの製作に関わることができた全員。これは本当に素晴らしい旅であり体験でした。僕がその一部になれたことを、心から幸運なことだと思っています」と夫妻の活動に敬意を表した。

そしてシリーズの生みの親であり、本作でもプロデューサーを務めるワンは「本作の舞台となる1986年の時点で、ウォーレン夫妻はかなり有名な存在になっていました。一般の人々の間でも彼らは知られるようになっていて、事件や活動を通じて世間に広く知れわたっていました。その要素を映画に取り入れるのはとても面白いと思いました。ウォーレン夫妻が外に出ると、人々の接し方が最初の映画の時とはまったく違うんです。実際にあったいくつかの出来事を忠実に反映させて、シリーズが常に目指してきたリアリティを加えたかったんです」と夫妻の存在感の広がりについて語っている。またシリーズを通してロレインを演じてきたファーミガは「“LAST RITES(原題)”――最後の儀式、最後の行動、最後の喝采。この物語はエドとロレインの物語を終えるのにふさわしいと思いました。この物語で彼らが戦う悪魔は、何十年も前から彼らに個人的な恨みを持っているのではないでしょうか? 復讐心に燃え、血に飢え、死をもたらす」と語り、シリーズ最終章への強い想いをにじませた。

加えて『死霊館 最後の儀式』からウォーレン夫妻をとらえた場面写真も解禁。公開された写真には、緊迫感漂う車内での様子や、2人がこれまでに関わってきた事件について講義するシーンが収められている。


これまで科学や宗教の枠を超えて数多の悪霊や悪魔と対峙してきたウォーレン夫妻が、いよいよ最恐にして最後の敵と向き合うことになる本作。これが“最後の事件”となった理由と2人の有終の美を、ぜひスクリーンで見届けてほしい。

文/スズキヒロシ

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