アヌシー国際アニメーション映画祭で快挙!STUDIO4℃制作『ChaO』が、日本アニメ8年ぶりの審査員賞を受賞
「人魚姫」の物語をベースにした、STUDIO4℃のオリジナルアニメーション『ChaO』(8月15日公開)。このたび本作が、現地時間6月14日に閉幕した第49回アヌシー国際アニメーション映画祭において、長編コンペティション部門の審査員賞を受賞した。
人間と人魚が共存する未来社会を舞台にした本作。船舶をつくる会社で働くサラリーマンのステファンは、ある日突然“人魚王国”のお姫さまであるチャオに求婚され、わけもわからぬまま一緒に生活することに。純粋でまっすぐなチャオの愛情を受け、ステファンは少しずつチャオに惹かれていくが…。ステファン役の鈴鹿央士、チャオ役の山田杏奈のほか、バラエティに富んだ声優陣が集結したことでも注目を集めている。
世界最大規模のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭で、花形ともいえる長編コンペティション部門10作品の一本に選出された本作は、6月13日にプレミア上映が行われ、現地のアニメファンから熱烈な支持を獲得。翌14日に行われた授賞式では、惜しくもグランプリであるクリスタル賞は逃したものの、日本アニメとしては『この世界の片隅に』(17)以来8年ぶりの審査員賞に輝いた。
授賞式に登壇した青木康浩監督は「ここにこうして立っていることが信じられません。作品はコメディなので、ギャグがいっぱいありますけども、台詞によるギャグは禁じ手としていました。そのおかげで海外の人たちに広く笑いが理解してもらえたのだと思います」と喜びのスピーチを披露。そしてチャオのぬいぐるみを掲げながら、「この風船のような体でこのまま世界をふわふわと飛んでいってもらえればいいなと思っています。ありがとう!」と感謝の想いを述べた。
また授賞式後のクロージングパーティでは映画祭関係者らからサインを求められ、急遽サイン会を実施した青木監督。会場にはアヌシー市のフランソワ・アストルグ市長も駆けつけ、青木監督はイラスト入りのサインを進呈。現地のファンから「『ChaO』のチームは本当にすばらしい仕事をした。すばらしい映画を作ってくれてありがとう!」と熱量たっぷりのラブコールが寄せられるなど、大きな賑わいのなかで映画祭は幕を閉じた。
昨年、アヌシー国際映画祭の長編コンペティション部門審査員賞に輝いた『Flow』(23)は、その後、第97回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞する快挙を達成。それに続く快進撃が期待される『ChaO』は、7月17日(木)に開幕するファンタジア国際映画祭のコンペティション部門にもノミネートされている。海を超えて届けられる『ChaO』の続報に、今後も注目していきたい!
文/久保田 和馬