渡辺直美がUSオリジナル版&日本版声優に!『星つなぎのエリオ』で平和を愛する惑星の大使オーヴァを演じる
ディズニー&ピクサーの最新作『星つなぎのエリオ』(8月1日公開)。本作のヴォイスキャストとして、渡辺直美がUSオリジナル版と日本語吹替版の両方に参加していることが明らかとなった。
渡辺が演じるのは、主人公エリオがたどり着くコミュニバースのメンバーの一人で、平和を愛する惑星の明るく情熱的な大使オーヴァ。オーヴァはポジティブなエネルギーに満ちており、エリオにコミュニバースのことを教えてあげるなど、彼の冒険を優しく見守る存在だ。ディズニー&ピクサー作品のUSオリジナル版で日本人が声優を務めるのはピクサー・アニメーション・スタジオのクリエイター以外では初めて。さらに、日本版声優も同時に務めるのは日本人初となる。
本作について監督陣に話を聞くと、「この物語は、人とどこか違うことで、時に孤独感を覚えることもあるが、その違いこそが私たち一人一人を唯一無二の輝きで照らしてくれるのだという力強いメッセージが込められた作品です。私たちそれぞれが異なる個性を持つからこそ他者と深くつながりあえること、自分自身をありのままに受け入れ、そして愛する大切さを教えてくれます」と答え、作品に込めたメッセージを教えてくれた。
続けて、「このメッセージが渡辺直美さん自身のこれまでの軌跡と完璧に一致していることに気がつきました。彼女は常に新しい環境で自分自身に挑戦し続け、自身の個性を守りながら、夢を追い求め、真に唯一無二の輝きを放つ人物です。その理由から、彼女がこのプロジェクトの理想的な選択だと感じました」とし、本作のテーマにマッチしたことが渡辺をUSオリジナル版に起用した理由だったと明かしている。その唯一無二の個性とカリスマ性は世界中から熱い支持を集め、ニューヨークを拠点に文化や言語の垣根を越えて日本のエンタテインメントを世界に発信している姿が、星の代表としてコミュニバースに集うオーヴァの姿と重なる。
USオリジナル版へのオファーを受けた際、渡辺は自身のマネージャーと共に大盛り上がりだったそうで、「めっちゃびっくりしましたよ!『そんなことある…!?』みたいな。日本ではいろいろな作品で吹替声優をやらせていただいたことはありますけど、『え、アメリカの!?英語の!?』と。最初はびっくりしましたが、こんなに光栄なことはないので凄くうれしかったです」と喜びもひとしおだったそう。
アメリカでの収録については、「私が発した言葉でオーヴァが形成されるんだという緊張感もありました。そして英語が大変でした。最初は猫被ったようなしゃべり方をしてたんですけど、監督が『もっと直美らしさを出していいよ!』と言ってくれてやりやすかったです」と振り返る。オーヴァとの共通点について聞くと、「オーヴァの大きな目の部分が映像的というか、その時の感情によって表情が変わったりとか、喋る時もビビビビって動いたりとかするので、変顔でここまでやって来た私と似てるなというか(笑)。顔だけで生きて来ている…いや、オーヴァはそんなキャラじゃないんですけど(笑)!表情豊かなところは似てるかなと思います」と、親近感を覚えている様子。
日本語吹替版の声も担当することについては、「不思議でした。自分の英語のセリフを聞きながら、日本語で収録するというのは初めての経験でした」と語る。ディズニー&ピクサーの作品で英語と日本語両方の声優を同時に担当するのは日本人初だと聞くと、「えっ!初!?凄いことじゃないですか!?」と大興奮だった。
監督陣も語るように、主人公のエリオとグロードンとの出会いを通して、ありのままの自分を受け入れること、他者とのつながりが本作のテーマになっている。ありのままの渡辺直美を抱きしめてくれる存在は?という問いについては、「やっぱり一番はファンのみなさんですね!」と即答。テレビ、SNS、舞台と、その時々によりキャラクターを変えて臨んでいるという渡辺だが、「そういうのがあってもファンの人たちは受け入れてくれる。どんな形でも、ミスっているところが見えても、いろんな表情をしている自分をいつも受け入れてくれて。しっかり仕事をしているところも、ちょっとポンコツなところ、天然なところも受け入れてくれる。色んなところを受け入れてくれているのがファンのみなさんだなと思います」とファンとの強い絆を言葉にし、演じたオーヴァの大らかで優しい性格そのままのキャラクターを覗かせていた。
『インサイド・ヘッド』(15)ではユニークな感情たちの世界、『リメンバー・ミー』(17)ではカラフルな死者の国を映像化し、世界中を感動の渦に包んできたディズニー&ピクサー。どこにも馴染めず、「ここじゃないどこかに、僕の居場所がきっとある」と信じている一人ぼっちのエリオは、広い世界のどこかにきっとある“本当の居場所”を求めて、いつか何光年も離れた星に行く日を夢見ている。ある日、願いが叶い、様々な星の代表が集う場所、コミュニバースに招かれることに。そこで、「ずっと友だちが欲しかったんだ」という孤独なエイリアンの少年グロードンと出会う。
「そのままの君が好きだよ」と言うグロードンと心を通わせるエリオだったが、2人の絆を引き裂く脅威が迫る。エリオが美しい星々の世界で見つける大切なもの、そして孤独な2人の出会いが生むやさしい奇跡とは?『星つなぎのエリオ』に期待してほしい。
文/平尾嘉浩