ドゥニ・ヴィルヌーヴが「007」シリーズ新作映画の監督に就任!「伝統を重んじて、新たなミッションを切り拓いていきたい」
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)をもってダニエル・クレイグ主演の“6代目ジェームズ・ボンド”が幕を下ろした「007」シリーズ。その新作となるシリーズ第26作の監督に、「デューン 砂の惑星」シリーズなどで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が就任。現地時間6月25日にAmazon MGMスタジオが発表した。
イアン・フレミングのスパイ小説シリーズを原作にした「007」シリーズは、MI6に所属するジェームズ・ボンドの活躍を描くもので、『007/ドクター・ノオ』(62)を皮切りに、これまで25作品が製作。ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、そしてクレイグと、6名の俳優がジェームズ・ボンド役を演じてきた。
Amazonが『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開後にMGMを買収し、Amazon MGMスタジオとなったことでシリーズ全作の配給権を獲得。しかし新作を作るためには第1作からシリーズを手掛けてきたイーオン・プロダクションの承認が必要であり、Amazon側が当初計画していたドラマシリーズ化は白紙に。今年前半にイーオンのバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンが、クリエイティブ・コントロールの権利をAmazon MGMスタジオに委ねることに合意。一気に新作への機運が高まることに。
その後、「スパイダーマン」シリーズのエイミー・パスカルと「ハリー・ポッター」シリーズのデヴィッド・ハイマンを新たなプロデューサーに迎えて新作映画の製作が決定。Amazon MGMスタジオは監督探しに奔走し、一部報道では『教皇選挙』(公開中)のエドワード・ベルガーや『ラストナイト・イン・ソーホー』(21)のエドガー・ライトらを候補にしていたと伝えられているが、このたび正式にヴィルヌーヴ監督に決定。
世界中の映画ファンが注目するビッグタイトルに抜擢されたことについてヴィルヌーヴ監督は、「『007』シリーズは、私の子どもの頃の映画の思い出のひとつ。『ドクター・ノオ』から父と一緒にボンド映画を観て育ってきました。私は熱狂的なボンドファンであり、私にとって彼は聖なる場所のような存在。この伝統を重んじて、これから多くの新たなミッションを切り拓いていきたいと思っています」とコメントを寄せている。
カナダ出身監督が「007」シリーズのメガホンをとるのは『トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)のロジャー・スポティスウッド監督以来。ヴィルヌーヴ監督は現在「デューン」シリーズ第3作など複数の大型プロジェクトを抱えており、本作の始動時期については不明。そしてもちろん、“7代目ジェームズ・ボンド”を誰が演じるかということも発表されておらず、続報に大いに注目しておきたい。
文/久保田 和馬