最新作「エイリアン:アース」の主人公からアッシュまで!「エイリアン」の歴代アンドロイドをおさらい

最新作「エイリアン:アース」の主人公からアッシュまで!「エイリアン」の歴代アンドロイドをおさらい

巨匠リドリー・スコットが生み出した、恐怖の原点にして、頂点ともいえる『エイリアン』(79)。そこから始まった同シリーズでは、宇宙船や惑星を舞台に、人類と宇宙最恐の生命体“エイリアン”との壮絶な戦いが描かれてきた。その生みの親であるスコットが製作総指揮を務める、シリーズ初のドラマシリーズ「エイリアン:アース」が、ディズニープラス「スター」にて独占配信中だ。本稿では、「エイリアン」で活躍してきた歴代アンドロイドを振り返りつつ、シリーズ初の“アンドロイドの主人公”、ウェンディを紹介する。

「エイリアン:アース」の主人公は、ハイブリッドのウェンディ
「エイリアン:アース」の主人公は、ハイブリッドのウェンディ[c] 2025 Disney and its related entities

映画批評家サイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア94%フレッシュの高スコア(8月14日時点)を叩き出し、『エイリアン2』(86)に並ぶシリーズ最高評価を記録した本作。「観る者の心をざわつかせる演出と、息をもつかせぬスリリングな展開で、心に強烈な印象を残す」「シリーズならではの恐怖を見事にドラマで再現し、単なるスリルや驚きだけでなく、ドラマだからこそ味わえる深みや新たな魅力も観る者に提供してくれる」など、批評家から絶賛の声があがっているが、すでに1&2話を鑑賞した日本のファンたちも、SNS上に称賛の声を続々寄せている。

【写真を見る】その正体が明らかになった時、観客たちを驚かせたシリーズ1作目『エイリアン』のアッシュ(左)
【写真を見る】その正体が明らかになった時、観客たちを驚かせたシリーズ1作目『エイリアン』のアッシュ(左)『エイリアン』 ディズニープラス スター で配信中 [c]2025 20th Century Studios

1979年にシリーズ1作目の『エイリアン』が誕生して以来、同シリーズにおいて欠かせない存在となっていたのが“人間ではない”キャラクターの存在だ。例えば『エイリアン』では、ウェイランド・ユタニ社が密かに送り込んだアンドロイド「アッシュ」(イアン・ホルム)。主人公リプリー(シガニー・ウィーバー)たちが搭乗しているノストロモ号の科学主任であった彼は、当初、乗組員にはアンドロイドであることを隠していた。表向きは物静かで知的な人間に見えて、実は“エイリアン回収”を最優先する冷徹なプログラムが組みこまれていた彼は、クルーがエイリアンに寄生されてしまった時でも、身の安全を守るため隔離しようと動くリプリーたちとは正反対に、独断でエイリアンを船内に招き入れてしまう。人間の感情を持たない彼の存在がいたことで、リプリーたちのエイリアンとの戦いはさらに熾烈なものと化した。

一方、『エイリアン2』(86)、『エイリアン3』(92)に登場した「ビショップ」(ランス・ヘンリクセン)は、アッシュとは対照的に、シリーズ屈指の“善良なアンドロイド”として知られ、人間的な優しさや自己犠牲心をも持ち合わせたキャラクター。アンドロイドながら、身の危険を冒してでもリプリーらを守ろうとする彼との絆の物語も描かれた。

『エイリアン:ロムルス』で主人公レインの弟的存在だったアンディ
『エイリアン:ロムルス』で主人公レインの弟的存在だったアンディ『エイリアン:ロムルス』ディズニープラスで スター 配信中 [c]2025 20th Century Studios

さらに、昨年公開の映画『エイリアン:ロムルス』で登場した「アンディ」(デヴィッド・ジョンソン)もアンドロイド。主人公レイン(ケイリー・スピーニー)の弟的存在であった彼は、旧型のためほかのアンドロイドより劣る部分もあり、エイリアンを前に絶体絶命の大ピンチに。本物の弟のように大切な彼を守ろうとするレインのドラマに心動かされたファンたちも多かった。すなわちシリーズを通じて、“人間とアンドロイドの関係性”も大きなテーマの1つとなっているのだ。

「エイリアン:アース」はディズニープラスのスターで独占配信中
「エイリアン:アース」はディズニープラスのスターで独占配信中[c] 2025 Disney and its related entities

そしてこの度配信された最新作「エイリアン:アース」でも、それに続く注目のキャラクターが登場する。それが、主人公のウェンディだ。舞台となるのはシリーズ1作目『エイリアン』の2年前である2120年の地球。世界はプロディジー、ウェイランド・ユタニなど5つの大企業によって統治されていた。そんななか、ウェイランド・ユタニ社の宇宙船が地球に墜落。宇宙船の中に格納されていたモノを回収する任務を任され、墜落した宇宙船へ向かうこととなる。このウェンディもまた、“人間ではない”キャラクターだ。プロディジー社の天才創業者兼若きCEOカヴァリエ(サミュエル・ブレンキン)が生み出した、人間の意思を移植されたシンセ(人工知能を持つ人間型ロボット)で、世界初の“ハイブリッド”である。

人間の意思を移植されたシンセ、“ハイブリッド”として生まれ変わった5人の子どもたち(「エイリアン:アース」)
人間の意思を移植されたシンセ、“ハイブリッド”として生まれ変わった5人の子どもたち(「エイリアン:アース」)[c] 2025 Disney and its related entities

幼いころに家族と別れ、ハイブリッドという最強の体を手に入れることとなった彼女だが、見た目は大人でも、中身はまだ若干12歳の子ども。純粋無垢で、どこか危うささえ感じるような存在だ。そんな彼女が、かつて離れ離れになってしまった兄と宇宙船で再会を果たし、共にエイリアンの脅威に立ち向かっていくことに。

アッシュを彷彿させるモロー(「エイリアン:アース」)
アッシュを彷彿させるモロー(「エイリアン:アース」)[c] 2025 Disney and its related entities

彼女のほかにも、肉体の一部が機械であるサイボーグであり、墜落した宇宙船の乗組員のモロー(バボー・シーセイ)やシンセであるカーシュ(ティモシー・オリファント)など、“人間ではない”キャラクターたちが物語のキーマンとして躍動する。ウェイランド・ユタニに仕えるモローは、エイリアンを奪還するため手段を選ばない冷徹さを見せ、その姿は『エイリアン』のアッシュを彷彿する。カーシュは、ハイブリッドとなったウェンディをはじめとする6人の子どもたちの指導役だが、アンドロイドらしい冷静沈着さと得体の知れない不気味さを併せ持つ。果たして、彼らはこれから本作にどのようなカオスをもたらすのだろう。

もともと人間だったはずのウェンディがハイブリットになるまでに、一体どんな過去があったのか?果たして彼女は、宇宙最恐の生命体エイリアンを封じ込めることはできるのか。「エイリアン」シリーズで初めて、人間ではなくアンドロイドのキャラクターが主人公となる本作。未だかつてない恐怖と絶望のサバイバル・スリラーをぜひ体感していただきたい。


文/山崎伸子

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