より共感できるヒーロー像に挑戦した新スーパーマン!『Pearl パール』『ツイスターズ』にも出演したデイヴィッド・コレンスウェットに注目
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズなど個性派ヒーロー映画で知られるジェームズ・ガンの監督最新作『スーパーマン』が公開中。完全新作としてリブートされた本作で、スーパーマンを演じているのがデイヴィッド・コレンスウェットだ。端正なルックスと子役時代から舞台で培ってきた高い演技力で注目される俊英。次世代スターとしても注目を浴びる、コレンスウェットの魅力やキャリアをチェックしてみたい。
名門ジュリアード音楽院で演技を学び、演技派イケメン俳優として脚光を浴びていく
コレンスウェットは1993年、米ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。幼いころからミュージカルやコメディなどクラシック映画に親しみ、やがて地元フィラデルフィアの劇団に加わった。初めて商業劇の舞台に立ったのは9歳で、演目はアーサー・ミラーの名作「彼らもまた、わが息子」。ちなみに、父親は弁護士をしていたが、かつては舞台俳優だったという。78年版『スーパーマン』に主演したクリストファー・リーヴと同じ名門ジュリアード音楽院で演技を学んだあとに、舞台やテレビドラマを中心に俳優活動を開始した。
野心家の議員補佐官が殺人事件に巻き込まれるスリラー『Affairs of State』(18)で主演を果たしたコレンスウェットは、2019~20年には生徒会長を目指す主人公のライバル役でドラマシリーズ「ザ・ポリティシャン」にレギュラー出演。妊娠検査を機に、もしものパラレルワールドを生きる女性を描いたリリ・ラインハート主演作『2つの人生が教えてくれること』(22)での主人公の恋人役など、演技派イケメン俳優として脚光を浴びていく。
「ハリウッド」『Pearl パール』でのクラシカルな雰囲気が印象的
1940年代のハリウッドを舞台に、スターを目指す野心家の主人公を演じたドラマシリーズ「ハリウッド」では製作総指揮を兼任したコレンスウェット。彼が大きく注目されたのが、タイ・ウエスト監督作『Pearl パール』(22)だ。
ミア・ゴス主演の「X エックス」シリーズ第2弾で、コレンスウェットが演じたのは映写技師の青年ジョニー。軽い気持ちで映画好きなパールを誘惑し、やがて悲惨な最期を迎える重要な役柄だった。実はガン監督はウエストの友人で、そのつながりから本作を観てコレンスウェットを知り、スーパーマン役にぴったりだと感じたという。同作の時代は、スペインインフルエンザがパンデミックを引き起こした1918年。端正でクラシカルな風貌のコレンスウェットはどんな時代設定もよく似合い、そんな超時代的な雰囲気もガンの目を引いたのかもしれない。
『THE GREATEST HITS』『ツイスターズ』では正反対の役柄に挑戦
続く『THE GREATEST HITS(原題)』(24)は、2年前に事故死した元カレが忘れられず何度もタイムリープしてしまう女性を描いたせつない系ファンタジー。コレンスウェットは事故死したミュージシャンのマックス役で、主人公のキラキラした過去だけに生きる犬好きの青年をさわやかに演じた。一方、スティーヴン・スピルバーグ製作のパニック超大作『ツイスターズ』(24)では、竜巻リサーチ会社の経営者役で出演。データや実利を重視する冷やかな性格で、経験と勘を頼りに竜巻を追う主人公に対して上から目線で接していた。いわゆる嫌われ役だが、ネガティブなキャラクターもしっかりこなす幅の広さを披露。本人も気に入ったようで、続編ができたらこの役の違う一面を演じてみたいと語っていた。