深川麻衣、『ぶぶ漬けどうどす』東京プレミア上映会で京都愛の強すぎる主人公に共感も「ひやっとするセリフがあった!」と告白

深川麻衣、『ぶぶ漬けどうどす』東京プレミア上映会で京都愛の強すぎる主人公に共感も「ひやっとするセリフがあった!」と告白

映画『ぶぶ漬けどうどす』(6月6日公開)の東京プレミア上映会が5月22日、テアトル新宿にて開催され、深川麻衣、小野寺ずる、大友律、若葉竜也、松尾貴史、室井滋、冨永昌敬監督が登壇した。本作は、京都が好きすぎる主人公が、“京都愛”が強すぎるがゆえに引き起こした大騒動を描くシニカルコメディ。

【写真を見る】深川麻衣の着物姿が美しい!
【写真を見る】深川麻衣の着物姿が美しい!

東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライターの澁澤まどかを演じた深川と、まどかの義母で老舗扇子店の女将、澁澤環を演じた室井は、劇中同様着物で登壇。深川はまどかに共感したところは「京都に対しての知識がほぼ同じくらいだった」と明かし、客観的に観て京都の方の反応が気になるような「ひやっとするセリフ」もあったと、自身と主人公の知識度に触れていた。

これまでなんども京都での撮影を経験している室井は、「時代劇、現代劇だと殺人事件が起こるもの(を撮影してきました)」と切りだし、「殺人が起こらない、人間の葛藤を描く作品を京都でオールロケというのは初めてかもしれません」と京都でのロケを振り返る。殺人事件は起こらないが、「もしかしたらもっと恐ろしいことが起こったのかなと思いました」と、本作で描く大騒動をほのめかす場面も。

これまで経験した京都撮影との違いを語った室井滋
これまで経験した京都撮影との違いを語った室井滋

劇中に登場する漫画も小野寺自身が描いたもの。「自分の名義で書くと、いい意味でも悪い意味でもぬるっとする(笑)」と話した小野寺は、作品のなかで描く漫画なので気が引き締まったとし、「新しい線が描けました!」とうれしそうに報告していた。

450年続く老舗の長男で東京在住の京都人を演じた大友は「方言が難しかった」と振り返り、「話す相手によって京都弁になったり、標準語になるところ」が大変だったとのこと。すると、この日MCを務めていた松尾から「京都の人は京都弁と言いません。京言葉って言いますねん」とツッコミが入り、笑いが沸き起こる場面もあった。

本読みででの冨永監督とのやり取りを明かした若葉竜也
本読みででの冨永監督とのやり取りを明かした若葉竜也

セリフについては若葉も印象に残っているようで、「本読みの時に語尾に『ですよ』をつけたらどうかなと冨永さんに言われて。やってみたら、あんなことになりました」と、まどかが出会う大学教授の中村役の話し方がどのように誕生したのかを説明。モデルとなった人物はいないが、本読みでの冨永監督とのやりとりで、特徴のあるキャラクターになったとも補足していた。

ホラーみのあるコメディーとアピールした冨永昌敬監督
ホラーみのあるコメディーとアピールした冨永昌敬監督

京都で3週間のロケを行ったが、街の中で撮影したシーンはほとんどないと明かした冨永監督。「外側の人間から見て京都っぽいところはこの映画にはいらない。見てほしいのは家の中。京都を地元として、そこに住んでいる人たちが出てくる映画なので、そういうところを撮ろうと狙っていました」と理由を語り、「地元の人の生活目線」がポイントだとも強調していた。

深川演じるまどかは京都の正しき伝道師になるべく努力するのだが…
深川演じるまどかは京都の正しき伝道師になるべく努力するのだが…

最後の挨拶で深川は「実際に『ぶぶ漬けどうどす』って使われているの?というある種の偏見に気づける映画になっています」とアピール。冨永監督は本作はある種、ホラーのようなところも感じられるとしながらも、「一応コメディ(笑)。コメディを作っているんだという気持ちが現場にあって、とても楽しい時間を過ごすことができました。監督としては幸せな作品になりました」とキャスト陣に感謝。続けて「まどかが京都の人たちを知っていくうちに、ちょっとずつ変身していくのが怖いという人もいます」と試写などで寄せられた感想に触れつつ、「今日は東京プレミア上映。東京の方が観てどのような反応があるのか、楽しみにしています!」と期待を込めていた。


取材・文/タナカシノブ

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