【ネタバレあり】早くもゼノモーフが牙を剥く…シリーズのお約束も満載な「エイリアン:アース」第1・2話をレビュー
兄を発見することはできるのか!?緊張感高まる第2話
第2話はハーミットら兵士たちによる船内捜索のエピソードで幕を開ける。船内に転がる、むごたらしいクルーの死体の数々。その描写はスリルを高めるだけでなく、我々観ている側にもミステリーを提示する。というのも、「エイリアン」シリーズでおなじみの、胸を食いちぎられたり、襲われたりなどのクルーの描写とは異なるタイプの死体が転がっているから。おそらくはゼノモーフ以外の異星生物の仕業。そしてハーミットは、早くもゼノモーフに遭遇し、危機に直面してしまう。
一方、事故現場に到着したウェンディはさっそく捜索を始める。彼女の行動を追うことはもちろん、ハーミットやほかの兵士たちによる捜索の描写は緊迫感十分だ。同時に、船内や、その衝突によって崩壊寸前のビル内の状況を伝える役割を果たしている。これは第2話の肝でもある。暗いシーンが多いのも特徴的。もちろん、その過程のなかで、得体の知れない異星生物の存在も描かれていく。
紆余曲折を経て、ウェンディはハーミットをついに発見。ハーミットは亡くなったと思っていた妹の出現に最初はとまどうものの、事実を受け入れて感動の再会と相成った。しかし、感慨に浸っている場合ではない。ゼノモーフはすぐそこまで迫っているし、エイリアンの卵もうごめいている。なにより、ここは危険がいっぱいの凄惨な事故現場なのだ。ウェンディとハーミットの危機を描いてクリフハングしつつ、第2話は幕を閉じる。次が早く観たい!
今後の展開に期待が高まる要素が盛りだくさん!
ざっくりと大筋を追ったが、これだけでも「アース」のスリルは伝わったと思う。ほかにも気になるエピソードはいくつかあり、例えば大企業間のせめぎ合いが事故の背後では繰り広げられている。ウェイランド・ユタニ社はマジノ号内の標本を回収したいが、プロディジー社はこれを拒否。若いCEOカヴァリエ(サミュエル・ブレンキン)は未知なるこの標本に大いに興味を示しているようだ。また、マジノ号の生き残りである黒人男性モロー(バボー・シーセイ)――実はサイボーグ――の不審な動きも見逃せない。「エイリアン』シリーズに登場するサイボーグは、つねにミッションを優先するが、彼もまたウェイランド・ユタニ社の意向に沿い、標本回収のために動き回っている。それによって、人間が危険なに目に合うのも「エイリアン」のお約束だ。
とにもかくにも『ロムルス』と同様、リドリー・スコットが生んだ1作目の『エイリアン』に敬意を払っていることが、よくわかる「エイリアン:アース」。ショーランナーを務めたノア・ホーリーは、「FARGO/ファーゴ」シリーズ等で称賛されたクリエイターだが、本作でもち密にドラマを組み立てており、今後の展開にも大いに期待ができる。緊張感に満ちた物語がどう転がっていくのか?固唾をのんで見守るしかない!
文/相馬学