『ババンババンバンバンパイア』 吉沢亮×板垣李光人にインタビュー。コメディの難しさから、お風呂のこだわりまで紹介!

インタビュー

『ババンババンバンバンパイア』 吉沢亮×板垣李光人にインタビュー。コメディの難しさから、お風呂のこだわりまで紹介!

奥嶋ひろまさによる人気コミック『ババンババンバンバンパイア』の実写映画が公開中だ。戦国の世から生き続ける450歳のバンパイア・森蘭丸。とある理由により行き倒れていた蘭丸を救ったのは、幼き日の李仁だった。以来、李仁の実家である銭湯で住み込みバイトとして働き、楽しい日々を送っていた蘭丸だが、それにはある目的があった…。

 「18歳童貞の血」を愛する吸血鬼の森蘭丸と高校生の李仁
「18歳童貞の血」を愛する吸血鬼の森蘭丸と高校生の李仁[c]2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 [c]奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

蘭丸がこよなく愛するのが「18歳童貞の血」。18歳になった李仁の血を味わうべく、彼の成長と純潔を守り続けていたのだった。ところが、高校生になった李仁がクラスメイトの葵に一目惚れしてしまったことから事態は急変。前代未聞、バンパイアによる童貞喪失阻止作戦が始まる。美しきバンパイア・森蘭丸を演じるのは、吉沢亮。ピュアな15歳の高校生・李仁を演じるのは、板垣李光人。NHK大河ドラマ「青天を衝け」以来の共演となる2人に、本作の舞台裏を語ってもらった。

「吉沢さんの第一印象は、テレビで見てたまんまの造形!」(板垣)

 【写真を見る】吉沢亮×板垣李光人にインタビュー。もしバンパイアになったらやりたいことは?
【写真を見る】吉沢亮×板垣李光人にインタビュー。もしバンパイアになったらやりたいことは?撮影/Jumpei Yamada

――吉沢さんは本作のどんなところに魅力を感じて出演を決められたのでしょうか。

吉沢「以前『一度死んでみた』でご一緒した浜崎(慎治)監督とまたできるというのが一番大きかったです。脚本もおもしろくて。バカしか出てこないんですよ(笑)。敵も味方も愛すべきキャラクターばかり。『一度死んでみた』もそういう作品で、僕はそれが好きだったので、今回も楽しそうだなと思ってやらせていただきました」

――板垣さん演じる李仁は、原作の奥嶋ひろまさ先生がもともと板垣さんをイメージして描いたキャラクターだそうですね。

板垣「自分をイメージして描いてくださるだけでもうれしいのに、それを実写化で自分が演じさせていただけるなんて、もう後にも先にもないんじゃないかという話ですよね。すごく光栄でした」

――李仁はとてもピュアなキャラクターですが、そのあたりも板垣さんに通じるところがありましたか。

板垣「どうなんだろうなあ。小5くらいからこのお仕事をさせていただいていまして。大人と関わることが多かったので、なかなかピュアとはいかず(笑)。学校に行って、勉強して、友達と遊んで、という無垢な生活をしている李仁と比べると、15歳のころの僕はもっと俯瞰して見ている癖がついていたかもしれないです」

 李仁の純潔を守るため、蘭丸はあらゆる手を尽くす
李仁の純潔を守るため、蘭丸はあらゆる手を尽くす[c]2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 [c]奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

――お2人の共演は「青天を衝け」以来ですね。

吉沢「初めて大河で一緒になった時から、なかなか役者さんで見ないタイプというか、唯一無二感のある人だなという印象はありました。すごく綺麗だし」

板垣「ありがとうございます。僕は初めてお会いした時、思わず顔を見ちゃいましたね(笑)。『テレビで見てたまんまの造形だ!』と」

吉沢「(笑)」

板垣「彫刻家が丹精込めて彫った芸術品みたいな造形をされているなというのが最初の印象だったんですけど、そこから一緒に芝居をさせていただいて、目がすごく強いなと。相対していても感じましたし、画面越しに芝居を拝見していても、吉沢さんの目が印象的で、素敵だなと思いました」

吉沢「大河の時は僕自身も忙しくて、あまり話している余裕がなかったんですよね。それを考えると今回はゆっくりしゃべる時間もあったので、自然と打ち解けたというか。いまでは一緒にゲームをやるくらい仲良くなりました」

――なんでもクランクインの前に食事に行って距離を縮めたそうで。

吉沢「共通の知り合いがいて、僕がインする少し前にその知り合いから『いま、李光人と一緒にいるけどどう?』って連絡が来たんです。それで一緒にご飯を食べながらいろいろ話をしてね」

板垣「あの時が本当に『青天〜』ぶりでしたよね。森さんと李仁の関係性を考えると、インの前にお会いしたかったなというのがあったので、話ができてよかったです」

蘭丸は李仁の家の銭湯に住み込みで働いている
蘭丸は李仁の家の銭湯に住み込みで働いている[c]2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 [c]奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

――一緒にお芝居をしてみての感想もお聞かせください。

吉沢「今回の李仁という役ってすごく漫画的なので、実際に演じるとなると難しいだろうなと思ったんです。だから李光人がどう演じるのか想像がつかなかったんですけど、いざ現場で見たらすごく李仁だったので、李光人すげえなと」

板垣「僕からすると、吉沢さんの森さんは台本を読んだ時に想像していたものより5倍くらいテンションが高かったです(笑)」

吉沢「確かにそうかもね」

板垣「まずあのビジュアルがあるじゃないですか。森さんの衣装を着た吉沢さんにお会いした時に、『森さんだ!』という感動がありました。コメディのところでも、それ以外のところでも、常に森さんとしての説得力を感じていたので、李仁として吉沢さんの森さんに支えられた部分は大きかったです」

「今回はいろいろと要素が多すぎて大変でした(笑)」(吉沢)

 『一度死んでみた』浜崎慎治監督と再タッグを組んだ吉沢亮
『一度死んでみた』浜崎慎治監督と再タッグを組んだ吉沢亮撮影/Jumpei Yamada

――本作ならではのチャレンジングだった部分はありますか。

吉沢「今回は歌も歌ってますからね。もういろいろと要素が多すぎて(笑)。なかなか愉快だなと思いながら、それをちゃんと映画としてのクオリティまで高めてお届けするというのは、わりと大変でした」

板垣「僕は15歳の役だったので、まずそこがチャレンジングでした(笑)」

吉沢「(笑)」

板垣「入るまで大丈夫かなと心配だったんですけど、現場では『ワンチャン小学生でもいけるよね』と言われました(笑)」

吉沢「原(菜乃華)さんと李光人の並びが若すぎて。中学生って言われても全然いけると思ったし、李光人なら確かに小学生でも大丈夫(笑)」

板垣「短パン小僧でした(笑)」

吉沢「あとはズキュンポーズをどうするかは監督と結構話し合いました。原作のズキュンをそのまま表現するわけにはいかないじゃないですか(笑)。だから、監督とどうしたらズキュンになるのかは結構やりとりしました」

板垣「ズキュンの程度について、監督と綿密に話されていた記憶があります。ズキュンの度合いみたいなところを」

吉沢「1回やってみて、いまどのくらいだったとか」

板垣「そうですそうです、監督と細かく打ち合わせをされていて。あと、チャレンジングというわけではないんですけど、ちょっとこだわったという意味では、今回劇中で何回言ったかわからないくらい『森さん』と言うんです。あの『森さん』は(『ドラえもん』の)のび太が『ドラえも〜ん』って呼ぶ感じをイメージしてやっていました」


 蘭丸は李仁の恋を阻止するため葵に近付くが…
蘭丸は李仁の恋を阻止するため葵に近付くが…[c]2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 [c]奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

――こうしたコミカルな役柄とシリアスな役柄、どちらのほうがやりやすいというのはありますか。

吉沢「やってて好きなのはコメディですけど、やりやすいのはシリアスです。シリアスな役のほうがやる機会も多いので、ある種の引き出しが増えるんですよね。コメディはそれぞれセンスがあるじゃないですか。僕のこだわりと監督のこだわりがあって、現場ですり合わせをする時に意見が分かれることが、コメディのほうが多いんです。もちろん最終的には監督のイメージされるものをやるんですけど、コメディだとちょっとした間(ま)や台詞の強弱で笑えなくなることが多いので、やってて大変だなと思います」

板垣「どっちも楽しいですけど、確かにシリアスのほうがやりやすいのかなという気はしました。と言っても僕はコメディの経験がそんなに多くはないので、まだまだ勉強中ですけど。今回はコメディの要素が多くて、台詞の強弱や間に対する吉沢さんのこだわりを、直接口に出されるわけではないんですけど、ご一緒しながら感じることが多かったので。そんな吉沢さんを見ながらコメディってすごく職人的なところがあるんだなと勉強になりました」

関連作品