最新作はA24製作の不条理ドラマ『顔を捨てた男』!『アプレンティス』に『サンダーボルツ*』など出演作が続けて公開のセバスチャン・スタンのこれまで

最新作はA24製作の不条理ドラマ『顔を捨てた男』!『アプレンティス』に『サンダーボルツ*』など出演作が続けて公開のセバスチャン・スタンのこれまで

ベルリン国際映画祭、ゴールデン・グローブ賞でも演技が高く評価された『顔を捨てた男』

そしてもう1つが、A24製作による不条理なヒューマンドラマ『顔を捨てた男』だ。顔に極端な変形を持つ俳優志望の男エドワード(スタン)は、画期的な治療によって新しい顔を手に入れる。最愛の女性が演出する舞台劇の主演の座を手に入れ、希望に満ちた新しい人生を歩もうとしていたが、かつての自分に似た男オズワルド(アダム・ピアソン)と出会ったことで状況は一変。エドワードにとって、すべてが悪い方向に進んでしまう。

俳優志望のエドワードは容姿にコンプレックスを抱き、孤独に生きてきた(『顔を捨てた男』)
俳優志望のエドワードは容姿にコンプレックスを抱き、孤独に生きてきた(『顔を捨てた男』)[c] 2023 FACES OFF RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

脚本に惚れ込んだスタンは、エドワード役を演じるのみならず、製作総指揮も買って出た。特殊メイクで整形前の主人公にもなりきり、彼が抱える孤独を体現しながら、新しい顔を手に入れてからの性格的な変化をも演じ切った。第74回ベルリン国際映画祭や第82回ゴールデン・グローブ賞では見事に主演男優賞を受賞した(ゴールデン・グローブ賞はミュージカル/コメディ部門)。彼が表現したブラックユーモアと緊張感は、観客の心にも刺さるに違いない。

かつての⾃分の顔に似たカリスマ性のある男オズワルドが目の前に現れる(『顔を捨てた男』)
かつての⾃分の顔に似たカリスマ性のある男オズワルドが目の前に現れる(『顔を捨てた男』)[c] 2023 FACES OFF RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

今後も注目作がまだまだ続く

今後のスタンの出演作をチェックすると、『4ヶ月、3週と2日』(07)で第60回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞したルーマニアの鬼才クリスティアン・ムンジウによる初の英語作品『Fjord(原題)』がすでに撮影を終えているようだ。さらに、MCUの期待作『アベンジャーズ :ドゥームズデイ(原題)』も控えている。

今後はパルムドールを受賞したルーマニアの鬼才監督の最新作『Fjord』、『アベンジャーズ :ドゥームズデイ(原題)』が控えている
今後はパルムドールを受賞したルーマニアの鬼才監督の最新作『Fjord』、『アベンジャーズ :ドゥームズデイ(原題)』が控えている[c]Everett Collection/AFLO


この先も、演技派として、またハリウッドスターとして、ますます快調が続きそうなセバスチャン・スタン。まずは『顔を捨てた男』をチェックして今後の動向を追ってみてほしい。

文/相馬学

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