『ワン・バトル・アフター・アナザー』で変態軍人を怪演!オスカー2度受賞俳優ショーン・ペンの軌跡をプレイバック
レオナルド・ディカプリオが主演を務め、ポール・トーマス・アンダーソンにとって10作目の監督作となる映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』(10月3日公開)。本作に出演するショーン・ペンが本日8月17日に65歳の誕生日を迎えた。
かつては世を騒がせた冴えない革命家のボブ(ディカプリオ)は、とある理由から大切なひとり娘の命を狙われ、次から次へと迫る刺客たちとの戦いに身を投じていく。変態軍人ロックジョー(ペン)が異常な執着で娘を狙う本当の目的とは?空手道場のセンセイ(ベニチオ・デル・トロ)はボブの味方なのか?地の果てまで追いかけられる、ボブと娘の運命は?逃げる側と追いかける側のそれぞれが三者三様に入り乱れる壮大なチェイス・バトルが展開する。
キャストにはディカプリオ、ペン、デル・トロの3大オスカー俳優に加えて、ボブの革命家仲間役にレジーナ・ホール、ボブの妻で最強のカリスマ革命家役にテヤナ・テイラーが顔を揃えるほか、ある理由で命を狙われる愛娘役に若手俳優チェイス・インフィニティを抜擢している。
ボブを地の果てまでも追い詰める変態軍人を怪演するペンは、1960年にカリフォルニアで生を受けた。『タップス』(81)で俳優として映画デビューを果たすと『初体験 リッジモント・ハイ』(82)で初主演を飾った。その後、ロバート・デ・ニーロとの共演作『俺たちは天使じゃない』(89)、アル・パチーノ主演の『カリートの道』(93)と着実にキャリアを重ね、ティム・ロビンスの『デッドマン・ウォーキング』(95)では、死刑囚となった殺人鬼を熱演しアカデミー賞主演男優賞に初ノミネート。同作で1996年のベルリン国際映画祭男優賞を受賞した後、『シー・ソー・ラブリー』(97)でカンヌ国際映画祭男優賞、さらに『キャスティング・ディレクター』(98)でベネチア国際映画祭男優賞受賞と、3年連続で世界3大映画祭男優賞を制覇した。その後もテレンス・マリックの『シン・レッド・ライン』(98)、『アイ・アム・サム』(01)でアカデミー賞候補となっている。
2003年にクリント・イーストウッドの『ミスティック・リバー』(03)で娘を殺され復讐に囚われた父を演じてアカデミー賞主演男優賞を初受賞、2008年にはガス・ヴァン・サントの『ミルク』(08)でゲイを公表して公職に就いた権利活動家ハーベイ・ミルクを演じ2度目のアカデミー賞主演男優賞に輝いている。また『インディアン・ランナー』(91)で映画監督としてもデビュー。その後も『イントゥ・ザ・ワイルド』(07)で監督を務めている。
輝かしいキャリアを誇りながら決して守りに入らない活躍ぶりで映画ファンを喜ばせているペン。ハリウッドを牽引する名優のトガった怪演をスクリーンで堪能して!
文/スズキヒロシ