映画『F1(R)/エフワン』が“ブラピ映画”トップクラスのオープニングで北米V発進!『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の初日成績は?

映画『F1(R)/エフワン』が“ブラピ映画”トップクラスのオープニングで北米V発進!『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の初日成績は?

先週末(6月27日から6月29日まで)の北米興収ランキングは、ブラッド・ピット主演の映画『F1(R)/エフワン』(日本公開中)が初登場No. 1を獲得。同作を含め、「ピット主演作」で「6月から8月のサマーシーズンに北米公開」された作品は過去20年で7本(単独主演ではない『オーシャンズ13』も含む)あるが、そのうち5作品が初登場1位、残る2作品も初登場2位と、見事にハズレなしにそのスターパワーを発揮している点は興味深い。

ブラッド・ピット主演映画歴代2位の北米オープニングを記録!
ブラッド・ピット主演映画歴代2位の北米オープニングを記録![c] 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS

しかも今回の映画『F1(R)/エフワン』に関しては、初日から3日間の興収が5700万ドルと、『トロイ』(04)や『Mr.&Mrs.スミス』(05)を上回り、『ワールド・ウォーZ』(13)に次いでピット主演作歴代2位のオープニング成績。もっとも、初動から破格の興収を叩きだした歴史的ヒット作『トップガン マーヴェリック』(21)と同じ監督やスタッフが集結したこともあって“地上版『トップガン』”とも言われているが、そちらと比べるのはさすがに酷。それでも充分にヒットスタートを飾ったといえよう。

近年はすっかりプロデューサーとしての活躍ぶりが目立ち、すでにアカデミー賞作品賞受賞作を3作輩出(ピット自身が受賞対象となったのは1作のみ)しているピット。俳優としても『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で同助演男優賞に輝き、何度目かのブレイク期に再突入したといっても過言ではないだろう。とはいえピット主演作でメガヒットを記録した作品が少ないこと、また今作はApple製作であり、同社のこれまでの戦略を考えれば劇場での大きなヒットを狙った作品ではないことが気になる点だ。

“地上版『トップガン』”とも称される迫力の映像体験に、北米の観客も熱狂
“地上版『トップガン』”とも称される迫力の映像体験に、北米の観客も熱狂[c] 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS

それでも批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は83%と堅調であり、観客からの好意的評価の割合は97%と非常に高い。とりわけラージフォーマットでの上映が好調であり、そうした作品自体がもつ劇場鑑賞との親和性の高さからは、興収のさらなる伸びが充分に期待できる。全世界興収はすでに1億6000万ドルを突破しているが、製作費は2億ドル以上と高額。劇場展開だけで“成功した”と言い切れない難しさがAppleオリジナル作品にはあるとはいえ、同スタジオにとっては過去最大の成功作であることは間違いないだろう。

対照的に苦々しいスタートとなったのは、ブラムハウス・プロダクションの最新作である『M3GAN/ミーガン 2.0』(10月10日日本公開)。初日から3日間の興収は1020万ドルと、前作のオープニング興収のおよそ3分の1。しかも制作費は前作の1200万ドルから倍増以上の2500万ドル。低予算ハイクオリティをモットーとした同スタジオにしては珍しい制作費の額と、あえて大作がひしめき合うサマーシーズン公開に踏み切った点にスタジオ側の自信が窺えるが、少々裏目に出てしまったようだ。

【写真を見る】ブラムハウスは苦境続き!?大ヒット作『M3GAN/ミーガン』続編が、サマーシーズンに挑むも…
【写真を見る】ブラムハウスは苦境続き!?大ヒット作『M3GAN/ミーガン』続編が、サマーシーズンに挑むも…[c]2025 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

ブラムハウス作品は今年に入ってから、リー・ワネル監督の『Wolf Man』やジャウマ・コレット=セラ監督の『The Woman in the Yard』、クリストファー・ランドン監督の『Drop』と、人気監督の新作を続々公開してきているが、いずれも大きな成功には至っておらず。ハロウィンシーズンに控える『Black Phone2』と年末の『Five Night at Freddy's2』でどこまで取り返すことができるのか。

さて、7月2日の水曜日に北米公開を迎えた『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日日本公開)の速報を簡潔にお伝えしておこう。初日の興収は3050万ドルと、水曜日の初日興収としては歴代11位の成績であり、2日目の木曜日は2200万ドルから2400万ドルほどの興収見込み。週末3日間では8000万ドル前後の興収になると予測されており、メガヒット連発だった「ジュラシック・ワールド」シリーズ3作と比較すると、ひと回りほど低い数字に落ち着きそう。次週、批評家や観客の反応も含めてたっぷりと詳細をお伝えしたい。


文/久保田 和馬

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