『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ペドロ・パスカル&ヴァネッサ・カービー演じる最強夫婦の魅力とは?
「アベンジャーズ」シリーズなどのマーベル・スタジオが放つ『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が、ついに7月25日(金)より日米同時公開。本作で特に注目すべきは、“ファンタスティック4”というチームのなかでも中心的な存在ともいえる夫婦、ペドロ・パスカル演じるリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック、そしてヴァネッサ・カービー演じるスー・ストーム/インビジブル・ウーマンだ。彼らは夫婦として、そしてヒーローチームのメンバーとしてどのように描かれているのか?パスカルとカービーという、名実ともに実力派俳優としても名を連ねる2人だからこそ作り上げられた、最強夫婦の魅力に迫る。
本作は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズやほかのマーベル作品の予備知識ゼロで、1から楽しめるドラマチック・アクション超大作。異なる力と個性を持ち、揺るぎない家族の絆で結ばれた唯一無二のヒーローチーム“ファンタスティック4”が、1人の人間としても葛藤しながら、地球滅亡の危機に挑んでいく。劇場公開まで1週間をきったが、米映画チケット販売大手Fandangoでは前売り券の初日売上が2025年の新記録を達成し、全米でも特大のヒットが期待されている。
天才科学者のリードは、ゴムのように自在に伸縮する身体を駆使し、常に冷静な判断でチームを導くリーダーだ。だが、すでに解禁されている映像では、世界を救うための解決策に悩み、苦悩する様子がうかがえるなど、人間味あふれる人物像となっている。世界を守るヒーローチームのリーダーで“頭脳”であると同時に、慎重で論理的に物事を考えすぎてしまう内面は、多くの人が感情移入できるような、親近感のあるキャラクターとなりそうだ。
この難役にパスカルを起用した理由について、マット・シャクマン監督は「私たちは、ドクター・ストレンジやトニー・スタークのような知性を持つ人物が必要だと思っていました。それも、同時に様々な感情も持った人物をと」と当時を振り返り、「ペドロは人間味にあふれ、行動に知性を感じる素晴らしい俳優です。重厚感があり、人類が危機に直面した際に頼れる存在です」と、パスカルの魅力をべた褒め。続けて、「彼は傲慢でも派手でもなく、地に足の着いた『父親のようなエネルギー』を持っており、人々とつながりやすい。ペドロはこの役で素晴らしい演技を見せています」と、彼とリードというキャラクターの相性のよさを絶賛した。
演じたパスカル自身は、「リードの伸縮能力には“自分自身を過度に伸ばしすぎたり無理をしすぎたりする”というメタファーが込められています」と分析するなど、キャラクターの内面への理解と役作りへの情熱が伝わってくる。パスカルならではの温かさと芯の強さ、そして知性と包容力が多くの人が共感を呼び、応援したくなるようなミスター・ファンタスティック像に期待がかかる。
一方、スー・ストームは、自身の身体を透明化させて、目に見えないエネルギーを操り、フォース・フィールドを形成する超能力を持つ人物。既出の映像では、スーがリードに寄り添い、彼を励ますような場面がいくつも見られるなど、リードにとってかけがえのない人物であることがわかる。スーはリードへの愛情はもちろん、家族である“ファンタスティック4”にとっても、チームの精神的支柱のような重要な存在となりそうだ。
そんなスー役にカービーが選ばれた理由について、シャクマン監督は「ヴァネッサは、スーの力と人間性を素晴らしく表現できます」と語る。「彼女は、強靭だけど、それと同時にエモーショナル・リーダー(感情の理解と共感を重視するリーダー像)でもあります。あらゆる状況に対応できる点でも本当に素晴らしい。そして、彼女はなんと言っても、直感で行動するタイプでした」と、カービーの人柄を称賛しつつも、リードとは打って変わって直感的な人となりにも惹かれたようだ。
また、カービー自身もスーのキャラクターが「女性として壁を破ることより、人類の進歩とポジティブな変化を推進するリーダーとして描かれること」に共感したと語る。カービーの強さと共感力、そして直感的な素養によって、新たに誕生したインビジブル・ウーマンの姿は必見だ。
慎重派のリードと直感派のスー。本作では、そんな互いに補い合うような間柄の夫婦像が魅力だが、2人の間に新しい生命が誕生することも忘れてはいけない。リードとスーがそれぞれに父や母として奮闘する様子もどのように描かれるのか、ぜひ本編を楽しみにしてほしい。
そして“ファンタスティック4”が守る地球にやってくる宇宙神“ギャラクタス”から、愛する息子を引き渡すよう要求される、という最大級の試練にも直面。子を差し出せば地球を守ることができる、しかし大切な家族を犠牲にするわけにはいかない。地球の人々を守るいちヒーローであるだけでなく、家族を愛する1人の人間として葛藤するリードとスーたち。彼らはこのあと、宇宙からやってくる規格外の敵を相手にどう立ち向かっていくのか?来年冬公開の「アベンジャーズ」新章の鍵を握るともされる『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』。揺るぎない絆を持つ彼らの壮大な戦いを描くドラマチック・アクション超大作を、ぜひ大スクリーンで観ていただきたい。
文/山崎伸子