ウェス・アンダーソン最新作の邦題が『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』に決定!トム・ハンクスほか豪華キャストを収めた場面写真
ウェス・アンダーソンの監督最新作『The Phoenician Scheme(原題)』が邦題を『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』として9月19日(金)より公開されることが決定。ベニチオ・デル・トロ、トム・ハンクス、ベネディクト・カンバーバッチら豪華キャスト陣の姿を収めた場面写真が到着した。
2025年3月には書籍「ウェス・アンダーソンの世界展 -The Museum of Wes Anderson-」が発売されるなど日本でも根強い人気を誇るアンダーソン。最新作は『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21)にも出演したデル・トロを主演に迎え、ケイト・ウィンスレットの娘で俳優のミア・スレアプレトン、『バービー』(23)でアランを演じたマイケル・セラ、アカデミー賞ノミネート俳優のリズ・アーメッドらウェス組初参加のキャスト、そしてウェス作品の常連ともいえる、ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、ブライアン・クランストン、マチュー・アマルリック、ジェフリー・ライト、ルパート・フレンド、ホープ・デイヴィス、そして物語の重要なカギを握る人物にカンバーバッチと超豪華キャストたちが競演する。先月30日からスタートしたUS先行公開では、劇場あたり平均9万5,000ドル=約1,355万円(1ドル=142.6円)と、今年の限定公開作でトップの館アベレージを取得。現在は全米公開を迎え、ますます盛り上がりをみせている。
物語はデル・トロ演じるヨーロッパの富豪、ザ・ザ・コルダが娘で修道女のリーズル(スレアプレトン)を後継人に任命したところから始まる。画策していたビジネスの危機的状況を打開すべくヨーロッパを旅する間に様々な事件(ザ・ザ・コルダ自身の暗殺計画など)に巻き込まれていく、というクライム・ファミリー・コメディ。物語の後半では、カンバーバッチ演じるヌバルおじさんとザ・ザ・コルダの決死のバトルも繰り広げられるなど、一瞬たりとも見逃せない作品になっている。
タイトルのなかにある“フェニキア”とは、現在レバノンを中心とする海岸地帯にある、独立した複数の都市国家からなる架空の大独立国。ヨーロッパの大富豪で、6度の暗殺未遂から生き延びたザ・ザ・コルダが画策する“フェニキア計画”とは、“現代の大独立国フェニキア”全域におよぶ陸海三つのインフラを整備するという大プロジェクトだ。うまくいけば、今後150年間にわたって毎年利益が入ってくるという、ザ・ザ・コルダにとっては一世一代のプロジェクト。しかし、とある妨害によって赤字が拡大、財政難に陥り、30年かけて練り上げた計画が脅かされることになってしまう。ザ・ザ・コルダは資金調達のため、ビジネスパートナーたちに会いに、疎遠になっていた娘で後継人のリーズルとともにフェニキア全土を横断する旅に出る。
このたび解禁されたのは、リーズルと家庭教師ビョルン(セラ)を引き連れたザ・ザ・コルダの旅路を切り取った場面写真。様々な刺客から命を狙われるザ・ザ・コルダ。プライベートジェットを操縦しているカットでは、なんと機体の屋根が穴だらけに。すでに左腕を負傷しているザ・ザ・コルダだが、ほかのカットでも、額にけがをしていたり、シャツに血がついていたり…険しい旅路だったことが想像できる。ビョルンに嘘発見器を付けて尋問するようなカットもあり、常に命を狙われているザ・ザ・コルダの気苦労も察せられる。またザ・ザ・コルダとビジネスパートナーたちの“交渉中”のカットに加えて、なぜかとてもラフな格好のハンクス、そして、赤いソファに悠々と腰かけるカンバーバッチ演じるヌバルおじさんのラスボス感溢れ出るカットも公開。ヌバルおじさんは、物語後半でザ・ザ・コルダと決死のバトルを繰り広げる。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)や『ダージリン急行』(07)につながるような“家族の再生と絆”を描く本作。豪華キャストが織り成すユーモラスなやり取りやスタイリッシュな映像をスクリーンで味わってほしい。
文/スズキヒロシ