鈴鹿央士&山田杏奈が新時代の“人魚姫”の物語『ChaO』に自信たっぷり!「いろいろな国の人たちに伝わるって、すごく夢がある話」
これまでに数多くの話題作を生み出してきたSTUDIO4℃が、「世界に発信できる、まったく新しいオリジナルアニメーション作品を」というコンセプトのもと、企画から9年の歳月をかけて創り上げた最新作『ChaO』(8月15日公開)。本作は6月にフランスで開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭2025で見事、長編コンペティション部門の審査員賞を受賞した。この審査員賞の日本作品の受賞は、実に8年ぶりの快挙となった。
童話「人魚姫」をモチーフにした本作は、人間と人魚が共存する未来都市を舞台に、造船会社で働く平凡なサラリーマン、ステファンと、人魚の王国のお姫様チャオのミラクルな恋を描くラブストーリー。観る者が応援せずにはいられない主人公たち、ステファンとチャオの声を担当したのは、鈴鹿央士と山田杏奈だ。様々なテーマを内包した物語に共鳴し、みずみずしい演技でキャラクターに息を吹き込んだ2人が、本作への想いを語ってくれた。
「愛情があれば、こんなハッピーエンドになるんだ!というのをしっかり見せてもらった」(山田)
――本年度のアヌシー国際アニメーション映画祭での長編コンペティション部門・審査員賞受賞、おめでとうございます!
鈴鹿・山田「パチパチパチパチ…!(笑顔で拍手)」
――受賞の一報を聞いた時のお気持ちはいかがでしたか?
鈴鹿「いやぁ、すごい!と思いました」
山田「長編コンペティション部門にノミネートされているというお話は聞いていて、この作品が海外の人たちにどう評価されるんだろうと思っていたので。私も実際に受賞を知った時は、あぁ、すごいなぁ!って」
鈴鹿「日本で公開される前に、まず海外の映画祭に出品して評価してもらうのは、制作チームのみなさんにとって緊張することだと思うんです。僕もどうなるんだろうな、なにか賞を獲れたらうれしいなぁと思っていたら、審査員賞をいただけて。海外の方々も観て、おもしろい!と思ってくださったことがすごくうれしかったです。あと映画祭で上映した時は吹替えじゃなくて、僕らの声のまま字幕をつけていたらしくて…」
山田「そこで自分たちの声を聴いてもらえたのもうれしかったですね」
鈴鹿「受賞後に登壇した青木康浩監督が、チャオのぬいぐるみを指さして『チャオです。この風船のような体でこのまま世界をふわふわと飛んでいってもらえばいいなと思っています。ありがとう!』というコメントも素敵すぎた!」
山田「うん」
――本作のアニメーション制作はSTUDIO4℃です。STUDIO4℃がこれまでに手掛けた作品で好きなものはありますか?
山田「『映画 えんとつ町のプペル』ですね」
鈴鹿「僕も『プペル』観ました。『海獣の子供』もSTUDIO4℃ですよね。僕はアニメにすごく詳しいわけじゃないけど、STUDIO4℃作品は、とてもオリジナリティがある画というイメージ。今回の『ChaO』もまさしく独創的な世界観でした」
――ステファン役のキャスティングでは、彼の「情けなさ」と「成長性」の両面を表現できる声として鈴鹿さん、チャオ役のキャスティングは、青木監督が2か月間悩み抜いて、大勢の候補の中から山田さんを抜擢したそうです。本作のオファーがあった時のお気持ちは?
鈴鹿「不安、緊張、うれしさ…です(笑)」
山田「私もお話をいただいた時は、私で大丈夫なのかなと、すごく不安だったんです。でもたくさんの候補者の中から選んでいただけたというのは、素直にうれしかったですね」
――本作のどんなところに魅力を感じましたか?
山田「物語の軸は“人間と人魚の恋”なんですけど、そのほかにも本当にいろんな人たちがいて。大変なこともたくさん起こりますが、ベースに愛情があれば、こんなハッピーエンドになるんだ!というのをしっかり見せてもらった気がして。そこがすごく好きでした」
鈴鹿「ステファンって、なんかこう、どこにでもいそうな普通のキャラなんですよね。人間の青年と人魚の王国のお姫様とのラブストーリーというと、これまでなら、ステファンはもっとイケメンな感じで描かれてきたと思うんですけど…」
山田「ふふっ」
鈴鹿「だから、本作のステファンとチャオの組み合わせは、すごく新鮮でした。人間の世界と人魚の世界がどう共存していくか、という設定もおもしろい要素のひとつだし、独創性のある画や上海をモチーフにした街並みの美術も楽しいし。観ている間に、映画の世界にどんどん引き込まれていく感じがいいなと思いました」