こんな訪問はご免こうむる!『パニック・ルーム』に『ドント・ブリーズ』、『異端者の家』などヤバイ“家”系映画たち

こんな訪問はご免こうむる!『パニック・ルーム』に『ドント・ブリーズ』、『異端者の家』などヤバイ“家”系映画たち

出入口が閉ざされ、携帯の電波もつながらない奇妙な屋敷に踏み入った2人のシスターが、恐ろしい家主からある挑戦を突き付けられる『異端者の家』(公開中)。舞台となる屋敷には様々な仕掛けが施されており、近年注目を浴びている“変な家”ものとしても見応えがある。巧妙な罠で獲物を誘い込み、身も凍る恐怖を体験させるこのジャンルの作品は技巧派ぞろい。そんな“家系”のオススメを紹介しよう。

ヒュー・グラントが天才的な頭脳を持ち、シスターたちを翻弄する謎の男リードを演じる(『異端者の家』)
ヒュー・グラントが天才的な頭脳を持ち、シスターたちを翻弄する謎の男リードを演じる(『異端者の家』)[c] 2024 BLUEBERRY PIE LLC. All Rights Reserved.

緊急避難用の密室に閉じこもった母子と強盗との攻防を描く『パニック・ルーム』

パニック・ルーム”をご存じだろうか?危険な侵入者などから持ち主を守るため、家の中に作られたシェルターで「セーフ・ルーム」とも呼ばれている。日本ではなじみがなかったこの隠し部屋を一躍有名にしたのが『パニック・ルーム』(02)だ。夫と離婚したばかりのメグ(ジョディ・フォスター)は娘のサラ(クリステン・スチュワート)を連れ、死去して間もない老富豪が住んでいたニューヨークの豪邸に引っ越してくる。越してすぐの夜、豪邸に3人組の強盗が侵入。リーダー格の男は富豪の遺族であり、パニック・ルームに隠された財産を盗みにやって来たのだ。

危険な侵入者などから持ち主を守るため、家の中に作られたシェルターを題材にした『パニック・ルーム』
危険な侵入者などから持ち主を守るため、家の中に作られたシェルターを題材にした『パニック・ルーム』[c]Everett Collection/AFLO

事態を察知し、サラと共にパニック・ルームへ逃げ込んだメグ。室内はコンクリートの厚い壁、家中の監視カメラの映像を映すモニター、自動施錠の防護扉といった設備が備わっているが、電話回線をつないでいなかったため外部との連絡は取れない。さらに、糖尿病を患っているサラにとって不可欠なインスリン注射も外へ置いてきてしまった…。隙を見て助けを求めようとする母子と、あの手この手で2人をあぶり出そうとする強盗との攻防がスリリングに描かれていく。監督は『セブン』(95)、『ゴーン・ガール』(14)などのサスペンスの鬼才、デヴィッド・フィンチャー。フィンチャーによる巧みな映像テクニックはもちろん、メグ役のジョディ・フォスター、強盗に扮したジャレッド・レト、フォレスト・ウィテカーといったオスカー俳優たちの競演という意味でも見応えある作品だ。

母子と強盗とのスリリングな攻防が展開(『パニック・ルーム』)
母子と強盗とのスリリングな攻防が展開(『パニック・ルーム』)[c]Everett Collection/AFLO

暗く入り組んだ間取りの室内で若者が盲目の老人に狩られていく『ドント・ブリーズ』

一人暮らしの老人の家に侵入した若者たちが恐怖にさらされるハイテンションなスリラー『ドント・ブリーズ』(16)。ネグレクトの母のもとから妹を連れて逃げるため、不良少女のロッキー(ジェーン・レヴィ)と彼女の恋人マニー(ダニエル・ゾヴァット)、友人のアレックス(ディラン・ミネット)が強盗を計画。深夜、多額の現金を持つと噂される盲目の老人(スティーブン・ラング)の家に押し入った。ところが老人は元軍人で、戦地で視力を失くしたことから聴覚をはじめとする感覚が超人的なまでに研ぎ澄まされていた。真っ暗闇になった家の中で怯えるロッキーたちが、どこからともなく現れる最凶の老人に襲われる。

若者たちが盲目の老人によって狩られていく『ドント・ブリーズ』
若者たちが盲目の老人によって狩られていく『ドント・ブリーズ』[c]Everett Collection/AFLO

不慣れな他人の家に暗闇という手探り状態のシチュエーションで、戦闘のプロフェッショナルに遭遇した若者たちが狩られていく本作。「息を止めろ」というタイトル通り、息苦しさすら感じる緊張感が味わえる。2階建ての狭い室内は迷路のように入り組んだ間取りだが、さらに特殊な構造の地下室には驚愕の秘密も隠されていた…。最後の最後まで先読み不可な展開にも圧倒される。

強盗目的で盲目の老人が住む家に押し入った若者たちだったが…(『ドント・ブリーズ』)
強盗目的で盲目の老人が住む家に押し入った若者たちだったが…(『ドント・ブリーズ』)[c]Everett Collection/AFLO


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