第38回東京国際映画祭「黒澤明賞」は、『国宝』李相日監督と『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督に決定!

第38回東京国際映画祭「黒澤明賞」は、『国宝』李相日監督と『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督に決定!

<コメント>

●李相日監督
「敬愛する山田洋次監督はじめ、審査委員の皆さま、ならびに東京国際映画祭に感謝申しあげます。なにより、スタッフ・キャストの献身なしにこのような賞に浴すことは叶いませんでした。そして、これまでの作品に関わってくださった皆さまに深く感謝いたします。

御多分に洩れず、私のなかでも黒澤明という名は永久に超えられない壁として君臨しています。映画をめぐる環境がいかに変わろうとも、人間の本質に迫るその力強さは色褪せることなく、映画が社会や個々の人生に多大な影響を及ぼすことを示しています。その名を冠した賞を背負う意味を、この先も自らに問いつづけたいと思います。このたびは誠にありがとうございます」

●クロエ・ジャオ監督
「本賞を受賞することとなり、光栄に存じます。黒澤明の作品には、自然のもっとも広大なスケールと、人間の心理のもっとも深い真実が共存しています。この系譜に連なることは、本当に謙虚な思いを抱かせられます。

物語の語り手は、文化、国境、過去と未来、光と闇、喜びと苦痛、愛と死を結びつける架け橋です。私たちは経験を錬金術のように変容させ、それらに意味を与え、カタルシスを得ることを願っています。東京国際映画祭、選考委員会、そして観客の皆様に、私たちを支えてくださり、私たちの目的を思い起こさせてくださったことに、心から感謝申しあげます」

●選考委員による受賞理由
「李相日監督は、しばしば社会の矛盾や人間の罪の問題を扱った重厚なテーマを描きつつ、それを多くの観客の共感を呼ぶヒューマニズムあふれる人間ドラマとして昇華させてきました。最新作『国宝』はカンヌ監督週間をはじめとする多くの国際映画祭で上映されるとともに、日本国内でも幅広い観客層に支持され、商業的な成功をおさめました。今後の日本映画、そして世界の映画を牽引することを期待し、李相日監督に黒澤明賞を授与します。

クロエ・ジャオ監督は、通常のハリウッド映画とは一線を画した詩的かつリアリスティックな作品を発表してきました。特に『ノマドランド』はヴェネチア映画祭金獅子賞、アカデミー賞®作品賞を受賞するなど世界的に高い評価を受け、その成功はアジア系女性監督たちに大きな勇気を与えました。その功績と今後の世界映画へのさらなる貢献を期待し、クロエ・ジャオ監督に黒澤明賞を授与します」


文/久保田 和馬

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