組体操の“異様”さに世界が注目!?下津優太監督最新作『NEW GROUP』がファンタジア国際映画祭審査員特別賞を受賞

組体操の“異様”さに世界が注目!?下津優太監督最新作『NEW GROUP』がファンタジア国際映画祭審査員特別賞を受賞

2024年に『みなに幸あれ』で商業映画監督デビューを果たした下津優太監督による劇場公開二作目『NEW GROUP』(2026年公開)。本作が第29回ファンタジア国際映画祭において審査員特別賞を受賞した。

【写真を見る】組体操という「集団行動」における人間の行動心理の根底を炙りだす
【写真を見る】組体操という「集団行動」における人間の行動心理の根底を炙りだす[c]2025「NEW GROUP」製作委員会

『みなに幸あれ』で「幸せは、人の不幸の上に成り立っている」というテーマを描いた下津監督。本作では、組体操という「集団行動」における人間の行動心理の根底を、コミカルにそしてシリアスに炙り出す。『ゴールデンカムイ』(24)、『正体』(24)、『ChaO』(8月15日公開)、『恋に至る病』(10月24日公開)など数々の話題作に出演する山田杏奈が主演を務め、家族に問題を抱える引っ込み思案な普通の高校生、愛を演じる。

そしてこのたび、2025年7月17日からカナダのモントリオールで開催されている第29回ファンタジア国際映画祭の「北米プレミア コンペティション(Cheval Noir Competition)」に本作が出品され、審査員特別賞を受賞する快挙を果たした。上映会場は超満員で、本編上映中には随所で大きな笑いが起こり、音がかき消されるほどの歓喜に沸いたという。上映後にはティーチインが行われ、本作のテーマである「集団行動」の行動心理に踏み込む鋭い質問も相次ぎ、観客からの「主要の登場人物が海外から転校してくるのはなぜか」の質問に対し、下津監督が「社会学の統計によると、欧米圏では集団の中で自分という個が優れていることを表現することに幸せを感じ、アジア圏では集団の輪を保つことに幸せを感じる傾向がある。どちらがいい悪いということではないが、アジア圏での集団の輪を保つことは、時に行きすぎると同調圧力となり思考停止を生む。さらに集団に属すことで安心を感じ同時に思考停止に陥る。回りに流されるのではなく、自ら考えて行動した集団が輪を保つことで良い集団、NEW GROUPへつながるのではないか」と答える場面もあった。このほか観客からは、「すばらしかった。ものすごく共感した。現実世界のことのように理解できる」など賞賛を集め、審査員特別賞を受賞するに至った。

ほかにも海外映画祭への出品が続々決定しており、韓国のプチョン国際映画祭では「ワールドプレミア コンペティション」、スイスのヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭では「ヨーロッパプレミア コンペティション」で上映され、今秋にスペインで開催されるシッチェス映画祭の「スペインプレミア コンペティション」での上映も予定されている。


多様性が強調されるいまの時代に、集団に埋没することの意味とはなにかを問うSFサイコエンタテインメント『NEW GROUP』。続報に期待してほしい。

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