サメに続け!シャチ、コウモリ、アナコンダ…“動物パニック映画”のブームがふたたびやってくる?
1990年代の人気映画がスターキャストで再映画化!
そんななか、先述の“サメ映画”第二次ブームのきっかけとなった『ディープ・ブルー』を手掛けたレニー・ハーリン監督が新たな動物パニック映画『Black Tides』の監督に就任したことが、現地メディア「Deadline」の報道で明らかになった。
夏ごろから本格的に撮影開始となる見込みの同作は、ポルトガル沖で実際に起きたシャチによる襲撃事件にインスパイアされたサバイバルスリラー。長年疎遠になっていた父と再会を果たした主人公の女性が、幼い息子も連れ立ってジブラルタル海峡を渡る家族旅行へと出発するのだが、そこに凶暴なシャチが現れるというストーリーとのことだ。
ハーリン監督は現在、海上に緊急着陸した飛行機にサメの大群が迫るというアーロン・エッカート主演の『Deep Water』の編集作業のまっただなか。“サメ映画”ブームに革新をもたらしたハーリン監督が、今度は“サメ映画”と“動物パニック映画”の両方で新たなフェーズを切り拓こうとしている。
また、オーストラリア発の“サメ映画”『グレート・ホワイト』(21)を手掛けたマーティン・ウィルソン監督の次回作として「Variety」が報じた『Dark Jungle』は、コウモリの恐怖を描く“動物パニック映画”。ジャングルの奥深くを舞台に、エリート傭兵チームが巨大コウモリの大群に襲われる様が描かれるとのこと。
さらに『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)のジャック・ブラックと、「アントマン」シリーズのポール・ラッドが共演を果たす「アナコンダ」の新作映画も待機中。『マッシブ・タレント』(22)のトム・ゴーミカン監督がメガホンをとり、コメディタッチの作品になると伝えられているが、その全貌はまだ明らかになっていない。2月にクランクアップを迎え、2025年末に公開予定だ。
もちろん“サメ映画”のほうも負けていない。サメの群れを飼い慣らすシリアルキラーの恐怖を描く『Dangerous Animals』が、まもなく開幕する第78回カンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映され、6月に北米公開。ほかにもヨアン・グリフィズとロス・バトラー共演の『Zipline』や、「海底47m」シリーズの第3弾『47 Meters Down: The Wreck』が年内の北米公開を目指して編集作業中と伝えられている。
ますます勢いを増す“サメ映画”と、いよいよ復活の時を迎えようとしている“動物パニック映画”。次なるターニングポイントとなるヒット作が生まれることを期待しながら、今後もこのジャンルの動向を楽しく見守っていきたい。
文/久保田 和馬