【ネタバレなし】「スター・ウォーズ」史上最高の声も!「キャシアン・アンドー」シーズン2第1~3話をレビュー

コラム

【ネタバレなし】「スター・ウォーズ」史上最高の声も!「キャシアン・アンドー」シーズン2第1~3話をレビュー

帝国のさらなる強大化で、緊張感と重厚さが生みだされる

惑星ゴーマンに象徴される帝国による圧力に加え、反乱運動に関しても帝国のさらなる厳しい警戒が続いていることも、第1話から描かれている。圧倒的な武力を持って惑星を調査する帝国に対し、不満を持ちながらも対抗する手段がない市民たちの姿が、惑星フェリックスから逃れて、反乱同盟に協力するビックス・カリーン(アドリア・アルホナ)たちの目からも描かれていく。そして、秘密裏に反乱同盟のための資金を調達するモスマの周辺でも、思うように活動が進められない状態の反乱同盟側の閉塞感が見え隠れする。

キャシアンの友人の一人、ビックス・カリーン
キャシアンの友人の一人、ビックス・カリーン[c]2025 Lucasfilm Ltd.

シーズン2では、この希望を抱きながらも隠れながら行動しなければならない反乱運動の苦闘が大きくクローズアップされ、そこに関わる人々のプレッシャーや焦燥感がより強くなる方向が示されている。もちろん、この苦悩が圧縮され爆発した結果が、『ローグ・ワン』で描かれるデス・スターの設計図を手に入れる攻防につながるわけだが、シーズン2の冒頭は、帝国のさらなる強大化による重厚感あふれるドラマが展開されていくのだ。

『ローグ・ワン』に向かって進む物語。どんなサプライズが待っているのか?

【写真を見る】相棒・K-2SOもカムバック!『ローグ・ワン』へのリンクがますます加速
【写真を見る】相棒・K-2SOもカムバック!『ローグ・ワン』へのリンクがますます加速[c]2025 Lucasfilm Ltd.

一方で、シリーズファンにとってはうれしい要素も増えている。反乱運動の状況が大きく進んだ結果、シーズン1以上に魅力的なビークルが多数登場し、活躍するシーンも描かれる。シーズン1では、主人公のキャシアンが孤軍奮闘する状況が多かったため、メカニックなアクションは控えめな印象だった。だが、物語が進むうえでは、やはり「ヤヴィンの戦い」に向けた反乱軍の準備も進んでいくし、帝国軍の兵器も次々と配備されるはず。これらの活躍するシーンでは、まさに「スター・ウォーズ」らしい高揚感が得られる展開が楽しみになるだろう。

このほかにも、シーズン2のキービジュアルには『ローグ・ワン』で大きな存在感を見せたキャラクターたちが描かれている。第3話までには登場しなかったが、反乱軍のなかでも過激派であるソウ・ゲレラの登場や、キャシアンの相棒となるドロイドのK-2SOとの出会いが描かれることは間違いない。また、ようやく描かれることになりそうなキャシアンとビックスの恋愛模様など、まだまだ注目すべき点が多くあり、今後の展開に期待したい。

過激派の反乱戦士ソウ・ゲレラ
過激派の反乱戦士ソウ・ゲレラ[c]2025 Lucasfilm Ltd.

また今年で公開20周年を迎えた『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』に『ローグ・ワン』そして本作と、『エピソード4』へと至る物語はたどり着く結末を知っていることから、どうしても悲劇性を感じていくこととなるのだろう。だがこの悲劇性は、やがてたどり着く“新たなる希望”への高揚感を呼び起こし、年代問わず誰しもが感じている、伝説の第1作への“特別な感情”を思い出させてくれるものなのではないかと思っている。

「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2は、ディズニープラスにて日米同時独占配信中
「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」シーズン2は、ディズニープラスにて日米同時独占配信中[c]2025 Lucasfilm Ltd.

本作のショーランナーのトニー・ギルロイは、「シーズン2では3話ごとに1年間が描かれる」と語っているが、このあと反乱同盟の勃興のピースがどのように埋まり、どんなサプライズが待っているのか?ぜひその目で見届けて欲しい。


文/石井誠

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