『メガロポリス』がより深く楽しめる!フランシス・F・コッポラ監督最新作のストーリーやキャラをイラストでまるわかり解説
フランシス・フォード・コッポラの14年ぶりの最新監督作『メガロポリス』(6月20日公開)。「ゴッドファーザー」シリーズ、『地獄の黙示録』(79)など映画史に残るモニュメントを手掛けてきたコッポラが40年の歳月をかけた本作は、アメリカをローマ帝国に見立てた巨大都市にして未来都市、メガロポリス建造の夢に取りつかれた男を描いた超大作だ。理想と現実の争いや、多彩な人々が織り成す愛憎劇など様々な要素を盛り込んだ本作のストーリーやキャラクター相関図、見どころをイラストレーターの五月女ケイ子による描き下ろしイラストと共に徹底紹介。これを読めばより深く本作の世界を味わえるだろう。
押えておきたい!個性あふれる登場人物たちの相関関係
物語の舞台となるのは、21世紀、富裕層と貧困層の格差が社会問題となっているアメリカ共和国の大都市ニューローマ。新都市メガロポリスの開発を推進する天才建築家のカエサル・カティリナは、財政難のなか利権に固執する市長フランクリン・キケロと真正面から対立する。さらに、一族の策略にも巻き込まれたことでカエサルは絶体絶命の危機に直面してしまう…。まずは主人公のカエサルをはじめ、新都市メガロポリスを取り巻く、強烈な個性を放つキャラクターを紹介したい。
●カエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)
新都市メガロポリスの開発を推進するニューローマの都市計画局局長。名門クラッスス一族の出身で、優れた建築家であり永久に持続する新建築素材メガロンの発明でノーベル賞を受賞した科学者でもある。誰もが平等に暮らせる都市づくりという理想的なビジョンを掲げているが、皮肉屋で独善的な性格から敵も多い。妻を亡くし、その殺人容疑をかけられた過去を持つ。なかなか他人に心を開かないが、ジュリアと出会い恋に落ちる。時間を止める特殊な能力を持っている。
●フランクリン・キケロ市長(ジャンカルロ・エスポジート)
検事出身のニューローマの新市長。財政立て直しのため教師や警察官のリストラを断行し、カジノの建設など改革を推し進める。現実主義で利権にまみれたその手法は、理想主義のカエサルとは水と油。検事時代に証拠不十分のままカエサルを妻殺しで告発した張本人で、娘ジュリアが彼を愛していると知り衝撃を受ける。
●ジュリア・キケロ(ナタリー・エマニュエル)
キケロ市長の娘。パーティ三昧の怠惰な日々を送っていたが、ビルの解体現場で時間を止める能力を使うカエサルを見かけ、彼に興味を抱く。父親の敵として憎しみを抱いていたが、メガロポリス構想に共感して助手を務めるようになる。カエサルと父の関係を取り持つために奔走するなか、カエサルの情熱や純粋さに触れ愛するようになる。